畜産物の需給動向

 2 牛肉 


▼国産枝肉卸売価格
17年度の卸売価格は、1,308円/kg(7.0%、東京・省令)と高水準で推移
省令規格

図18 牛肉の卸売価格(東京・省令規格)

 枝肉卸売価格(東京市場)は、13年10月以降国内初のBSEが確認されたことから、年度末にかけて大幅に前年を下回った。14年度には消費の回復に伴い上昇したがBSE発生前(12年)の8割程度にとどまった。しかし、米国産の輸入停止の影響により、16年度には安定上位価格を大幅に上回った。17年度は、輸入停止が続いたことから、1,308円/kg(7.0%)と前年度をかなりの程度上回った(図18、P.174)。

 
和 牛
図19 牛肉の卸売価格(東京・和牛去勢)

 和牛(去勢)の卸売価格は、13年10月以降、前年同月を大幅に下回って推移したが、14年度に入り価格は大きく回復し、15年度にはと畜頭数の減少による生産減の影響もあり堅調に推移した。16年度は、BSE前(12年度)の水準に回復傾向にあった。17年度は、年度平均でA5は2,451円/kg(3.4%)、A4は2,166円(3.8%)A3は1,981円(3.3%)、A2は1,711円(0.4%)とともに前年を上回っただけでなく、16年度に引き続き、BSE前(12年度)の水準をも大幅に上回っている。(図19、P.174)。

 
乳 牛

図20 牛肉の卸売価格(東京・乳去勢)

 乳牛の卸売価格は、13年9月以降はBSEの影響で急激に前年同月を下回り、年度末まで大幅に低下した。14年度に入り価格は急速に回復し、15年度に入っても堅調に推移した。16年度には品質的に輸入牛肉と競合することもあり、米国産牛肉の輸入停止により価格が上昇した。17年度は、年度平均でB3は950円(4.5%)、B2は846円(5.1%)となり、前年度を上回った。(図20、P.174)。

 
交雑種

図21 牛肉の卸売価格(東京・交雑種F1

 交雑種の卸売価格は、13年9月以降にはBSEの影響で、前年同月を下回り、さらに年度末にかけて、大きく低下した。14年度に入り、価格は急速に回復した。16年度も堅調推移した。17年度は、年度平均で、F1去勢B3は1,508円/kg(6.3%)、B2は1,327円/kg(6.1%)となり、好調であった(図21、P.174)。