ALIC/駐在員トピックス WTO/FTA・貿易・安全・その他
平成19年(2007年)5月分
◎米国、5月27日時点におけるトウモロコシ作付け進ちょく率は97% 【国際情報審査役 平成19年5月31日発】 ◎韓国で米国産牛から肋骨、当該工場からの輸入停止暫定措置 【国際情報審査役 平成19年5月31日発】 ◎2007/08年度以降、米国の輸出量または期末在庫は大幅な減少見込み 【国際情報審査役 平成19年5月28日発】 ◎中国で豚肉・鶏卵価格が高騰、必要に応じ備蓄肉放出を検討 【国際情報審査役 平成19年5月28日発】 ◎米国、5月20日時点におけるトウモロコシ作付け進ちょく率は92% 【国際情報審査役 平成19年5月23日発】 ◎中国で日本資本による循環型酪農が本格始動へ 【国際情報審査役 平成19年5月22日発】 ◎韓国、米国産骨付き牛肉も輸入の可能性 【国際情報審査役 平成19年5月22日発】 ◎米国、5月13日時点におけるトウモロコシ作付け進ちょく率は78% 【国際情報審査役 平成19年5月16日発】 ◎カナダ、エタノール需要に引きずられトウモロコシ生産量が拡大 【国際情報審査役 平成19年5月12日発】 ◎豪州、2007/08年度における小麦生産は回復見込み 【国際情報審査役 平成19年5月12日発】 ◎EU27カ国、干ばつと春先の寒波で2006/07年度の小麦生産は減産見込み 【国際情報審査役 平成19年5月12日発】 ◎米国、2007/08年度は初めてエタノール向け需要量と輸出量が逆転 【国際情報審査役 平成19年5月12日発】 ◎アルゼンチン、トウモロコシの輸出登録を再開 【ブエノスアイレス駐在員事務所 平成19年5月8日発】 ◎アセアン、EUとFTA交渉開始に合意、対日EPAでは交渉の大枠に合意 【シンガポール駐在員事務所 平成19年5月5日発】
◎米国、5月27日時点におけるトウモロコシ作付け進ちょく率は97% 【国際情報審査役 平成19年5月31日発】 米国農務省(USDA)が5月30日に公表した天候と作物に関する週報によると、米国の主要18 州におけるトウモロコシの作付け進ちょく率は、5月27日時点で97%となった。これは、前年同期 の96%を1ポイント上回り、過去5年間の平均93%を4ポイント上回る。 イリノイ州、ノースカロライナ州、オハイオ州およびテネシー州の作付けは、例年よりも早いピ ッチで完了している。作付けは終了時期に向かいつつあるが、各州の作付けを見ると、カンザス州、 ミズーリ州、サウスダコタ州およびテキサス州は、例年(平均)のペースを1〜2ポイント下回る が、そのほかの州では、例年のペースを上回っている。 トウモロコシの発芽率は、85%となった。これは、前年同期の82%を3ポイント上回り、過去5 年間の平均75%を10ポイント上回る。 ダコタから東部のコーンベルト地帯、ペンシルベニア州に至るまでの地域では、適度に乾燥した 温暖な天候から、トウモロコシの生育は良好である。![]()
![]()
上へ
◎韓国で米国産牛から肋骨、当該工場からの輸入停止暫定措置 【国際情報審査役 平成19年5月31日発】 韓国農林部5月30日発表によれば、5月25日、米国から輸入された牛肉(カルビ肉) 15.2トンを 検疫(釜山港)した結果、2箱(53kg)から肋骨が検出された。 これに伴い韓国農林部国立獣医科学検疫院は、肋骨は特定危険部位(SRM)ではないが、赤身の 肉だけを許容する現行輸入衛生条件に違反していることから、明確な原因が究明されるまで当該工 場からは輸入停止とし、該当牛肉の処分は、精密な検査結果と肋骨が含まれた経緯に関する米国側 の調査結果を確認した後、決定される。 同検疫院は、3月8日の検疫で骨片が発見されたケースでは、該当の箱だけを搬送・廃棄し、 該当工場に対しては輸入停止措置を課さなかったが、今回の場合、明らかに両国間で合意した輸入 衛生条件に反する冷凍カルビ(chuck short rib)の形で輸出されたことから、該当輸出工場におけ る原因が明確に究明されるまで、該当工場からの輸入は暫定的停止の措置とした。 同検疫院は米国側に対して同事実を通知し、早急な原因究明と再発防止を強力に要請した。 上へ
◎2007/08年度以降、米国の輸出量または期末在庫は大幅な減少見込み 【国際情報審査役 平成19年5月28日発】 ○トウモロコシ需給は、輸出量または期末在庫に大幅なしわ寄せ 米国農務省(USDA)が5月18日に公表した米国のエタノール報告によると、エタノール 蒸留所の生産能力は、2009年までに100億ガロンを超え、その後、数年以内に120億ガロンを超 えるとされている。これは、現在生産されているエタノール生産量の約2倍に相当する。 米国のエタノール生産は、主にトウモロコシにより賄われていることから、トウモロコシ 1ブッシェル当たりエタノール2.8ガロンの生産割合で、120億ガロンのエタノールが生産さ れるならば、1億900万トン(43億ブッシェル)相当のトウモロコシが必要になる。この数量 をUSDAが公表(5月11日)した2007/08年度需給予測のエタノール向け需要量に代入すると、 試算1:期末在庫への影響を考えるならば、140万トンとなる大幅な減少 試算2:輸出量への影響を考えるならば、2,760万トンとなる大幅な減少 となり、米国から2千万トン弱を輸入している日本を含め、輸入国への影響は小さくない。○発酵残さのトウモロコシ飼料への置換は2割程度見込む エタノールが120億ガロン生産されると、エタノール生産の副産物であるトウモロコシ発酵残さ (Distillers Grains)は、トウモロコシ25.4キログラム(1ブッシェル)当たり7.9キログラム (17.5ポンド)の割合で生産されることから、DDGS(Dried Distillers Grains with Solubles) は3,400万トン相当となる。 DDGSは、豚や家きんなどの単胃動物の飼料としてよりは、肉牛や乳牛などの反すう家畜に対 して、多く給与することが可能であるが、トウモロコシ飼料の代替としては2割程度にとどまると のことであり、供給と需要のギャップの解消が問題であるとしている。 ○問題は発酵残さの水分含量 ドライミルのエタノールプラントで作られる発酵残さの水分含有は、65〜70%程度とかなり高い。 家畜に与える場合には、水分含有の多い状態のままか、乾燥させ、水分を減少させた状態の二通り の方法となるが、前者の場合、乾燥に要する経費負担がない分、腐敗により長期保存が不可能で、 かつ輸送範囲も限られる一方、後者の場合、乾燥に経費を要するものの、海外を含め遠隔地への輸 送が可能になるとされる。 畜種別の最適な配合割合は、肉牛肥育向けは30〜40%程度、乳牛向けは20〜25%程度、豚と家き んの生育期、仕上げ段階には、それぞれ20%程度、15%程度で、肉牛肥育向けに40%以上使用する 場合には、肉質への影響を考慮する必要があるとしている。 上へ
◎中国で豚肉・鶏卵価格が高騰、必要に応じ備蓄肉放出を検討 【国際情報審査役 平成19年5月28日発】 中国商務部によると、2007年5月上・中旬の全国36都市部における豚肉の平均卸売価格は1s当 たり14.5元で、4月に比べ8.6%高、前年同期比43.1%高となった。同じく鶏卵の平均小売価格は 同7.00元で、1s当たり平均1.68元の上昇、4月に比べ2.6%高、前年同期比31.6%高となった。 価格高騰の主な原因は、以下のとおりとされる。 @ 飼養頭羽数減少による供給減 昨年上半期は、鳥インフルエンザなどの影響で需要が減少したため、各地で豚肉・鶏卵価格 が持続的に下落し、多くの畜産農家が経済的損失を受けたことから、飼養頭羽数が大幅に減少 した。2006年6月以降、豚肉・鶏卵価格は徐々に回復したものの、飼養頭羽数の回復は緩慢で あった。 A 飼料価格高騰による生産コスト高 今年に入り、トウモロコシや大豆粕、魚粉など飼料価格が高騰し、生産コストの明らかな上 昇が認められた。1〜4月の全国のトウモロコシ平均価格は、前年同期比20%高、1トン当た り平均260元の上昇となった。 商務部では、今年初めから豚や採卵鶏が次々と導入され、供給が回復してきていることや天候が 暑さに向かっていること(注:中国では、気温が低い時期に食肉などの消費量が増加し、気温が高 くなると減少する傾向がある)、また、水産物やそのほかの家禽産品など代替品目の供給が十分で あることなどから、豚肉および鶏卵需給は、今後、緩和に向かうと予測している。 なお、中国共産党の機関誌である人民日報によると、商務部では今後、豚肉市場の安定を図るた め、必要に応じ国家備蓄肉の放出も検討しているとされる。 ※1 国家備蓄肉には中央備蓄肉と地方備蓄肉があり、中央備蓄肉は商務部が管理責任を負う。 中央備蓄肉の入庫・貯蔵及び出庫などの実務管理は、商務部の委託を受けた華商儲備商品管理 中心が行っている。また、各省・自治区・直轄市(北京、上海、重慶、天津)および計画単列 市の商務主管部門は、備蓄請負業者や保管倉庫、家畜の飼養基地、加工業者などを選定・推薦 し、商務部への支援・協力を行う。 ※2 計画単列市とは、省級政府の下級行政区分である地級市のうち、ハルピンや、大連、青島、 寧波、廈門、杭州、南京など特に有力な都市として中央政府に認定されたものをいう。省級の 経済権限を持ち、単独で全国計画に直接編入されているが、行政区画上は省級政府の指導下に あり、意志決定は省級政府の意向に左右されることが多いとされる。 上へ
◎米国、5月20日時点におけるトウモロコシ作付け進ちょく率は92% 【国際情報審査役 平成19年5月23日発】 米国農務省(USDA)が5月22日に公表した天候と作物に関する週報によると、米国の主要 18州におけるトウモロコシの作付け進ちょく率は、5月20日時点で92%となった。これは、前年 同期の91%を1ポイント上回り、過去5年間の平均86%を6ポイント上回る。 作付けは、グレートプレーンズ北部を中心とした乾燥した天候により、急ピッチで進んでおり、 作付け進ちょく率は、1週間前に比べてサウスダコタ州では28ポイント、ノースダコタ州では24 ポイントの大幅な上昇である。一方、グレートプレーンズ中央部、コーンベルト西部、中央部の 作付けは、ほぼ完了している。 トウモロコシの発芽率は、67%となった。これは、前年同期を5ポイント上回り、過去5年間 の平均を11ポイント上回る。1週間前の発芽率から29ポイント以上を大幅に上回った州は、イン ディアナ州、アイオワ州、ミネソタ州、ネブラスカ州、ノースダコタ州、オハイオ州、ウィスコ ンシン州である。 今期の最初となる作柄状況(作況)は、「優」(Excellent)と「良」(Good)の合計が78%と なり、前年同期を12ポイント上回った。![]()
![]()
上へ
◎中国で日本資本による循環型酪農が本格始動へ 【国際情報審査役 平成19年5月22日発】 アサヒビール、住友化学及び伊藤忠商事の3社が中国山東省菜陽市に設立した農業法人・ 山東朝日緑源農業高新技術(以下「朝日緑源」)がこのほど、本格的に酪農事業を開始した。 朝日緑源は、山東省政府から農村蘇生に対する協力を要請されたアサヒビールが、住友化学 及び伊藤忠商事と合計15億円を共同出資して2006年5月に設立、地元の農民委員会 (人民公社時代の生産大隊)から100ヘクタールの土地を借用し、地元農民など約170人を 従業員として雇用している。 朝日緑源は、日本農業の先端技術を導入し、ICタグを利用した個体管理をはじめ、最新の 搾乳システムと衛生管理に基づく大規模経営を目指し、農業指導者の育成にも当たる。また、 牛糞を利用した有機肥料を使用した野菜や果物の生産を実施し、すでにレタスやトウモロコシ は北京市内の日系量販店などにも出荷されているという。トウモロコシの茎などは乳牛の飼料 に用いられ、徹底した循環型酪農にこだわっている。 5月20日にニュージーランドから浙江省寧波市を経てホルスタイン種400頭が到着、7月から 国内市場向けに高品質生乳の生産を開始し、生乳は地元の乳業企業へ(2007年は1千トン出荷 予定)、有機肥料による野菜や果物は省内の青島市にある日系量販店に出荷する予定。乳牛は 現在の400頭から、来年初めには豪州産乳牛などを含め800頭とし、年間5千5百トンの生乳を 出荷する計画で、2016年の黒字転換を目指している。関係者は、将来的には原料乳だけでなく、 朝日緑源ブランドの牛乳出荷への意気込みも見せている。 このプロジェクトは、循環型酪農による安全・安心な食品づくりを通じ、農村部の農民に対し、 農業による現金収入確保の道を開く日中協力のモデル農業でもあり、小泉前首相や安倍首相にも 報告され、日本政府も注目しているという。 上へ
◎韓国、米国産骨付き牛肉も輸入の可能性 【国際情報審査役 平成19年5月22日発】 現地報道などによると、韓国農林部の関係者は5月20日、4月23日に再開された米国産骨なし 牛肉の輸入に続き、早ければ8〜9月には骨付き牛肉の輸入も再開される可能性があることを 明らかにした。 この農業部関係者によると、5月20〜25日開催の国際獣疫事務局(OIE)の総会(於パリ) における牛海綿状脳症(BSE)リスクについて、米国が「統制されたリスク」と認定されるはず であり、仮に認定された場合、米国は韓国に対し、骨付きを含めた30カ月齢未満の牛肉の早期全面 開放を求めてくることは確実としている。そして、OIEのリスク認定に強制力はないとしながら も、先の米韓自由貿易協定(FTA)の合意に付随して、盧武鉉大統領が米国産牛肉問題の解決に 向けた対応を約束していることから、米国の要求を拒否することは難しいとしている。 上へ
◎米国、5月13日時点におけるトウモロコシ作付け進ちょく率は78% 【国際情報審査役 平成19年5月16日発】 米国農務省(USDA)が5月15日に公表した天候と作物に関する週報によると、米国の 主要18州におけるトウモロコシの作付け進ちょく率は、5月13日時点で78%となった。これ は、前年同期を5ポイント下回るが過去5年間の平均と同じ割合である。 作付け進ちょく率は、コーンベルト地帯の良好な天候により、作付けが急ピッチで進んで おり、1週間前に比べてオハイオ州では50ポイント、インディアナ州では36ポイントの大幅 な上昇である。 一方、ミズーリ州では、大洪水により作業が妨げられており、前年同期を31ポイント下回 り、過去5年間の平均を22ポイント下回る。 トウモロコシの発芽率は、5月13日時点で39%となった。前年同期は41%、過去5年間の 平均は36%である。コーンベルト地帯では、発芽は順調に進んでおり、1週間前に比べて ミネソタ州では40ポイント、イリノイ州では34ポイントの大幅な上昇である。![]()
上へ
◎カナダ、エタノール需要に引きずられトウモロコシ生産量が拡大 【国際情報審査役 平成19年5月12日発】 米国農務省(USDA)が5月11日に公表した世界の農産物生産によると、カナダに おける2007/08年度(9〜8月)のトウモロコシ生産量は、前年度を220万トン上回る 1,150万トンと見込まれている。収穫面積は、前年度を30万ヘクタール上回る140万ヘ クタールと見込まれている。 カナダ統計局(Statistics Canada)によると、この急激な増加はエタノール産業から の強い需要によるとしており、2007/08年度の作付意向面積は、前年度を26%上回り、 記録的な142万ヘクタールが見込まれるとしている。例年、作付けは5月に始まり6月 まで続く。上へ
◎豪州、2007/08年度における小麦生産は回復見込み 【国際情報審査役 平成19年5月12日発】 米国農務省(USDA)が5月11日に公表した世界の農産物生産によると、豪州における 2007/08年度(7〜6月)の小麦生産量は、2,210万トンと見込まれている。これは前年度 の2.1倍、数量で1,160万トン上回る。この大幅な増加の要因は、作付面積と単収の回復に あるとしている。 作付面積は1,300万ヘクタールと見込まれ、前年度を170万ヘクタール上回る。今期の作付 面積の増加は、改善の兆しが見える降雨量、生産者が2006年の大干ばつで被った損失を埋 め合わせようとする強い意欲、干ばつ時の牧草地からの転換といった3つの要因が組み合 わさった結果としている。 小麦の種まきは、4月から6月にかけて行われるが、2007/08年度の単収は、 1.70トン/ヘクタールと見込まれている。これは、前年度を82.8%上回り、5年間の平均 を14.7%上回る。4月の状況を見ると、主要な生育地域である西オーストラリア州と南オ ーストラリア州では豊富な降雨量が見られる一方、ニューサウスウェールズ州では雨量が 不足しているとのことであるが、現在から6月後半までの見通しでは、作付けに十分な例 年並みの降雨量が見込まれるとしている。上へ
◎EU27カ国、干ばつと春先の寒波で2006/07年度の小麦生産は減産見込み 【国際情報審査役 平成19年5月12日発】 米国農務省(USDA)が5月11日に公表した世界の農産物生産によると、EU27カ国に おける2006/07年度の小麦生産量は、干ばつが広範囲に拡大していることや最近の北ヨーロ ッパ地域における寒波の影響により、当初豊作を見込んでいた冬小麦生産量は、前年度を 755万9千トン下回る1億2,479万7千トンに下方修正せざるを得ないとしている。 温暖な天候が春まで継続したことで、生育のペースは例年よりも2〜4週程度早まるなど 順調であったが、ヨーロッパの北部地域において、気温の影響を受けやすい出穂期である4 月下旬から5月上旬に、広範囲にわたり寒波が発生している。ポーランドでは、出穂期の最 低気温がマイナス3度からマイナス6度となり、生育に支障が出た。また、ドイツやチェコ ではポーランドほどではないが、低温から生育に支障が見られた。 北部と中央部ヨーロッパでは、4月の雨量不足が深刻である。北イタリアでは、農業地域 であるポー河流域でアルプスの積雪が例年よりも少ないことから、土壌水分が不足している。 バルカン諸国では、長期に及ぶ乾燥気候で生産量が減少している。ブルガリアの隣国である ギリシャでも同様な状況であるが、特にルーマニアとブルガリアのドナウ河流域の乾燥気候が、 極めて深刻であるとしている。英国では4月は干ばつの天候であったが、冬場の降雨が多か ったことで土壌水分が保たれており、ヨーロッパ大陸ほど影響は受けていないとしている。 2007/08年度の小麦生産量は、1億2,734万4千トンと見込まれている。これは干ばつの影 響から減産となった昨年度を254万7千トン上回るが、直近5年度平均の生産量を209万トン 下回る。作付面積は2,494万3千ヘクタールと見込まれ、前年度を45万2千ヘクタール上回る。 単収は、昨年度並み、直近5年度平均並みである5.11トン/ヘクタールと見込まれており、 2004/05年度に記録した5.65トン/ヘクタールをかなりの程度下回るとしている。上へ
◎米国、2007/08年度は初めてエタノール向け需要量と輸出量が逆転 【国際情報審査役 平成19年5月12日発】 米国農務省(USDA)が5月11日に公表した世界穀物需給予測によると、米国における 2007/08年度のトウモロコシ需給は、記録的な生産となる一方、それを上回る需要の増加から、 期末在庫は、前年並みの低水準としている。 飼料仕向量と輸出量は、それぞれ前年度を2.6%、10.2%下回るが、エタノール向けが 前年度を58.1%と大幅に上回ることから、輸出を含めた全体の需要量は、前年度を7.7%上回る 3億1,662万6千トンとしている。 エタノール製造業者は、好調な業績を背景に処理能力を拡大しており、2007/08年度の エタノール向け需要量は8,636万トンとなり、初めて輸出量の5,017万トンを上回ると予測され ている。 エタノール生産の副産物であるトウモロコシ発酵残さ(DDGS)などの生産が増加するため、 トウモロコシの飼料仕向量が減少している。このため、豚と家きんの飼養頭羽数は拡大するにも かかわらず、飼料向け需要量は、前年度を2.6%下回る1億4,478万7千トンとしている。 ブラジル、アルゼンチンのトウモロコシ生産量が記録的な高水準であることや米国のトウモロ コシ価格が高騰していることを背景に、米国のトウモロコシ輸出量は減少が見込まれる一方、 両国の輸出先が、従来の米国の輸出先に置き換わるとしている。 トウモロコシ生産量は、前年度を18.3%上回る記録的な3億1,649万9千トンとなるが、期首 在庫が減少していることに加え、需要量が増加していることから、期末在庫は、前年並みの 2,405万6千トンとしている。 2007/08年度のトウモロコシ平均農家手取価格は、1ブッシェル当たり前年度の3.00〜3.20 米ドルを上回る3.10〜3.70米ドルと見込まれている。上へ 上へ
◎アルゼンチン、トウモロコシの輸出登録を再開 【ブエノスアイレス駐在員事務所 平成19年5月8日発】 アルゼンチン政府は5月8日、2006年11月17日より停止していたトウモロコシの輸出登録 の再開などを定めた農牧漁業食糧庁決議第147/2007号を公布した。同決議では、300万トン の割り当てを設定し、輸出申告がこれを超えた場合、自動的に登録を停止することも定めて いる。 上へ
◎アセアン、EUとFTA交渉開始に合意、対日EPAでは交渉の大枠に合意 【シンガポール駐在員事務所 平成19年5月5日発】 5月4日、東南アジア諸国連合(アセアン)は、ブルネイで開催された経済担当相会議 において、EUとの貿易や投資の拡大を目的とする自由貿易協定(FTA)締結に向けた交渉 に入ることに合意した。 また、同日、アセアンは日本との経済連携協定(EPA)に向けた大枠で合意し、日本が 貿易品目と輸入額の92%、アセアンが同90%に対して10年以内に関税を撤廃することとし、 8月までに具体的な品目リストを作成することとしたとされている。アセアンと日本は 2005年4月から交渉を行っていた。締結後はアセアンと日本と間の二国間貿易だけでなく、 加盟国11カ国間での三角貿易なども対象となるとしている。 アセアン事務局が取りまとめた統計によれば、2005年のアセアンと日本およびEUの 貿易輸出入額はそれぞれ1,538億ドルと1,405億ドルとなっており、1位である米国の 1,539億ドルに次いでいる。 上へ
過去の記事はこちら
トップページへ戻る