経済概況

 1 国内経済概況 


設備投資と輸出に支えられ景気回復が継続

 日本経済は1 4年初めから回復を続けている。1 4年度の実質G D P(国内総生産)成長率は0 . 8%にとどまったが、1 5年下期に入り米国やアジア経済の回復による輸出の増加や設備投資が増加した。これに加えて、雇用や所得環境の改善により、日本経済も着実な回復を見せたことから15年度の実質GDPは2.0%となった。

 1 6年度の実質G D P成長率は、民間最終消費支出、民間企業設備、財貨・サービスの純輸出がプラスに寄与したことから1 . 9%(3年連続のプラス)、名目G D P成長率は0 . 7%(2年連続のプラス)となった。また、実質成長率の内訳をみると、内需の寄与度は1 . 4%、外需が0 . 5%となった。特に設備投資は製造業を中心に緩やかに増加している。また、雇用面では失業率の改善が見られており、1 4年6月の5 . 5%をピークに1 6年1 2月には4 . 5%まで低下した。また、雇用リストラの一巡などを背景として、年度前半は家計消費が好調であった。しかしながら、秋には台風の襲来が相次いだことや暖冬による冬物衣料などの消費の伸び悩みから家計消費は一時的に影響を受けた。

 物価は、国内企業物価は素材価格の上昇などから5年ぶりに前年を上回った。また、消費者物価(総合)は5年連続で下落していたが、1 6年は前年並みとなり、横ばいで推移した。


図1 実質国内総支出(GDP)の推移(前年度比)
図2 為替レートの推移(対ドル)


資料:内閣府「国民経済計算」 資料:東京三菱銀行

図3 物価の推移(平成12年=100)

図4 消費者物価指数(食料)の推移(平成12年=100)

資料:日本銀行「企業物価指数」、総務省「消費者物価指数」 資料:総務省「家計調査報告」