畜産物の需給動向

 3 豚肉 


▼仲間相場

国産冷凍品
輸入冷蔵品
   
図19 国産豚肉の仲間相場(冷凍品うで、もも)
図20 輸入豚肉の仲間相場(冷蔵品、米国産ロース)

 豚肉の加工仕向けが、輸入品に大きくシフトしているため、国産冷凍品の「うで」「もも」などの部位は、ひき肉や切り落とし肉など値頃感のある商品として取り扱われている。

 価格は14年6,7月をピークに、下降してきたが15年11,12月を底に輸入物の「うで」、「もも」のがひっ迫し始め、引き合いが強まったことから、17年度のうでは488円/kg(8.5%)、もも503円/kg(6.9%)と一段高となった。(図19、P.191)
 米国産の冷蔵品「ロース」は、外食仕向けやテーブルミートとして定着してきたが、17年度は、輸入量の増加などから、荷動きが弱まり、価格は、636円/kg(▲9.5%)とかなりの程度下落した。

 米国産のみならず、カナダ、メキシコ産ロースなどそれぞれ658円/kg(▲9.3%)、646円/kg(▲9.6%)と前年度をかなり下回った。(図20、P.192)


輸入冷凍品
 
   
図21 輸入豚肉の仲間相場(冷凍品、デンマーク産ばら)
図22 輸入豚肉の仲間相場(冷凍品、カナダ産うで、米国産うで)

 デンマーク産の冷凍品の「ばら」は、ベーコンなどを中心に加工用として需要がある。15年度は牛丼の代替品としてばら肉を利用した豚丼メニューが登場し、後半値を上げ530円/kg前後で推移した。16年度の平均では533円/kg(0.7%)と前年度並みとなったが、17年度は現地の価格が上がったことや国内でのベーコン需要が高まったことなどから引き合いが強まり平均で565円/kg(5.9%)とやや値を上げた。(図21、P.193)  主にソーセージ・ウインナーの原料としてひき材料となる「冷凍品うで」の価格動向は、カナダ産、米国産とも同じような動きを示している。16年度の後半以降、品薄感から引き合いが強まり、価格が上がり、カナダ425円/kg(7.6%)、米国393円/kg(6.5%)とかなりの程度値を上げた。

 生産コストの相違などから、カナダ産は米国産に比べ50円程度上回って推移していたがその差も徐々に縮小しており、17年度の価格差は32円/kgとなった。(図22、P.193)