ALIC/駐在員トピックス WTO/FTA・貿易・安全・その他
平成19年(2007年)3月分
◎ブラジル、新農相にステファニス氏を指名 【ブエノスアイレス駐在員事務所 平成19年3月29日発】 ◎洪水による非常宣言、アルゼンチン 【ブエノスアイレス駐在員事務所 平成19年3月26日発】 ◎伊利実業、中国初の有機牛乳を発売 【国際情報審査役 平成19年3月26日発】 ◎ブラジル、トウモロコシ輸出量が倍増するとの見通し 【ブエノスアイレス駐在員事務所 平成19年3月19日発】 ◎北朝鮮で約半世紀ぶりに口蹄疫を確認 【国際情報審査役 平成19年3月9日発】 ◎韓国、骨抜きを条件に米国産牛肉の輸入再開を提示 【国際情報審査役 平成19年3月8日発】
◎ブラジル、新農相にステファニス氏を指名 【ブエノスアイレス駐在員事務所 平成19年3月29日発】 3月23日にルーラ大統領はレイノルド・ステファニス下院議員(64歳)を新農相に指名する ことを発表した。ステファニス氏はパラナ州選出の下院議員であり、これまで社会福祉大臣、 パラナ州企画長官などを務めている。ルーラ大統領は指名に当たり「新農相の成功を祈る。 ステファニス氏は、これまで様々な公職を経験している。連邦政府はブラジル農業をさらに 発展させるために努力している」と述べた。 3月27日には就任式が行われ、就任挨拶の中でステファネス新農相は、「現在のブラジル 農業の大きな課題は、農業融資の返済利息の低減、農業債務の協議であり、ほかにもGMO を含むバイオテクノロジー問題、防疫態勢の改善などの課題がある。農政に取り組むに当たり、 批判も含む全体の意見を聞くことが重要であるが、政府内部の反対があっても農業部門の正当 な権利の要求を前面に押し出すべきである。また私は、ブラジル農業の全体ビジョンを持つ 必要がある。そのためには、ブラジリアに代表を送ることができない生産者に目を向けなけ ればならないという、ルーラ大統領の伝言を守らねばならない。ブラジル農業発展の基礎と なる家族農業の重要性を理解しなければならない」と述べた。 現地の報道によると、今回の農相の交替は第2期ルーラ政府発足に当たっての内閣改造であり、 ほかに法務大臣、厚生大臣などの大臣も新たに指名されていると伝えている。 上へ
◎洪水による非常宣言、アルゼンチン 【ブエノスアイレス駐在員事務所 平成19年3月26日発】 ブエノスアイレス州の北部に隣接するエントレリオス州では、パラナ川の中州の島で放牧が 行われている。アルゼンチンでは3月に入りしばらく長雨が続いたことから、川の水位が上昇し、 家畜の移送が行われている。しかしながら船が不足していることから、泳いで渡らせる状況 もみられ、これまでに5千頭の家畜が失われたと伝えられている。 エントレリオス州政府は、被害地域に対する納税期限の延長、軍の派遣を行うとともに、蚊を 媒体とする伝染病を予防するため、生活用水を衛生的に管理することをよび掛けている。 上へ
◎伊利実業、中国初の有機牛乳を発売 【国際情報審査役 平成19年3月26日発】 蒙牛乳業と並ぶ中国二大乳業の一つである内蒙古伊利実業集団股份有限公司(伊利)は3月21日、 北京市内において新製品「金典有機乳」の発表会を行った。伊利によると、金典有機乳は中国では 初となる有機牛乳であるという。席上、伊利の張剣秋副総裁(副社長に相当)は、3年間の準備期 間を経て、先日、同製品の販売を全面的に開始したと宣言した。同社によると、有機食品市場の成 長率は、欧米諸国では年率20〜30%に達する国もあり、ドイツでは、有機食品が食品市場に占める 割合が、2008年には25%に達すると予測されているという。 中国では、有機乳生産の認証審査が厳しく、技術的にも複雑かつ多額の投資が必要なため、各乳 業メーカーとも、参入に二の足を踏んでいた。伊利の広報資料によると、同社は2006年4月、国家 環境保護総局有機食品認証中心(OFDC)から、中国では初めてとなる「有機乳牛濃厚飼料加工 」及び「有機粉乳加工」に関する認証を受けたほか、同年10月には「有機乳牛生産」と「有機液状 乳生産」についても認証を受けた。そして、2007年1月19日、伊利の「有機乳産業チェーン建設及 び製品開発プロジェクト」が、専門家からなる鑑定会において、高い評価を得て通過した。 金典有機乳は、天然の有機飼料によって飼養される乳牛の生乳によって製造され、抗生物質や農 薬などは一切含有しない。乳たんぱく質も、国内標準より18.6%高い3.5%以上で、同社は国内最 高級品であると自賛している。 新華社通信によると、同製品は250ミリリットル入りパックで、1本当たり7元(約107円:1元 =15.3円)で販売されているという。 上へ
◎ ブラジル、トウモロコシ輸出量が倍増するとの見通し 【ブエノスアイレス駐在員事務所 平成19年3月19日発】 ブラジル農務省(MAPA)農業政策局は、2007年のトウモロコシ輸出量は2006年の393.8万トン から倍増し、800万トンに達すると見通している。 また、国家食糧供給公社(CONAB)が3月に発表した2006/07年度第6回主要穀物生産状況 調査によると、トウモロコシの作付面積は1,335万ヘクタール(前年比3.0%増)、生産量は4,875万 トン(同14.7%増)と見通している。 ブラジルのトウモロコシ輸出価格は、2006年の平均は1トン当たり122.4米ドル(14,400円: 1米ドル=118円)であったが、2007年2月は1トン当たり159.4米ドル(18,800円)となっており、 価格上昇が作付拡大の要因とみられる。 上へ
◎ 北朝鮮で約半世紀ぶりに口蹄疫を確認 【国際情報審査役 平成19年3月9日発】 国際獣疫事務局(OIE)の3月7日付け発表によると、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の 首都・平壌近郊の農場で飼養されていた牛431頭が、口蹄疫に感染していたことが確認された。北朝鮮 における口蹄疫発生は、1960年以来47年ぶりとなる。 疾病の発生は今年1月10日とされ、当初は農場の獣医師らによって抗生物質が投与されていたという。 その後、寒天ゲル内免疫拡散試験(AGID)及びウイルスの中和テストにより、2月5日に飼養牛 431頭の口蹄疫(血清型Oタイプ)感染を確認、北朝鮮政府がOIEに届け出ていた。 発生農場では、感染牛を含む牛466頭及び豚2,630頭が処分されたほか、発生地域から半径70キロメ ートル以内の範囲に飼養されている家畜約10万頭に対するワクチンの包囲接種などの措置が講じられた。 感染牛は中国遼寧省鉄嶺市から輸入されたもので、一部は導入後から臨床兆候を示していたとされる。 また、韓国農林部は3月8日、北朝鮮において口蹄疫が確認されたことを発表し、国境検疫と国内 防疫の強化を表明した。李相吉畜産局長は、開城工業団地における南北間の往来や中国・瀋揚を介し た平壌−仁川の往来が多いことを挙げ、韓国内における口蹄疫発生が懸念されるとした。韓国では、 2000年と2002年に口蹄疫が発生し、損害額は4千5百億ウォン(約568億円:100ウォン=12.62円)余 に上ったといわれている。 上へ
◎ 韓国、骨抜きを条件に米国産牛肉の輸入再開を提示 【国際情報審査役 平成19年3月8日発】 米国ワシントンで3月5〜6日から行われた米韓農業高官級会談で、韓国農林部の閔東石通商次官 補は、現地時間6日に米通商代表部(USTR)のクラウダー農業担当交渉代表に対し、エックス線 検査で骨片などが発見された米国産牛肉の箱だけをシップバックまたは廃棄する案を示した。これに 対し、クラウダー交渉代表は「反対はしない」との見解を示したと伝えられている。 ただし、閔通商次官補は、米国側は問題点が解決され次第、韓国に向けて牛肉を輸出するとの意向 であるものの、骨片などが発見された場合でも、韓国の輸入に支障がないように現行輸入条件を緩和 すべきと主張し、むしろ骨付きを含む牛肉輸入を認めることに焦点を合わせているようであるとの見 方を示した。 韓国では、昨年10月に米国産牛肉に骨片が混入していたことから、再開されたばかりの米国産牛肉 の輸入を全面的に停止していた。米国側はその後もたびたび輸入再開を韓国に要請、2007年2月15日 には、USTRのシュワブ代表が上院財務委員会で、牛肉問題の解決なくして、米韓自由貿易協定を 議会が認める可能性が低いことを韓国はよく知っていると述べて揺さぶりをかけるなど、圧力を強め ていた。 なお、韓国政府は、権五奎副首相兼財政経済部長が最近主催した対外経済閣僚会議で、骨片などが 発見された米国産牛肉だけを輸入禁止とする案の提示を決定していたとされる。 上へ
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