ALIC/駐在員トピックス

海外トピックス(畜産)

平成18年(2006年)8月分


◎ カナダで8例目のBSE感染牛を確認
 【ワシントン駐在員事務所  平成18年8月24日発】
◎ 韓国、米国牛肉輸出工場の現地査察を実施
 【国際情報審査役 平成18年8月24日発】
◎ ブラジルのアマゾナス州においてニューカッスル病が発生
 【ブエノスアイレス駐在員事務所 平成18年8月16日発】
◎ CFIA、BSE6例目の疫学調査を終了
 【ワシントン駐在員事務所  平成18年8月9日発】
◎ 中国、公式発表の2年前に鳥インフルエンザが人体感染
 【国際情報審査役  平成18年8月9日発】


◎ カナダで8例目のBSE感染牛を確認 【ワシントン駐在員事務所 平成18年8月24日発】 カナダ食品検査庁(CFIA)は8月23日、アルバータ州で同国8例目となるBSE感染牛を 確認したことを公表した。 この感染牛は8歳から10歳の肉用繁殖牛であり、カナダで反すう動物由来の肉骨粉給与が禁止 された97年より以前か、あるいはその開始直後に生まれたものと考えられている。 現在、同庁はこの感染牛の出生農場を調査中であり、その結果を待って、これまでの事例と同様に、 出生時の同居牛や給与飼料の調査をはじめとする広範な疫学調査を行うこととしている。 なお、米国のジョハンズ農務長官は、「新たな事例は確認されたが、米国およびカナダは消費者 保護のために十分なBSE対策を講じており、カナダ産牛肉の輸入に関する規制は導入しない。」 とする声明を公表している。 上へ

◎ 韓国、米国牛肉輸出工場の現地査察を実施 【国際情報審査役 平成18年8月24日発】  韓国農林部畜産局家畜防疫課によると、農林部は、米国産牛肉輸入再開に関連し、韓国が同国向 け牛肉の米国輸出工場の現地査察(5月6日〜5月21日)の際に指摘した事項に対する米国の補完措 置内容の通知を受け、追加の現地査察を実施することを明らかにした。 去る5月の米国現地査察では、一部の工場で米国産牛肉と他国産牛肉が区分されない状態で処理 ・管理されていたこと、30ヵ月齢以上の牛とそれ未満の牛を同じ作業道具で処理していたことが 指摘された。 米国側はこれらの指摘に対して、韓国に輸出される牛肉製品は別のコードを付与して他の製品と 混ざらないよう管理し、作業道具も3ヵ所(従来2ヵ所)に設置し、月齢により区分する方式を提示 した。 農林部は3人の専門家を8月24日から9月4日まで現地に派遣し、米国側の補完措置内容を確認 する計画である。 農林部は、派遣団の査察結果をもとに専門家と生産者団体代表らで構成された協議会の議論を経 て、米国産牛肉輸出工場の承認の可否を決める計画だとしている。 今回の追加現地査察は、両国政府の技術的な検討過程で韓国が示した現地査察の必要性の提起(7月 31日)に基づき、両国合意のもとで実施されると農林部関係者は明らかにしている。 (注)他国の米国産牛肉輸入再開状況 台湾(2005年4月)、香港(2005年12月)、シンガポール(2006年1月) 、日本(2006年8月) <参考資料> 韓国輸出用EVプログラムにおけるカナダ産牛の管理 (EVプログラム:Export Verification Program) 上へ

◎ ブラジルのアマゾナス州においてニューカッスル病が発生 【ブエノスアイレス駐在員事務所 平成18年8月16日発】  ブラジル農務省(MAPA)は8月15日、アマゾナス州マナウス市近郊の1農場の家きん15羽 のうち、1羽からニューカッスル病ウイルスが確認されたことを発表した。 ウイルス確認後、家きんの移動制限など7月6日に発表されたリオグランデドスル州における ニューカッスル病発生時と同様の対策(海外駐在員情報通巻729号参照)が採られている。ほかに 同様の症状を示す家きんは報告されていない。 アマゾナス州マナウス市近郊はブラジル養鶏の主産地ではないが、渡り鳥の飛来行程に入ってい ることからサーベイランスが続けられていた。 なお、前回のリオグランデドスル州の発生地点と今回のアマゾナス州の発生地点は、3,050キロ メートル離れていることから、関連はないものとみられている。 上へ

◎ CFIA、BSE6例目の疫学調査を終了 【ワシントン駐在員事務所 平成18年8月9日発】  カナダ食品検査庁(CFIA)は8月8日、去る7月3日に同国で6例目のBSE感染牛と 確認されたマニトバ州産の交雑種の肉用雌牛に関する疫学調査を終了したことを公表した。 CFIAは、当該牛の枝肉は、食品および動物用飼料として一切流通していないとしている。  発生農場の記録によると、当該牛は、繁殖用雌牛として92年1月に導入され、同年春には、 最初の子牛を生産した。このことから、CFIAは、当該牛の出生農場は今回特定出来なかった ものの、当該牛は89年または90年に生まれ、死亡時には少なくとも16歳以上であったとしている。  飼料調査では、同国が飼料規制を導入した97年以降は、当該牛に対する飼料給与が適正に行われ ていたことが確認された。CFIAは、牛が幼少期においてBSE感染源の影響を受けやすいこと、 また、97年以前は、飼料の原料に反すう動物由来の肉骨粉が含まれていた可能性が否定出来ない ことから、当該牛は89年または90年にBSEに暴露された可能性が高いとしている。  また、CFIAは、当該牛とともに発生農場へ導入された21頭について追跡調査を行い、このうち の1頭は生存が確認され、BSE検査の結果陰性が確認された。さらに、当該牛は、臨床症状を 呈する以前の2年間に2頭の雌子牛を生産しており、ともに死亡または同国の食肉処理施設において 若齢でと畜されたと推定されている。  今回の6例目のBSE感染牛に関する疫学調査結果の詳細については、下記HPにて参照可能。 http://www.inspection.gc.ca/english/anima/heasan/disemala/bseesb/mb2006/6investe.shtml  なお、CFIAは、7月13日に7例目のBSE陽性と確認したアルバータ州産の乳牛に関する 疫学調査についても、近く終了する見込みであるとしている。 上へ

◎ 中国、公式発表の2年前に鳥インフルエンザが人体感染 【国際情報審査役 平成18年8月9日発】  中国衛生部は8月8日、2003年11月に原因不明の発熱と肺炎を示して死亡したとされる24歳の現役 軍人男性の感染例が、高病原性鳥インフルエンザによるものと確定診断されたことを発表した。    この男性については、今年6月22日付の米医学誌(The New England Journal of Medicine)に 北京の研究者8人が連名で、2003年11月に重症急性呼吸器症候群(SARS)で死亡したとされてい るが、実際には鳥インフルエンザに感染していた可能性があるとの論文を掲載していた。それによる と、この男性の症状は、中国で当時流行していたSARSに類似していたが、検査結果は陰性であり、 肺から分離されたウイルスを調べたところ、H5N1型の鳥インフルエンザウイルスであることがわ かったという。    これについて、中国衛生部の毛群安報道官は、今年7月10日の記者会見で、男性の死因などについ て調査を進めていることを明らかにしており、世界保健機関(WHO)の関係者も強い関心を示した という。    中国における鳥インフルエンザの人への感染は、公式には2005年11月に初めて確認されたと発表さ れていたが、今回の衛生部の発表により、これまでの公式発表の2年前に、中国ではすでに鳥インフ ルエンザの人体感染が起こっていたことになった。 上へ

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