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海外トピックス(畜産)

平成19年(2007年)7月分


◎ 韓国、好調な売れ行きの米国産牛肉
 【国際情報審査役 平成19年7月24日発】

◎ GMトウモロコシ1系統の栽培を再許可(アルゼンチン)
 【ブエノスアイレス駐在員事務所 平成19年7月18日発】

◎ 韓国大手量販、米国産牛肉を8月から一斉販売へ
 【国際情報審査役 平成19年7月18日発】

◎ FAO報告:2007年の低所得食料不足国における食料供給は一段と逼迫
 【国際情報審査役 平成19年7月18日発】

◎ 中国、重大な自然災害の被災地向けに国家備蓄豚肉を放出
 【国際情報審査役 平成19年7月17日発】

◎ 米国農務省、2007年トウモロコシ生産予測量(推計値)を上方修正
 【ワシントン駐在員事務所 平成19年7月12日発】

◎ 中国、2010年の食糧生産目標は5億トン以上
 【国際情報審査役 平成19年7月4日発】

◎ 米国農務省、2007年トウモロコシ作付面積(推計値)を上方修正
 【ワシントン駐在員情報 平成19年7月2日発】

◎韓国、好調な売れ行きの米国産牛肉  【国際情報審査役 平成19年7月24日発】    現地報道などによると、韓国では、3年半余ぶりに輸入が再開された米国産牛肉が好調な売れ行きを 見せている。韓国では、8月9日から国内20余りの量販業者が一斉に米国産牛肉の販売を開始するとさ れるが、これに先だって7月13日から販売を開始した国内大手のロッテマートは、同月13〜22日の10日 間で100トンを販売したとされる。米国産牛肉の影響を最も大きく受けると予測された豪州産牛肉の同 社での販売量は、前年同期比3.3%増の62トンとなり、輸入牛肉に比べ価格が高水準の韓牛肉も、前年 同期並みの45トンとなった。これに対し、豚肉の販売量は前年同期比10.7%減の250トン、鶏肉は 同7.9%減の35万羽(1羽当たり550g換算)となった。  一方、ディスカウント量販としては国内最大手といわれる新世界Eマーケットも、7月20日から一部 店舗で米国産牛肉の試験販売を実施し、26日から全国107店舗のうち、約7割強に相当する78店舗で 本格販売を開始すると発表(7月22日)した。同社によると、販売予定の米国産牛肉は、一等級の 韓牛肉とほぼ同品質とされるチョイス級牛肉で、販売価格は韓牛肉の半分以下、豪州産高級牛肉と比べ ても3割程度安価であるとされ、消費者の反応を見つつ、プルコギやしゃぶしゃぶ向けの商品販売も 計画しているとしている。  韓国では、米国産牛肉の売れ行きだけでなく、豪州産の販売量も増加したことについて、輸入牛肉の 市場規模拡大によるものと分析される一方で、現在はまだ米国産牛肉の輸入量自体が少ないことから、 米国産牛肉が売り切れた場合、その代わりに豪州産牛肉を購入していく消費者が多いためであるとの説 も唱えられている。ある研究者は、今後、米国産牛肉の輸入が本格化した場合、価格・販売シェアの 両面で米国産と豪州産の激しい競争が生じ、国内の牛肉市場規模がさらに拡大するだろうとしている。  また、業界関係者によると、韓国産牛肉の価格は、産地における直接取引の増加などにより、 このところ低下傾向で、こうした状況で米国産牛肉の輸入が本格化した場合、価格の下落にさらに拍車 がかかるものとみられている。 上へ
◎GMトウモロコシ1系統の栽培を再許可(アルゼンチン)  【ブエノスアイレス駐在員事務所 平成19年7月18日発】   アルゼンチン国立種子研究所(INASE)はINASE決議125/2007号 (2007年5月24日付け)により、形質的な転換により除草剤グリホサートに耐性を持つトウモロコシ 種子(GA21系統)および除草剤グルホシネートに耐性を持つトウモロコシ種子(Event 176系統) の商業的利用の許可を取り消したこと(週報第770号を参照)を報告したところである。しかしながら、 INASE決議178/2007号(2007年7月12日付け)により、GA21系統については、分別流通を行う ことを条件に商業的利用が再許可されることとなった。 INASEによると、現在アルゼンチン国内においてEvent 176系統の商業的利用は無いが、 GA21系統は既に商業的利用が進んでいるための措置である。また、分別流通を行うことによる 生産および流通コストの増加に対する支援措置は予定されていない。 上へ
◎韓国大手量販、米国産牛肉を8月から一斉販売へ  【国際情報審査役 平成19年7月18日発】    米国食肉輸出連合会の関係者などによると、韓国の大手スーパーマーケット、百貨店など大手 量販業者20余社が、8月9日から米国産牛肉の販売を一斉に開始し、共同マーケティングを行う とともに、共同プロモーションなども計画しているとされる。共同マーケティング形式をとった のは、米国産牛肉に否定的な見解を有する団体などからの批判をかわす狙いがあるともいわれて いる。  大手量販では、すでにロッテマートが7月12日にソウル駅前店などで米国産牛肉の試食会を 開催、翌13日に傘下の全国53店舗で、輸入解禁後、大手としては初めて米国産牛肉の販売を開始 した。しかし、ソウルや安城、忠州、光州、清州などの数店舗において、韓米自由貿易協定 (FTA)阻止全国国民運動本部などの市民団体が13〜15日にかけて抗議活動や糾弾集会などを 行い、店舗によっては売り場を占拠されるなどの混乱もあり、販売の一時中止を余儀なくされる ところも発生した。16日には、牛海綿状脳症の感染が疑われる米国産牛肉の販売中止を求めると して、韓米FTA阻止釜山運動本部などが、釜山のロッテ百貨店前で抗議集会を行った。    同連合会関係者は、8月の共同マーケティング以前に米国産牛肉を販売する業者があっても、 それを止める理由はないとしているが、こうした事情もあって、ほとんどの大手量販は同時販売 の意向を固めているとされる。また、混乱がありながらも、先発のロッテマートの1日当たりの 売上高が、韓国産牛肉は変わらないものの、一時的とはいえ、米国産牛肉を含む輸入牛肉が通常 の3倍ほどに達している状況に、他の大手量販は米国産牛肉の販売に自信を得ているといわれる。    一方で、これら大手量販の中からは、米国産牛肉の輸入量が、いまだ全国的な流通に十分な 量を満たしていないとして、物量の確保に対する懸念の声も上がっている。 上へ
◎FAO報告:2007年の低所得食料不足国における食料供給は一段と逼迫  【国際情報審査役 平成19年7月18日発】    国連食糧農業機関(FAO)が7月17日に公表した穀物見通しと食料情勢に関する報告 (Crop Prospects and Food Situation)によると、低所得食料不足国(LIFDC)における 2007年の穀物生産は減速しており、高水準で推移する穀物の国際価格とも相まって、LIFDC における食料供給は一段と逼迫するものと見込まれている。  2007年の世界の穀物生産は、トウモロコシに加えて小麦や米の豊作から、記録的となる2,121 百万トンとしている。米国のトウモロコシ生産は、強いエタノール需要に導かれ、1940年以来と なる大幅な作付面積の拡大から、これまでで一番の豊作となるが、EUでは南東部地域の干ばつ により、生産量の著しい悪化が見込まれている。  報告書では、世界の穀物生産は、平年と比べて4年連続の豊作となるが、LIFDCでは、 2007年の穀物生産は人口増加率を下回り、わずか1.2%の上昇にとどまるとしている。また、 中国やインドなどの生産国を除いたLIFDCの穀物生産は、わずかに昨年を下回るものと 見通されている。 上へ
◎中国、重大な自然災害の被災地向けに国家備蓄豚肉を放出  【国際情報審査役 平成19年7月17日発】    中国の黄海商務部長助理は7月14日、新華通信社(国務院直属事業単位の一つ)の記者との 会見において、高騰を続ける豚肉価格の安定対策の一環として、商務部がすでに自然災害の被 災地に向け、国家備蓄肉の一部を放出したことを明らかにした。  この会見で黄部長助理は、豚肉価格高騰の原因として、 @ 2006年上半期に生豚価格が大幅な下落を続け、損失軽減のために養豚農家が母豚のと畜や   子豚の安売りなどを行った影響から、2007年上半期に至って生豚の飼養頭数及び出荷頭数   が減少したこと A 豚の主産地で発生した豚繁殖・呼吸器障害症候群(PRRS)などの影響で母豚の流死産   が多発し、飼養頭数がさらに減少したこと B 世界的なトウモロコシ価格高騰などの影響を受け、国内外の飼料価格が持続的に上昇して   生産コストが嵩んでいること C 今年は夏季に入って国内の一部で高温が続き(生産性が低下したことに加え)、一方で大   洪水の発生により生産地−消費地間の輸送路の分断が少なからず発生していること    などを挙げ、最近の中国における豚肉の需給事情について説明した。中国では4月下旬から 5月にかけ豚肉価格が急騰(4月20日:1キログラム当たり卸売価格13.18元→5月25日:同 16.53元/中国商務部市場運行司)、その後、関係部署が講じた対策などが功を奏し、6月に 入りわずかながら下落ないし横ばいで推移したものの、6月下旬から再び上昇に転じている (6月22日:1キログラム当たり卸売価格16.46元→7月13日:同18.79元/同上)。  さらに、豚肉価格の高騰と価格安定に向けた商務部の取り組みについて質問を受けた黄部長 助理は、商務部が@市場需要と価格のモニタリング強化、A生産・販売・需要の有機的な接続 強化、B市場コントロールの強化、C食肉製品の品質安全管理の強化(違法な豚肉販売の監視 強化)などを実施していることを挙げた。このうち、市場コントロールの強化について回答す る中で、黄部長助理は、商務部がすでに重大な自然災害を受けた地域に対して国家備蓄肉の一 部を放出し、今後も必要に応じ放出を継続していくことを明らかにした。具体的な放出時期・ 量などについては触れていない。  なお、銅やアルミニウム、原油などをはじめ、豚肉を含む中国の国家備蓄制度については、 その備蓄量や関連予算、備蓄計画その他関連統計文書など、具体的な部分の多くについては、 国家機密法の規定によって非公開とされている。 上へ
◎米国農務省、2007年トウモロコシ生産予測量(推計値)を上方修正  【ワシントン駐在員情報 平成19年7月12日発】   米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)は7月12日、世界農産物需給推計 の月次報告を公表し、2007/2008年度のトウモロコシ生産予測量を上方修正した。 これによると、先月29日に公表されたトウモロコシの作付面積(実績推計値)が 前年比19%増の9,289万エーカー(3,716万ヘクタール)となったことを受け、 2007/2008穀物年度における生産量を、先月の公表値から3.8億ブッシェル引き上げ、 128.4億ブッシェルになると予測している。また、2007/2008穀物年度の年度末在庫 についても、先月の公表値を5.05億ブッシェル引き上げ、15.02億ブッシェルになる ものと予測している。 上へ
◎ 中国、2010年の食糧生産目標は5億トン以上  【国際情報審査役 平成19年7月4日発】 中国国家改革発展委員会は7月2日、「全国農村経済社会発展“十一五”計画」 (2007年6月9日付け発改農経〔2007〕1253号)を公表した。 これによると、第11次5カ年計画(2006〜2010年)末に当たる2010年の耕地面積 は1億2千万ヘクタール以上(2005年:1.22億ヘクタール)を維持し、食糧総合生 産能力の目標は5億トン以上(同:4.84億トン)と設定されている。また、農業総 生産額に占める畜産生産額の比率を38%(同:33.7%)まで引き上げるほか、農業 生産額に対する食品加工業生産額の比を0.8(同:0.5)とし、加工度を上げた付加 価値商品の販売により、農村部の増収を図る内容となっている。 農村住民の1人当たり純収入についても、2005年の3,255元(うち給与収入36%) から、2010年には4,150元以上(うち給与収入42%以上)とすることなどを目標と している。 上へ
◎ 米国農務省、2007年トウモロコシ作付面積(推計値)を上方修正  【ワシントン駐在員情報 平成19年7月2日発】  米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)は6月29日、6月上旬に実施した生産者調査 に基づく、2007年の主要農作物の作付予測を公表した。 これによると、同年のトウモロコシ作付面積は、前年比19%増の9,289万エーカー(3,716万ヘクタール) と、1944年(9,550万エーカーに作付け)以来の高水準となるものと見込まれている。また、 今回公表された実績推計値では、同局が本年3月末に公表した生産者への作付意向調査時の 予測をさらに3%程度(243万エーカー)上方修正しているが、今回の修正(3月末と6月末時点 における比較)は、90年以降を見ても最大の増加率を示すものとなっている。 さらに、トウモロコシ作付面積を州別に見ると、生産量が最大のアイオワ州をはじめとする コーンベルト地帯を中心にほぼすべての州で前年を上回っており、特に、従来、大豆の主要生産 地域でもあるコーンベルト南東部(インディアナ、オハイオ、ミズーリ州)での増大が顕著と なっている。 なお、そのほか主要作物の作付面積では、大豆が3月末の予測値に比べ約5%減、綿花が 同9%減の見込みとなっている。 上へ
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