ALIC/駐在員トピックス
平成18年(2006年)5月分
◎ 韓国、6月から米国産牛肉の輸入再開へ 【国際情報審査役 平成18年5月30日発】 ◎ 欧州委、新規加盟予定2カ国の農業分野でのさらなる改善を促す 【ブリュッセル駐在員事務所 平成18年5月17日発】 ◎ ドイツ西部で続発する豚コレラへの対応 【ブリュッセル駐在員事務所 平成18年5月17日発】 ◎ USDA、BSE疫学調査の完了を公表 【ワシントン駐在員事務所 平成18年5月2日発】 ◎ イギリス産牛肉輸出、5月3日より解禁 【ブリュッセル駐在員事務所 平成18年5月2日発】 ◎ 家きんでH7N3型の鳥インフルエンザを確認(イギリス) 【ブリュッセル駐在員事務所 平成18年5月1日発】 ◎ USDA,BSE強化サーベイランスに関する分析報告書案を公表 【ワシントン駐在員事務所 平成18年4月28日発】
◎ 韓国、6月から米国産牛肉の輸入再開へ 【国際情報審査役 平成18年5月30日発】 韓国農林部の朴玄出(パク・ヒョンチュル)畜産局長は、5月29日の定例会見において、米国 内37か所の牛肉処理施設を現地調査した結果を分析し、韓国への輸出承認の対象となる施設を6 月7日に発表することを明らかにした。輸出対象施設の発表は、即座に米国業者による牛肉輸出 に結びつくことから、事実上の輸入再開と同じ意味を持つものとされる。韓国では、米国の牛海 綿状脳症(BSE)発生に伴い、2003年12月から米国産牛肉の輸入が停止されていた。 農林部では、5月6〜21日にかけて検疫の専門官8人を米国に派遣して実地検査を行い、牛肉 処理施設の衛生管理や牛海綿状脳症(BSE)関連の衛生処理システムなどについて確認した。 朴畜産局長は29日の会見で、調査施設のうち一部については問題があり、韓国向け輸出を認めな いことも示唆した。 米韓両国の合意に基づき、輸出対象となる牛肉は生後30か月齢未満のもので、6月7日の輸入 再開通告により、同月下旬には韓国内で米国産牛肉が流通し始めるものとみられている。 上へ
◎ 欧州委、新規加盟予定2カ国の農業分野でのさらなる改善を促す 【ブリュッセル駐在員事務所 平成18年5月17日発】 欧州委員会は5月16日、EUへの加盟を目指すブルガリアとルーマニアの準備状況に関する総 合的監視レポートを採択し、発表した。 ブルガリアとルーマニアは、2005年4月に加盟条約に署名し、2007年1月1日の加盟を予定し ている。欧州委員会は両国の準備状況について、前回は2005年10月に発表していた。 今回の報告では、前回より多くの点で改善が見られるものの、司法制度改革、不正対応などの 点で依然問題が残っており、さらなる改革努力が必要であるとしている。 また、EU加盟国として各種制度の適正な執行が不安視され、早急な対応が必要な事項として、 両国の農業分野において、@補助金の適正な執行の観点から、農業分野を統括する適切な組織の 設置と管理制度の構築、A食の安全の確保の観点から、伝達性海綿状脳症(TSE)や動物副産 物に関するEU基準に沿ったレンダリング施設の設置を指摘している。 欧州委員会は今回の結果を受け、現時点での両国の加盟日時は決定せず、本年10月の時点での 改革などの進展状況により、2007年1月1日の加盟が可能かどうかを判断するとしている。 上へ◎ ドイツ西部で続発する豚コレラへの対応 【ブリュッセル駐在員事務所 平成18年5月17日発】 フードチェーン・家畜衛生常設委員会は5月16日、ドイツ西部ノルトライン・ヴェストファー レン州での豚コレラ対策に関する欧州委員会の改正提案に合意した。 同州では、本年3月以降、豚コレラの発生が続いたため、欧州委員会およびドイツ政府は同疾 病の撲滅のため種々の対策を講じてきた。この結果、4月上旬の発生確認以降、5週間にわたり 新たな発生が確認されず、制限区域の縮小など、徐々にその対策を緩和してきたが、5月5日に 同州内で新たな発生が確認されていた。 このような状況での今回の主な改正点は以下のとおり。 ・ 監視区域では厳格な疾病対策が講じられているところであり、ここから出荷される豚由来の 豚肉については安全性に問題はないとして、市場での流通を認める。 ・ これまでの発生の状況などを踏まえ、同州内に設定する防疫区域および監視区域については、 最低40日間はこれを解除しない。 ・ と畜場直行豚を含め、他の加盟国から同州内への豚の輸送を禁止する。 上へ
◎ USDA、BSE疫学調査の完了を公表 【ワシントン駐在員事務所 平成18年5月2日発】 米国農務省動植物検疫局(USDA/APHIS)は5月2日、同保健社会福祉省食品 医薬品局(HHS/FDA)と共同で実施していた、本年3月にアラバマ州でBSE陽性と 確認された牛に関する疫学調査が完了したと公表した。 概要は以下のとおり。 われわれの調査結果は、当該牛が赤毛(red)交雑種であったことを示している。当該牛は、 農場で歩行困難となり、地元の民間獣医師により検査された。獣医師は、翌日、当該牛を 農場で安楽死処分した後サンプルを採材し、当該サンプルはBSE検査のため提出された。 当該牛はその時、APHISのプロトコルにより農場に埋却されたため、家畜飼料および食品 チェーンには入らなかった。 APHISおよびアラバマ州当局は、当該牛のと体を発掘し、歯列により10歳以上であると 判断した。当該牛は、BSEの原因と考えられる、汚染された飼料を牛に給するリスクを最小限 とするためのFDAによる97年の飼料規制以前に生まれた。 APHISおよびアラバマ州当局は36の農場と5カ所の家畜市場を調査し、当該牛と関連する 可能性がある牛群に対しDNA鑑定を実施した。APHISおよび州の調査員は、当該牛が最近 出産した2頭の子牛を除いて、いかなる関連した牛をも確認することは出来なかった。 ごく最近の子牛は、当該牛と同じ農場で飼養されており、また、2番目の子牛は昨年、死亡して いた。他の関心のある牛は、確認されなかった。当該牛の生きている子牛は現在、アイオワ州 エイムズにある国立獣医学研究所(NVSL)に観察のため収容されている。 APHISによる調査では、当該牛の出生集団は明らかにされなかった。しかし、このことは、 烙印、入れ墨および耳標など個体識別に関する情報の不足とともに、当該牛の年齢から全く予想 外なことではなかった。 世界的な経験は、集団または感染牛の産子の中から1頭以上のBSE感染牛を確認することは 非常にまれであることを示している。 FDAは、適切な飼料規制が、当該農場の隣接した地域における飼料施設で実施されていたこと を確実にするため、97年の飼料規制以降当該牛へ飼料を供給した可能性のある地元の飼料工場に 対し飼料調査を実施した。当該調査では、すべての地元の飼料工場が、FDAの飼料規制を順守 して禁止された原料を処理し続けていることを確認した。 APHISのBSE強化サーベイランスプログラムにより2004年6月以降、70万頭以上のサンプル の検査が実施されている。今日まで、これら高リスク牛に対する検査の結果として、米国で確認 された3頭のBSE事例のうち2例のみが陽性とされている。 APHISによる疫学調査では、さらなる関心のある家畜を確認しなかったものの、米国の公衆 および家畜衛生が、米国産牛肉の安全性を確実にするためのセーフガードシステムによって保護 されていることを思い起こすことが重要である。これらのセーフガードで最も重要なことは、 食物供給から特定危険部位の禁止およびFDAによる97年の飼料規制である。 上へ◎ イギリス産牛肉輸出、5月3日より解禁 【ブリュッセル駐在員事務所 平成18年5月2日発】 欧州委員会は4月29日、イギリス産の生体牛および牛から生産されるすべての製品に対する輸出の 制限措置を廃止する委員会規則を官報に掲載した。本規則は、官報掲載後3日後の5月2日から施行さ れることとなった。これを受けたイギリスの国内規則が5月3日に施行される予定となっていることか ら、同日からイギリス産牛肉等の輸出が解禁となる。なお、96年8月1日(肉骨粉の給与禁止措置開始 日)前に同国で生まれた牛および96年8月1日から2005年6月15日(FVOによる検査終了日)前に と畜された牛由来の牛肉などは、他の加盟国および第三国へ輸出できないこととしている。 また、全加盟国で除去が義務付けられている特定危険部位(SRM)について、イギリスに対しては 対象月齢が異なるものや、他の加盟国に係る部位よりも多くのものがSRMとして指定されていたが、 今回の規則の改正において、同国のみに適用されていたSRMに係る条項が削除され、他の加盟国と 同様となった。 上へ
◎ 家きんでH7N3型の鳥インフルエンザを確認(イギリス) 【ブリュッセル駐在員事務所 平成18年5月1日発】 イギリス環境・食糧・地域開発省(DEFRA)は4月28日、イングランド中東部のノ ーフォーク州デーラム近郊の家きん農場で、26日の予備検査でH7型ウイルスが検出され た鳥インフルエンザの事例は、低病原性のH7N3型であったことを発表した。 また、DEFRAは29日、同州デーラム近郊の2カ所の家きん農場で、新たに予備検査 でH7N3型鳥インフルエンザの感染を確認したことを発表した。 それぞれの農場の鳥は、疾病管理の目的で殺処分され、また、各施設の周囲1キロメー トルに制限区域を設定し、バイオセキュリティー対策、移動制限を課した。 それぞれの感染ルートおよび関連性については調査中としている。 上へ
◎ USDA,BSE強化サーベイランスに関する分析報告書案を公表 【ワシントン駐在員事務所 平成18年4月28日発】 米国農務省(USDA)は4月28日、BSE強化サーベイランス結果の分析報告書案を 公表した。 ジョハンズ農務長官は同日行われた記者会見において、「分析に際しては、強化サーベ イランスに先立ち1999年までさかのぼり集められたデータも分析した。このため、疫学専 門家は7年以上にわたり収集された73万以上のサンプルを分析した。データは米国におけ るBSEの流行の水準は非常に低いことを示している。我々の専門家は2つの方法で米国 におけるBSEの流行を評価し、双方は同様な結論を示した。それらは、過去に米国で存 在した可能性のあるBSE例の数は、420万頭の成牛の牛群に対し、4〜7頭と結論づけ ている。USDAの専門家は米国におけるBSEの流行は成牛100万頭当たり1頭以下と 結論づけている。科学者は我々に、この推計に95%の信頼を付すことを可能としている。」 とし、「我々が導いた結論は最善であり、科学的にも信用できることを示すため、我々の 分析を厳格な科学的な全体的なレビュープロセスに供している。強化サーベイランスプロ グラムは、科学的な立場から、我々に米国におけるBSEの流行は非常に低いと言うこと を可能としている。しかし、科学的な分析が全体的なレビューにより、非常に科学的な流 行の推計であることを保証することが肯定されたなら、この水準のサーベイランスを継続 することには低い正当性しかないことを議論したい。現在行われているBSE検査プログ ラムの枠組みは科学に基づくものである。我々のようなBSEの最小リスク国に対し国際 的なガイドラインが示すレベルに移行するよう強く期待している。」と述べた。 なお、同分析案に関する全体的な科学的レビューは5月末までに終了する見込みである とされている。 上へ
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