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消費者代表の方々との意見交換会 in 千葉

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最終更新日:2009年1月23日

〜食品残さを活用した取組み(エコフィード・堆肥)・耕畜連携について〜

平成20年11月13日(木)

 
 当機構では、消費者の方々に農畜産業の生産現場などを実際に見ていただき、生産者や関係者の方々と直接話し合い、相互に理解と認識を深めていくことを目的とした現地意見交換会を開催しています。
 今年度は、飼料や肥料価格が高騰する中で、食糧自給率や食品の有効利用の観点からも注目されている、食品残さを活用した取組み(エコフィード、堆肥)・耕畜連携について意見交換会を開催しましたので、その内容についてレポートします。
 
(参考)
 ・参加者
  消費科学連合会、全国地域婦人団体連絡協議会、主婦連合会、日本生活協同組合連合会、日本大学、千葉大学の学生及び各視察先関係者等
 
 【意見交換会レポート】
 
    (千葉県八街市、食品残さ等で堆肥を製造。)
 
2.(株)アグリガイアシステム循環型飼料化センター
    (千葉県佐倉市、食品残さを使用し家畜飼料(エコフィード)を製造。)
 
    (千葉県富里市、エコフィードを利用して養豚業を営む。)
 
    (千葉県富里市、堀江氏の堆肥を使用し、「ちばエコ農業」に取り組む。
     人参・スイカ等を生産。)
 
    (富里市農業協同組合)
 

【大学生の皆さんの御意見・御感想】

 

【日本農業新聞の掲載記事】

 

【エコフィードに関する参考資料】

 
 
 
 
 
 循環型堆肥化センターは、八街市の畑の中にある。予定よりも30分ほど早く到着した一行に、副センター長が、パネルを使って堆肥化センターの全体像をわかりやすく説明。
参加者に堆肥化センターの仕組みを説明する副センター長
参加者に堆肥化センターの仕組みを説明する副センター長
 堆肥の原料は、餌にならない乾燥物、ジュース、牛乳、家畜のふん尿と木くず。施設には一般廃棄物及び産業廃棄物処理場の看板があり、処理物として廃酸・廃アルカリと表示されているが、何のことはない、廃酸はジュース、廃アルカリは牛乳のことだ。また、餌にならない乾燥物というのは、次の見学場所であるアグリガイアシステム循環型飼料化センターに回収された食品廃棄物のうち、飼料化に回らない物。
 
 「原料の食品廃棄物は保冷車で集めているんですか」参加者からの質問に対し、副センター長は「レストラン、ホテルなどから材料を集め、保冷車で飼料化センターに運んでいます。次の飼料化センターで細かく説明します。」。以前は集めた食品廃棄物を直接堆肥化センターに運んで堆肥化していたが、今は、廃棄物は全て飼料化センターに運ばれ、分別処理された後、飼料化できない物をここの堆肥化センターに持ってきているとのことだ。このため、ここで発生する悪臭は以前よりもずっと少なくなり、堆肥化装置から集気・脱臭する装置は、今は動いていない。アグリガイアシステムでは、集めた食品残渣をなるべく飼料にして、分別等の問題で飼料化できない残りの部分をここで堆肥化している。飼料化の際に問題となる飼料化できない原料を、会社全体の中で、うまく堆肥化で処理していることがわかる。
 
 循環型飼料化センターから搬入し、原料保管庫に受け入れた材料は、他の原料と混合し水分調整した後、肥製造棟で一次発酵される。ここは、原料を入れたレーンの上を攪拌機が移動するタイプの装置を使っている。大きな畜産農家で使われている一般的な発酵装置が何台もある。一次発酵が終わると、別の堆肥舎で山状に堆積され、二次発酵が行われる。それぞれの山には搬入された日時を書いた札と温度計が立てられており、4日ごとに切り返し、移動される。発酵した堆肥の温度は最高で65〜70℃程にもなる。
 
 この施設に搬入された原料は、このように50〜60日間程かけて発酵し、ふるいをかけて製品となる。この間に、水分は50〜60%程度から30%程度に低下する。よい堆肥づくりのための試行は今も行われている。
 
 製品は2トン車で5千円、4トン車で1万円で農家に販売されている。また、15キロ袋詰めで450円でも売られており、参加者から「安いわねえ」の声。ただし、袋詰めは手作業のため、1日せいぜい100袋しかできない。農家は、トラックで運んでいく方が多いとのこと。このセンターは、社員6名とパート6名で運営されている。
袋詰めにした有機堆肥。各地に発送される。
袋詰めにした有機堆肥。各地に発送される。
担当者の話をメモを取りながら真剣に聞く参加者
担当者の話をメモを取りながら真剣に聞く参加者
 
 堆肥化センターを後にし、バスは30分弱で次の見学場所である循環型飼料化センターへ到着。オレンジ色のジャンパーを着た職員が出迎えてくれる。ここは佐倉市内の工業団地の一角にある。飼料化センターは近代的な外観で、とても廃棄物処理施設とは思えない。参加した学生は、盛んに写真を撮っている。
 
 モダンな玄関でスリッパに履き替え、2階の会議室で担当者から説明を受ける。まずは、今見てきた堆肥化センターについて細かな質問。
 
○家庭の生ゴミは回収していないのですか?
(答)当社では家庭生ゴミの受け入れはできません。家庭生ゴミは、行政(市区町村)が回収・処理することになっています。従って、当社では事業系の一般廃棄物と産業廃棄物の食品残渣をリサイクルしており、その内訳はコンビニ系が半分、残りの半分がコンビニ系以外、具体的には中食・食品製造工場、スーパー、ホテル、飲食店から出るもの。また、佐倉市の学校給食もここでリサイクル。
 
○堆肥原料の割合は、どうなっていますか?家畜ふん尿というのは千葉の畜産農家からですか?
(答)原料としては食品残渣が多く、これに補助的に他の物を混ぜています。家畜ふん尿は近隣農家のものです。堆肥化原料の水分調整に木くずなども使っています。
 「家畜が食べられるものは飼料に」というのが基本的な考え方で、ここでは鶏と豚の飼料にリサイクルしています。一方、食べられないもの、例えばホテルの調理くずのように腐敗が進んだり、異物交雑物の混入が多いものは、ここで乾燥・水分調整を行った後に、堆肥化センターへ送っています。飼料と堆肥の他に、一部はメタンガスを作って、エネルギーとしてこの工場の燃焼脱臭の補助燃料に使っています。
 
 この工場には多くの見学者があり、本日も我々の他に、外国からの見学者もあるとのこと。また、会議室の廊下には見学に来た小学生の感想文が貼ってある。このような見学者のためのビデオに、潟Aグリガイアシステムの考え方がわかりやすくまとめてある。
 
○日本は大量に食品を輸入する一方で、22百万トンも廃棄している。なんてもったいない。当社は「もったいないが原動力」
 
○廃棄された弁当は、低温に温度管理して工場へ運ぶ。コンテナにまとめて積み上げ、ロボットアームがベルトコンベアに載せる。
さあ、「リサイクルが始まる」
ロボットアームが弁当などの詰まった箱をベルトコンベアに載せる。
ロボットアームが弁当などの詰まった箱をベルトコンベアに載せる。
○弁当など入れ物は人の手で分別。機械では全体の99.7%しか分別できない。串やパックは人の手で除いて、食物とそれ以外に分ける。
手作業で串や紙パックを除き、食べ物とそれ以外に分ける。大変な作業。
手作業で串や紙パックを除き、食べ物とそれ以外に分ける。大変な作業。
○廃棄物のうち、ご飯・パンなどと、油ものを分別し、前者はチューブ式、後者はドラム式の乾燥機で水分を飛ばす。「乾くと飼肥料に大変身」
 
○飼料原料をタンクで80℃で3分以上殺菌し、冷却後乳酸菌を入れて屋外タンクで24時間発酵させれば完成。これが豚用の液体飼料(リキッドフィード)
飼料原料を工場内部に設置されたタンクで殺菌。
飼料原料を工場内部に設置されたタンクで殺菌。
貯蔵用タンク(中のタンクとつながっている)
貯蔵用タンク(中のタンクとつながっている)
メタン発酵用の巨大タンクに思わず見上げる参加者
メタン発酵用の巨大タンクに思わず見上げる参加者
○飼料にならない汚れた部分は、別のタンクでメタン発酵。また、弁当、おにぎり、パンの包材は専門の会社でサーマルリサイクル(熱回収)される。
 
○このようにしてできた飼料肥料は、畜産農家や野菜農家へ。「いただきますを聞けなかった弁当は、こうして新しい食物に変わる」
 
○リサイクルで、「輸入してまでも捨てる」というおかしなシステムが変わる。「もったいない」はもう終わり。一緒に未来を分かち合いたい。幸福な未来を描ける社会作りへ。
 
 
 担当者は、「当社は、廃棄物回収のドライバーから始めた会社」、「オープンにして、皆さんの意見を聞きながらよい会社にしていきたい」と説明する。
  
 さらに飼料のサンプルを示しながら説明する。
 
 「ここでは、おにぎりやそばなどの穀物から作った低脂肪低タンパクの「さっぱり系の乾燥飼料」と、弁当のおかずなどから作った「こってり系の乾燥飼料」の2種類の乾燥飼料を作っています。量としては、こってり系の方が多い。」、「食品残渣を原料とすると塩分が心配と言われるかもしれないが、リサイクル飼料は他の飼料と配合する際の一部として、塩分もコントロールされる。」「3種類目の飼料である豚用の液状飼料はヨーロッパでは主流になりつつある。いわば飲むヨーグルト。この飼料で育った豚肉の写真を見ると、豚肉にサシが入っている。これは、と畜して初めてわかったこと。」
 
 参加者一同は興味津々。
飼料化センター内外を説明してくれる担当者
飼料化センター内外を説明してくれる担当者
 
 続いて、工場を見学。
 
 この工場では一日40トンの食品残渣を受け入れているが、乾燥飼料になると量は半分になる。また、液状飼料は、前述どおりタンクで80℃3分間以上殺菌後、屋外の4本の液状飼料用タンクに送られ、発酵が行われる。
 
 担当者は「循環型社会を作ろうと取り組む畜産農家と取り組んでいる。」と、循環型社会を強調。
 
 「リサイクルはうまくいっていますか?」との質問に対し、「飼料の需要は多くなっているが、急に増やすことは出来ない。工場に入ってくる原料(食品循環資源)と、出ていく飼料の双方の営業で、バランスを見ながら運営している。」。「このような食品リサイクル工場は全国にありますか?」との問いに、「あるとうれしいですね」と担当者。アグリガイアシステムは、本社のある千葉県の他、東京、神奈川の食品循環資源をリサイクルしている。飼料化センターの建設に当たり、建屋と機械の約半分は県を通じて国からの補助を受けている。
 
 学生からの「餌にならないものの比率と品質チェック」に関する質問に対し、担当者は「餌になるものの方が多い。品質は分析している。」。同学生はエコフィードを研究し、中国で実践するのが夢だ。
 
 また「大半を、手で分別しているのですか?」との質問に、担当者は「機械化出来るところは機械化し、機械化出来ないものは手作業で分別しています。」。参加者の「コストがかかるから、お互いに分別を考えたらどうか。小さいから大変よね。」との声に、一同同意。
 
 学生からのリサイクル処理費に関する質問に対し、「廃棄物の運搬賃はドライバーの日当や車の燃料代程度。その他に処理費がかかるが、ここでのリサイクル処理費はコンビニエンス系でキロ35円。一方、リサイクルせずに焼却した場合、佐倉市の例ではやはりキロ35円かかる。焼却費用は、古い施設ではもっと安く、新しい施設では高いが、いずれにしても市区町村が焼却する場合には税金が入っている。(同じ処理費なら、税金で燃やすのか、リサイクルするのか、)これからはお金の使い方を考えていかなくてはならない。安心安全な飼料でおいしい肉や卵が出来れば、この事業は進んでいく。」と担当者。
 
 質問の嵐に、バスが飼料化センターを後にしたのは予定の12時を過ぎていた。
 
 
 
 午後の最初の見学は、平成15年からエコフィードに取り組んでいる養豚農家の堀江ファーム。
 
 近年、大規模化が進む養豚農家にあって、堀江ファームは77頭の繁殖雌豚を飼養する比較的小規模の農家養豚を経営。クラッシックな豚舎には、今や日本では殆ど見ることの出来ない「中ヨークシャー種」の豚が。この豚が「ダイヤモンドポーク(千葉ヨーク)」というブランド豚肉になる。
 
 堀江さんはエコフィードに5年前から取組み、県のセンター等と連携して肉質試験も行っている。
 
 「最初は食品工場の残りを、当日加工して飼料化することから始めた。従って、飼料成分も安定していた。」、「昔は残飯養豚という言葉もあった。今、食品の4割が捨てられており、これはもったいない。」、「ここにきてバイオエタノールなどの影響で飼料が高騰。ちょうどよかったと言って良いのか悪いのか・・・。」、「豚は土や草を食べるのが好きな動物。牧草やサツマイモを食べさせ、付加価値の高い養豚をやっていく。エコフィードもこれにマッチしている。」
 
 堀江さんは、原料の異なる何種類かのエコフィードを使用している。4種類の飼料サンプルを示しながら、堀江さんが説明する。「最初のサンプルは、ポテトチップス工場と契約しているジャガイモの規格外。水分が多いので、1トンの原料を乾燥飼料化すると200kgになってしまう。いくら原料が安くても、これでは加工賃だけでも大変。」、「2番目は餃子の皮の切れ端。(「いいにおい」の声。)」、「3番目は、冷凍食品の製造段階から出てくるピラフ、シュウマイ、パン粉等」、「最後はダイヤモンドポーク用の飼料で、サツマイモを20%含んでいる。(「これもおいしそう。鰹節みたい。」の声)豚はサツマイモの臭いがたまらないみたい。この餌を給餌すると、餌をもらえない他の豚がうるさく鳴く。トリュフを探すのに豚を使うが、豚は臭いには敏感。サツマイモ20%の他、パンが75%、5%がふすま。」。
 
 体重70kgから出荷まで中ヨークの豚にこのダイヤモンドポーク用飼料を給与。体重30kgからの豚には他のエコフィードを3割程度配合飼料に混ぜている。千葉県畜産課の方は「飼料は県の畜産総合研究センターで設計し、豚に給与しています。」
 
 堀江さんによれば、冷凍食品に使うパン粉が日に15トン、小麦粉が2トンも出ていた。また、外国から輸入される調整品も余って廃棄されていたが、これらの廃棄物は、今年になって日に500kgといったように量が少なくなっているとのこと。食品原料価格の高騰により食品の廃棄量も少なくなっているようだが、エコフィードの利用者側から見れば、飼料の原料が少なくなっているとも言える。
左:乾燥餃子の皮を原料とするエコフィード。右:じゃがいもを原料とするエコフィード。
左:乾燥餃子の皮を原料とするエコフィード。右:じゃがいもを原料とするエコフィード。
左:ダイヤモンドポーク専用パン、さつまいも、ふすまを原料とするエコフィード。右:ピラフ、シュウマイ、パン粉等を原料とするエコフィード。
左:ダイヤモンドポーク専用パン、さつまいも、ふすまを原料とするエコフィード。右:ピラフ、シュウマイ、パン粉等を原料とするエコフィード。
 
 「飼料を変えると、何ヶ月で肉の味が変わりますか。」との問いに対し、堀江さんは「詳しくは県の方に聞いてほしいが、2ヶ月で変わります。安い餌は消化が悪いので、豚のふんの量が増えます。」
 堀江さんは、自家産のゆでトウモロコシを参加者に振る舞ってくれた。「こんなに甘いのは堆肥が良いからですか」との声に、「そういうことはあります。」と堀江さん。
 
 
 
 この農場では、堀江さんの堆肥を使って、ニンジンやスイカを大規模に栽培している。
 
 屋敷の奥に広大な畑が広がる。「屋敷幅30間(54メートル)ごとに、各農家の四角な畑が並んでいる。一望できるこの畑は全体で10ヘクタール。」と高橋さん。
 
 「ここは戦前からの開拓地で、元々原野だった。戦時中は飛行機の格納庫だった。お爺さんの時代は落花生と麦だったが、父親は夏にスイカを作り、7月にこれが終わると白菜や大根を作っていたのが30年前。今や、白菜は茨城に産地が移動し、このあたりはニンジン生産一本になった。最近の資材高騰や労働力不足でスイカをやめる人がいるが、ニンジンは収穫機械の普及によりこのところ増えており、今は富里全体で600ヘクタール、600戸の農家がニンジンを作っているが、これは過去最大。11〜3月の間は、毎日ニンジンを出荷している。」
人参畑を背に説明される高橋さん
人参畑を背に説明される高橋さん
 
 「地力が一番」と高橋さんは言う。ニンジンの種まきは7月から8月の盆前だが、その時点で堆肥を入れても遅いので、更にその前、スイカを作る前(春先)に堆肥を入れられるだけ入れる。畑の表土は黒い土だが、このような豊かな土作りには堆肥が不可欠。その証拠に、畑を深く掘り返してみると、関東ローム層の赤土が出てくるという。
 
 「連作障害は出ないか」との参加者からの質問に、「そうならないためにしっかり堆肥を入れている。ニンジンを4〜6トン/10アール収穫するのを維持するためには、化成肥料だけではダメ。もっと堆肥をほしいが、堀江さんの堆肥は人気がある…。化学肥料の高騰もあるし。15年ほど前から堀江さんの堆肥をもらっている。それまではわらを集めたりしていたが、今は年中忙しくて、その手間がない。」
 
 青々としたニンジンの葉について、「葉が繁るとあまり収穫できないと聞くが?」との質問に、「そのとおり。キ(茎葉)が繁ればよいのではなくて、全体のバランスが大事。特にサツマイモではキが腰まで繁るとおいしくない。ほどほどのバランスがある。今年は9月が天候不順で雨が多く、どうしてもキが繁ってしまう。自然の関係で仕方がないが、作物に適した堆肥を入れることが重要。」と高橋さん。
 
 「ちばエコ農法」で化学農薬や化学肥料を減らしているとの高橋さんの説明に対し、「ちばエコよりも特別栽培の基準の方がわかりやすい。いろいろな基準があるが、わかりやすい表示がよい。」との質問。これについて千葉県安全農業推進課の方は、「特別栽培の基準は各県皆違い、全国一律の基準ではない。全国38道府県で「ちばエコ農業」と同様の認承制度があるが、これも各道府県それぞれ栽培基準が異なっている。通常ニンジンでは農薬の使用成分回数16回のところ、ちばエコでは半分の8回以下としている。ただし、購入種子の消毒はカウントしない他は特別栽培農産物に係る表示ガイドラインの基準に準じていることを理解してほしい。」と説明。県の作ったパンフレットではちばエコ農産物について口ひげの男性がわかりやすく説明しているが、同課担当者にそっくり。
 
 「学校給食用には出荷していないのか?」との質問に、JA富里市の担当者は、「献立の中でニンジンや豚肉等を出している。高橋さんも、給食の材料について学校に説明に行く。」。「野菜についてはJAの産直センターを通じて給食センターに出しており、半分ほどが富里産ではないか。」と堀江さん。「先ほど、産直センターで一山200円の安いニンジンがあったので聞いたら、亀裂があり、ばい菌が入るのでダメとのことだった。煮てしまえばいいから、安く給食に使えばいい。」と参加者。
 
 富里市の教育委員でもある高橋さんは「富里では給食センター方式で11校4600食を毎日作っており、従来は手間がかけられないのとのことだった。最近の食品価格高騰で、B級品でも使うようになった。一方、B級品は集めるのが大変。」
 
 話は尽きないが、次のJA富里市での意見交換会に向けて、高橋さんの広い畑を10分遅れで出発。
 
 
 
 農畜産業振興機構の河ア理事から冒頭「現在、家畜の飼料コストが高く、畜産農家は非常に苦しい経営を迫られている。そういった生産現場への対応として、食品残さを使うことは生産者の方々への一つの答えだと考えている。」さらに「わが国は食の約6割を輸入に頼る一方で、今回の食品残さの量を見て人生観が変わるくらい衝撃を受けた。皆様からの率直なご意見を頂きたい。」と挨拶した。
 
 次に機構、千葉県の各担当者からエコフィードを推進する背景や当機構のエコフィードに係る仕組みについて、また千葉県農業の概要とエコフィード、「ちばエコ農産物」の取組みについてそれぞれ話題提供を行った。その後意見交換に移り、さまざまな質問・意見が寄せられたので、その一部を紹介する。
 
機構河ア理事から冒頭挨拶
機構河ア理事から冒頭挨拶
千葉県椎名主幹から同県でのエコフィード等の取組みについて説明
千葉県椎名主幹から同県でのエコフィード等の取組みについて説明
 
○国産の豚、牛について、輸入の飼料を使っている農家が多い。飼料を国産でということで、米等で代用しているが、千葉県ではどのようにしているのか。
(答)千葉県では、今年度から飼料米に実践的に取り組んでいる。リキッドフィード製造工場に、ある程度乾燥した状態の玄米等を供給し、豚用飼料で利用している。
 また、ソフトグレインサイレージ(籾のみ)や、ホールクロップサイレージ(樹、葉、実を全部サイレージにし、牛に給餌)、米の籾殻つきの状態の玄米を豚・鶏に給餌する等、総力をあげて試験研 究に取り組んでいる。一方でこれらは使う農家がいて初めて役に立つ。その橋渡しを行うため、市町村と一緒に取り組んでいる。
 
 さらに堀江さんから「飼料米は、籾殻を砕く機械の導入、工場等の施設を必要とするなど問題点があるが、一番は価格の面。お米を作っている農家が飼料米のために作っても収入になるのか。消費者がプラスα分も含めて負担してくれれば。」と話す。
 
○「ちばエコ」について、千葉県内の企業や事業者の独自の基準をどのように考えていけばいいのか。
(答)ちばエコと企業との基準の整合性については、ちばエコの農薬・化学肥料の使用は慣行栽培の2分の1以下を基準。環境負荷の軽減が端緒で始まったもので、安心農産物を消費者に届けていくことを目的にしている。民間にもコープの取り組み等色々あり、企業の基準もそれぞれ異なるため整合性がなかなかとれないが、今生産者の中でGAPへの取組みが進んできている。取引先(企業)との条件・内容が整理されないと(GAP取り入れた)生産者との有効性が見出せない。今後は生産工程の管理も含めて検討したい。
 
○千葉県のエコフィードについて、利用したい農家と提供する者をつなぐ仕組みはどのようなものか。
(答)千葉県畜産協会が生産者の利用希望調査等を取り、利用したい人の情報を収集し、エコフィード工場等とのマッチングを行っている。
 
 さらに堀江さんから、「アグリガイアの工場ができる前、資源の循環を取り入れなければならないと感じ、平成17年から始めた。しかし、当時は利用者を募ったものの、興味を示す人が少なかった。今では手を上げる人が増えたが、逆に原料が少ない。1ヶ月170tのエコフィードが必要だが、現状は25t程度しかない。マッチングを行いたくても、その利用を大々的に行えない。」との現状説明があった。
 
 
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 広報消費者課 (担当:大谷)
Tel:03-3583-8196



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