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2012/13年度のNZの酪農産業、戸数・頭数は増加、生乳生産は減少

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最終更新日:2013年12月9日

 デーリー・ニュージーランド(Dairy NZ)は12月1日、NZ家畜改良公社(LIC)と共同で実施しているニュージーランド(NZ)の酪農産業に関する統計調査結果「New Zealand Dairy Statistics 2012-13」を公表した。

近年の乳製品需要の高まりを受けて、飼養戸数・頭数は増加

 これによると、2012年12月末時点の酪農家戸数は、1万1891戸(前年比0.8%増)と、前年をわずかに上回った。酪農家戸数は、2000年以降緩やかに減少していたが、近年は、国際的な乳製品需要の高まりや、羊・肉牛部門からの転換などから下げ止まり、横ばいで推移している。また、乳牛の飼養頭数は、478万4250頭(同3.2%増)と、上昇基調が継続している。
 その結果、1戸当たり飼養頭数は、402頭(同2.4%増)となり、規模拡大傾向が継続している(図1)。
図1

生乳生産量は、干ばつの影響から減少

 一方、2012/13年度(2012年6月〜翌5月)の生乳処理量(生産量に相当)は、1883万キロリットル(前年比1.3%減)となった。NZの生乳生産は、規模拡大傾向に伴い増産傾向となっていたが、6年ぶりに前年を下回った。これは、2012/13年度夏から秋(2013年1〜5月頃)にかけて、NZの広い範囲で発生した干ばつの影響によるものである。そのため、近年増加傾向にあった1頭当たり乳量も、3年ぶりに前年を下回った(図2)。
図2

南島における規模拡大が継続

 NZの酪農は歴史的に北島を中心に行われてきたが、近年、規模拡大が進む南島での生産が増加している。2012/13年度の酪農家戸数・乳牛飼養頭数に占める北島の割合は、依然として7割前後を占めているが、1戸当たり飼養頭数を見ると、北島の332頭に対し、南島は614頭と、北島の倍近い飼養規模となっている。これは、南島カンタベリー地域を中心に、かんがい施設を整備した比較的大規模な生産者が増加しているためとみられる。生乳生産についても、2012/13年度は、干ばつによる厳しい気象条件の中、南島のシェアは全体の4割を超えるまで拡大しており、引き続きシェア拡大が見込まれている(図3)。
図3
【根本 悠 平成25年12月9日発】
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