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I 蚕糸業の概況(平成15事業年度 年報 蚕糸編)

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最終更新日:2008年12月2日

1 養蚕業の動向

平成15年度における養蚕業は、養蚕従事者の高齢化及び後継者不足による労働力事情等により、飼育中止や掃き立て規模を縮小する農家が増加したことから、養蚕農家数、掃立卵量及び収繭量とも前年に比べて大幅に減少した。
  1. 養蚕農家数は2,070戸で、前年に比べて290戸(12%)減少した。
  2. 桑栽培面積は3,840ha、桑使用面積は1,930haで、前年に比べてそれぞれ460ha(11%)、260ha(12%)減少した。
  3. 掃立卵量は2万3千箱で、前年に比べて3,000箱(12%)減少した。
  4. 箱当たり収繭量は33.2kgで、前年並みであった。
  5. 収繭量は780tで、前年に比べて100トン(11%)減少した。
  6. 1戸当たり掃立卵量は11.3箱、1戸当たり収繭量は374kgで、ともに前年並みであった。 (資料「平成15年度蚕業に関する参考統計」生産局特産振興課調)

2 製糸業の動向

平成15年度における製糸業の動向は、原料繭の大幅な減少、生糸価格の低迷により製糸設備の運転率及び生糸生産量は前年に引き続き大幅に減少した。
  1. 器械製糸工場数(15年12月末の運転工場数)は、5工場で、前年に比べて2工場減少した。
  2. 製糸設備台(釜)数(15年12月末)は446台、1日平均運転台(釜)数は260台で、運転率は58%となっており、前年に比べて製糸設備台(釜)数は144台(24%)減少、1日平均運転台(釜)数は146台(36%)減少した。
  3. 生糸生産量(15生糸年度)は4,517俵で、前年に比べて1,436俵(24%)減少した。また、生糸の繊度別割合は18中以下が0.2%、21中が7%、27中が60%、31中が21%、その他が12%となった。
  4. 製糸工場の原料繭需給(15生糸年度)は、受入数量が1,477トンと前年比23%減少し、消費数量が1,554トンと前年比21%減少した結果、期末在庫数量は448トンと前年比15%の減少となった。

3 生糸の国内需給及び価格の動向

15生糸年度の生糸需給についてみると、生産は4,517俵と前年比24%減少し、輸入は30,411俵で前年比1%減少した。
この結果、期末在庫は21,546俵と前年比20%の減少となった。内訳は、一般在庫が前年比32%増の8,955俵、機構在庫が新規用途生糸売渡事業において26件の事業に対し920俵の売渡しを実施した結果、12,591俵となった。また、生糸の国内引渡数量は33,666俵と前年比5%の減少を示した。
なお、15生糸年度の機構における外国産生糸の買入れ及び売戻しは、30,411.1俵(実需者輸入分30,411俵、一般者輸入分0.1俵)であった。
国産生糸の市場価格は、4月〜6月は1,800円台をはさむ水準で推移したが、主要な生糸の輸入先国である中国において、天候不順による桑不足や繭の安値による他作物への転換等により繭生産が著しく減少したことや輸入糸のひっ迫感の影響を受け、7月以降徐々に上昇傾向で推移し、10月下旬には3,100円台まで達した。しかしながら、その後は、需要の減少や輸入品との品質格差が縮まっていること等から、低下傾向が続き、年明け後の1月〜3月は、概ね2,800円台で推移した。