畜産物の需給動向

 5. 牛乳・乳製品 

▼バター
20年度の推定期末在庫量は2万7千トンに増加、大口需要者価格は前年度を大幅に上回る(17.5%)

図9 バター、クリームの生産量・輸入量
図10 バターの推定期末在庫量

 バターの生産量は、18年度は生乳の減産型計画生産の実施により、特定乳製品向け生乳処理量が減少したことから、前年度をかなりの程度下回る7万8千トン(▲8.7%)となった。19年度も引き続き生乳生産量が減少し、7万5千トン(▲3.8%)となった。20年度は生乳生産量が減少する中、クリーム向けが好調だったことを背景にバターの生産量は減少し、7万2千トン(▲4.3%)となった。

 クリーム等の生産量は、18年度以降、業務用需要が好調なことを受け、前年度をかなりの程度上回る水準で推移しており、19年度が10万4千トン(6.4%)、20年度は10万8千トン(3.2%)となった。(図9、参考資料P61)。

 バターの推定期末在庫量は、飲用牛乳等の需要動向に左右されながら、増減を繰り返し推移しているが、18年度は、脱脂粉乳と同様、18年度途中に調査対象が拡大しているため、一概には比較できないものの、減産計画下で生乳生産量が減少したこと、カレントアクセス分輸入量の減少などから、期末在庫量は前年度を8千トン下回る2万3千トンとなった。19年度末は、生産量の減少に加え、国際的な需給のひっ迫を背景に国産需要が高まったことから、前年度末を4千トン下回る1万9千トンとなった。20年度は、景気の悪化、品不足が長期化したことなどにより、マーガリンなどへの切り替えが進み需要が落ち込んだことなどから前年度を8千トン上回る2万8千トンと増加した。(図10、参考資料P61)。これらを受け、カレントアクセス分の輸入量は前年度を大幅に上回る1万4千トンとなった。


図11 バターの大口需要者価格

 大口需要者価格は、18年度は平均で945円/kg(▲0.3%)、19年度は生産量の減少に加え、海外市場の需給にひっ迫による高値相場が続いたことから国産需要が強まり、平均で966円/kg(2.2%)となった。20年度は1,135円/kg(17.5%)と前年度に引き続き高値傾向で推移している。(図11、参考資料P65)。