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海外トピックス(畜産)

平成19年(2007年)9月分


◎英国で初のブルータング感染を確認
 【ブリュッセル駐在員事務所 平成19年9月25日発】
◎米国農務省、2007年のトウモロコシ生産量予測を引き上げ 
- 大豆の生産量予測は引き下げも、大豆ミールの年間生産量予測は引き上げ -
 【ワシントン駐在員事務所 平成19年9月12日発】
◎口蹄疫3例目を確認〜イギリス口蹄疫その6〜
 【ブリュッセル駐在員事務所 平成19年9月12日発】
◎口蹄疫発生にかかる最終の疫学調査報告を公表 〜イギリス口蹄疫その5〜
 【ブリュッセル駐在員事務所 平成19年9月8日発】
◎韓国で米国産牛肉から肋骨発見、全量を返送
 【国際情報審査役 平成19年9月5日発】

   
◎英国で初のブルータング感染を確認  【ブリュッセル駐在員事務所 平成19年9月25日発】  
イギリスの環境・食料・農村地域省(DEFRA)は9月22日、イングランド東部 サフォーク州イプスウィッチ近郊で飼育されている牛1頭からブルータングウイルスが 確認されたことを公表した。同国では初の感染確認となる。同省はこれを受け、当該発生 農場を中心とする半径20キローメートル以内を移動制限区域とし、すべての家畜の移動を 禁止するなどの措置を講じている。さらに同疾病は、8月3日以降7例の感染確認がされ ている口蹄疫とは異なる伝染病であると強調しつつ、口蹄疫同様、警戒が必要と注意喚起 している。   また、分析の結果、今回のウイルスは、ベルギー、フランス、ドイツ、ルクセンブルグ、 オランダで2006年8月以降発生している型と同じであることが確認された。    ブルータングは、吸血昆虫を媒介して反すう動物に感染する疾病で、牛やヤギには症状 が現れない場合も多いが、羊では発熱、流涎、口腔粘膜のうっ血などの症状が現れ、死に いたる場合もある。なお、ヒトへの感染は確認されていない。 上へ
◎米国農務省、2007年のトウモロコシ生産量予測を引き上げ  - 大豆の生産量予測は引き下げも、大豆ミールの年間生産量予測は引き上げ -  【ワシントン駐在員事務所 平成19年9月12日発】  米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)は9月12日、全国作況調査に基づく 9月1日現在の反収予測を踏まえた2007年の主要農作物の生産予測量を公表した。これに よると、8月に中西部で十分な降水量が見られたことなどにより、本年のトウモロコシの 1エーカー当たり収量予測は155.8ブッシェル(前月予測から3.0ブッシェル増)に引き上 げられ、史上最大になるとされる生産量についても133.08億ブッシェル(同2.54ブッシェル増) に達するものと上方修正されている。一方、大豆の生産量は史上最高の生産量だった昨年 をかなり下回り、26.19億ブッシェル(同0.06億ブッシェル減。前年比5.69億ブッシェル減) と予測されている。 また、米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)も同日、世界農産物需給推計 の月次報告(9月)を公表した。これによると、2007/2008年度のトウモロコシの総需要量 は飼料向けと輸出向けの上方修正により127.90億ブッシェル(前月予測から+1.00ブッシェル増) とされたが、エタノール工場の建設の遅れや稼働率の低下によりエタノール原料向けが33.00 億ブッシェルと前月予測に比べて1.00億ブッシェル下方修正されたことが注目される。 一方、大豆の総需要量については輸出向けが下方修正される一方で国内搾油向けが18.25億 ブッシェル(同0.25ブッシェル増)に上方修正されており、大豆ミールの生産量も前回予測 を55万ショート・トン上回る4,338.5万ショート・トンに引き上げられている。 なお、主要農作物生産予測と、世界農産物需給推計報告は、それぞれ、以下のURLから 参照可能である。 http://usda.mannlib.cornell.edu/usda/current/CropProd/CropProd-09-12-2007.pdf http://usda.mannlib.cornell.edu/usda/current/wasde/wasde-09-12-2007.pdf 上へ
◎口蹄疫3例目を確認〜イギリス口蹄疫その6〜  【ブリュッセル駐在員事務所 平成19年9月12日発】    英国の環境・食料・農村地域省(DEFRA)は9月12日、サリー州内の農家で、新たに 口蹄疫ウイルスに感染した牛を確認したことを公表した。今回の感染確認は、8月3日、 8月7日の感染に続き3例目となる。    DEFRAによれば、12日朝の感染を疑う事例の確認に伴い、当該農場を中心とする半径 10キロメートルに暫定の制限地域を設定していたが、口蹄疫ウイルスによる感染が確定した ことから、8月同様、当該発生農家を中心とする半径3キロメートルの保護地域および半径 10キロメートルの監視区域を設定した。また、これらの防疫対策に加え、グレートブリテン 全域を対象とした、牛、羊などの反すう動物および豚の移動禁止措置を再度講じている。    同国では、8月7日の2例目以降沈静化していたことから、設定していた監視区域を9月 8日正午より解除したばかりであった。 上へ
◎口蹄疫発生にかかる最終の疫学調査報告を公表 〜イギリス口蹄疫その5〜  【ブリュッセル駐在員事務所 平成19年9月8日発】  イギリスの環境・食料・農村地域省(DEFRA)は9月7日、同国南西部サリー州において 8月上旬に発生した口蹄疫に関する最終の疫学調査報告を公表した。  今回の口蹄疫については、ウイルスの型が1967年に同国において発生したウイルスと同型で あったこと、このウイルスを保有する研究機関や製薬企業が限定されること、感染地域が限定的 であったことから、早い段階から、ウイルスの流出源が感染農場の近隣に位置するPirbrightの 研究施設であることがほぼ間違いないものとされていた。 最終の疫学調査報告においては、このウイルスが同研究施設より流出した経緯について、断定 はしていないものの、 ・ 汚染物質の不活化槽につながる排水施設が破損しており、7月下旬に同地方を襲った大雨 により排水管内のウイルスが活きたまま地表へ流出、 ・ ウイルスに汚染された土壌が、同施設より外部に出る車両のタイヤに付着して、最初に感染 が確認された農場に移動 した可能性が高いとした。     なお、同国における口蹄疫の発生は8月7日の2例目以降沈静化しており、発生農場周辺の 半径10キロメートルに設定されている監視区域についても、9月8日正午をもって解除される こととなった。 上へ
◎韓国で米国産牛肉から肋骨発見、全量を返送  【国際情報審査役 平成19年9月5日発】  韓国農林部国立獣医科学検疫院は9月4日、釜山港に到着して検疫待ちであった米国産牛肉15.5トン (1,300箱)について検疫を行ったところ、うち1箱(17.9キログラム)から、輸入が禁止されている 肋骨が発見されたと発表した。    この牛肉は、7月29日に米国で船積みされたスイフト社の製品で、8月10日に釜山に入港した。この 加工場の製品は、7月31日にも肋骨が検出され、同日付けで輸出船船籍中断措置(今回の件の船積日は 同措置以前)を受けていた。  このため、同検疫院は、8月24日の米国産牛肉の検疫中断措置解除(検疫再開は同月27日)の発表の 際に米国に通告した内容に基づき、対象となった15.5トン全量をシップバックするとともに、スイフト社 の該当加工場の韓国向け輸出承認を取り消すこととした。    ただし、8月24日の通告では、特定危険部位(SRM)が検出された場合は、該当加工場の輸出承認を 取り消すとともに、米国産牛肉の検疫を中断するとし、肋骨などについては、新しい輸入衛生条件発効 まで、該当加工場の輸出船籍を中断するとしているため、今回は米国産牛肉の検疫自体は継続される。  同検疫院は、8月1日の米国産牛肉の検疫中断後、検疫待ちとなっていた米国産牛肉6,832トンのうち、 同月27日の再開から同月末までに2,514トンの検疫が終了し、残りについても検疫を実施中であるとして いる。 上へ
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