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III 砂糖類の情報関係業務及び砂糖に関する調査(平成15事業年度 年報 共通事項)

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最終更新日:2008年12月2日

1 砂糖類の情報関係業務

砂糖類に関する情報を幅広く収集、整理し、これらを関係業界、消費者等に「砂糖類情報」、ホームページ等を通じて提供した。


(1)定期情報収集整理

情報業務を実施していく上での基礎資料として、国内外の文献、業界関連資料、各種研究会報告書、貿易関係統計資料等の各種情報を収集・整理し、関係者等に提供した。a)関係図書、データ類を購入した他、b)通関統計組み替え集計プログラムにより砂糖及び加糖調製品の通関統計を分かりやすく組み替え集計し、「砂糖類情報」等を通じて関係者、消費者に提供した。


(2)砂糖の流通調査

砂糖の月別・地域別販売量、需要動向、小売価格の実態を把握するため、四半期ごとの(1)砂糖の販売量調査(37店)、(2)砂糖の需要動向調査(93店)のほか、毎月、(3)砂糖の販売価格調査(108店)を実施し、調査結果は「砂糖類情報」に速報として掲載する他、「砂糖の流通調査結果(年報)」として関係者に提供した。


(3)国内地域動向調査

国内各地域における砂糖類、代替甘味料等の需給動向、砂糖の原料作物の生産動向等を明らかにするため、事業団事務所において砂糖類及びその原料作物等の生産、流通、消費、価格の動向等についての情報を収集・整理し、「砂糖類情報」やホームページを通じて関係者、消費者に提供した。


(4)加糖調製品等実態調査

砂糖の需要を奪っている加糖調製品及び新甘味料の流通動向、砂糖への影響等を定性的・定量的に調査分析し、その実態を明らかにし、今後の砂糖の需要回復に向けた方策の検討・実施に資するため、ソルビトール調製品をはじめとする加糖調製品の日本への輸入動向、国内の流通及び需要の実態等について調査し、調査結果は「砂糖類情報」、ホームページを通じて関係者、消費者に提供した。


(5)海外研究調査

世界の砂糖需給動向、各国の砂糖需給動向、貿易統計、各国主要都市の卸売価格及び小売価格等について、LMC社(英国オックスフォード)へ調査を委託し、月別、四半期別、年度別に取りまとめ、「砂糖類情報」やホームページを通じて関係者、消費者に提供した。
また、主要国(アメリカ合衆国、オーストラリア、EU、フランス、ドイツ、イギリスキューバ、ポーランド、メキシコ、イタリア、スペイン)における砂糖の産業及び政策に係る調査を委託し、その一部について冊子に取りまとめて関係者に砂糖類情報等を通じて提供した。


(6)海外各国糖業事情調査

海外の主要な砂糖類の生産国及び消費国に関する概況を調査しており、14年度は中国韓国における砂糖産業の現状、砂糖関連政策および近年、輸入増加の著しい加糖あんの生産状況及びオーストラリアにおける糖業等について調査した。


(7)「砂糖類情報」の発行

国内及び海外の砂糖類に関する情報及び事業団が行った調査の結果等について、関係業界、消費者等に広く提供するため、「砂糖類情報」として毎月約1,400部を発行した。


(8)砂糖と食文化講座の開催

甘味資源作物、砂糖及び砂糖制度等に関する理解を深めてもらうため、消費者に対して直接的にPRする場として「砂糖と食文化講座」を全国で15回11開催した


(9)広報ビデオ、パンフレット等の制作・提供

栄養士等、一般消費者に対して栄養指導する立場にある者を対象に、生活習慣病(特に糖尿病)の人を指導するに当たって、砂糖摂取による効用、糖質の適切な摂取のあり方について紹介したビデオ及びパンフレット「栄養指導に活きる砂糖の正しい知識」を制作し、全国栄養士会、家政系短期大学及び保健センター連絡協議会等に提供した。
また、甘味資源作物生産者を対象に、てん菜栽培でのポイントを解説したパンフレット「高品質てん菜に向けて」、さとうきびの新奨励品種を紹介したポスター「新奨励品種RK91−1004の上手な作り方」、さとうきびの栽培手順を示したポスター「あなたが生かすさとうきび」を制作し、甘味資源作物栽培農家、農協等に提供した。
また、砂糖に対する誤解を払拭するため「砂糖は安心な自然食品」、砂糖の一般知識を提供する「砂糖のあれこれ〜お砂糖Q&A〜」、砂糖の効用を紹介した「やさしさとうれしさ」等のパンフレットを消費生活センター、家政系短期大学等に提供すると共に、砂糖と食文化講座、各種イベント会場等にて配布した。
その他「砂糖の種類」や「砂糖の製造工程等」等、砂糖の基礎的知識を解説したパネル及びてん菜・さとうきびの実物大模型を地方農政局「消費者の部屋」等、各種イベントにおいて展示し、広報活動に活用した。


(10)児童向け学習教材の提供

小学校高学年を対象とした、甘味資源作物や砂糖について総合的に紹介するとともに、さとうきびの栽培方法や砂糖の作り方を分かりやすく解説した児童向け学習教材「シュガー博士の研究所〜砂糖のすべてを知る〜」を、総合学習等への活用を意図し、事務所、出張所所在地の公立小学校等へ配布した。
また、「シュガー博士の研究所〜砂糖のすべてを知る〜」のWeb版を制作し、自由研究、調べ学習等で広く活用できるようホームページ上に掲載した。


(11)インターネット・ホームページによる砂糖類情報の提供

情報収集事業等において収集・整理した砂糖類に関する国内外の情報や各種調査結果等を活用し、広く消費者に提供するため、11年度から運用を開始したホームページ(砂糖類情報)のトップページを畜産、蚕糸と共に一新した。また、新たに「目で見る図書館」を加える等、利用者がより幅広く情報を活用できるよう内容の充実を図った。


(12)砂糖類関係情報検討会

砂糖類及びその原料作物の生産及び流通等に関する情報の収集、提供業務を適切に実施するため、6月3日に「砂糖類関係情報検討会議」を開催し、関係団体と幅広い意見交換を行った。


(13)地域情報交換会

各地方事務所主催により、地域における糖業、流通、行政、消費者団体並びに地域情報モニター等の幅広い分野の関係者を参集し、「消費者が持つ砂糖類に関する認識等について」を共通テーマとして討議を行い、同関係者の分野間の情報交換会を実施した。


(14)地域情報モニター

地域に潜在する砂糖関連情報や消費者の砂糖購入状況を常時的確に把握し、効率的な情報収集・提供活動に資するため、各事務所に地域情報モニターを約40名拡充し、計78名を設置した。


(15)さとうきび・甘蔗糖関係検討会

鹿児島県、沖縄県における、さとうきび生産及び甘しゃ糖産業の体質強化等を実現するため、国、両県関係者、大学関係者等、産官学を通じた幅広い関係者による検討会を実施し、さとうきび栽培及び甘しゃ糖製造の諸問題について共通認識の醸成等を図った。


(16)専門調査員調査

砂糖及び甘味資源作物の生産及び流通について、専門的かつ客観的に分析を加えて関係者に提供するため、外部の学識経験者による専門調査員を設置し、専門調査員による現地調査を実施した。


(17)さとうきび栽培実態診断調査

鹿児島・沖縄両県のさとうきび生産の減産減少傾向にある状況下、さとうきび生産の実態を調査・評価し、今後のさとうきびの生産改善を図るため、さとうきびの品種・栽培等研究者を沖縄本島北部地域、石垣島、多良間島、伊是名島及び喜界島に派遣し現地診断調査を実施した。


(18)さとうきび生産・経営構造調査

さとうきび生産振興の参考に資するため、2000年農業センサスを活用して、さとうきび生産農家の経営・構造等を分析し、1990年から2000年の間にどのように内容が変化したかをその要因とともに調査、分析した。また、その構造変化をさとうきび生産農家がどのように捉えているかを調査した。


(19)消費動向調査

今後の的確な情報提供ならびに砂糖需要の維持拡大に向けた取り組みに資するため、消費者の砂糖及びその原料作物に対する意識や加糖調製品の認知度等について調査した。


2 輸入粗糖に関する調査

事業団業務の適正な運営及び製糖業界の健全な発展に資するための基礎資料を得ることを目的として、以下の調査を行った。


(1)輸入粗糖在庫(IS)状況調査

精製糖業者及び商社等の協力を得て、月毎に倉庫承認(IS)を得た数量、直輸入申告数量(IC)及び溶糖するため売買契約した数量から総合的に粗糖の在庫状況の調査を行った。


(2)輸入粗糖価格(CIF)調査

所轄管内におけるすべての申込者の協力を得て、月毎の引取済(輸入許可等済)輸入粗糖についての原産地別数量及び輸入価格(CIF)並びに単価の調査を行った。


(3)溶糖量調査

精製糖業者等の協力を得て、月毎に粗糖の売買契約したものの中から引き取られた数量及び引き取られた数量の中から溶糖に回された数量の調査を行った。


3 砂糖の流通調査

砂糖の月別・地域別販売量の動向及び事務所所在都市における砂糖の小売価格等の動向並びに当該年度において必要とする事項の実態を把握することを目的として以下の調査を行った。


(1)販売量調査

地域別の砂糖の販売量を砂糖の全国代理店会の協力を得て調査した。

  1. 調査対象店舗は、砂糖の販売に関する代理店契約をしている者(以下「代理店」)とし、全数調査とした。
  2. 調査事項は、月別ごとの精糖、ビート糖及び液糖(実量)の地域別販売量とし、当月限の現物で特約店・実需等流通下部段階に販売された数量とした。
  3. 地区区分は、北海道・東北・関東・甲信越(山梨、長野、新潟県)・北陸(石川、富山、福井県)・東海(静岡、岐阜、愛知、三重県)・近畿・中国(山口県を除く)・四国・九州(山口県を含む)及び沖縄県である。

(2)需要動向調査

地域別の砂糖の需要動向を全国砂糖特約店協同組合連合会の協力を得て調査した。

  1. 調査対象店舗は、砂糖の特約店とした。
  2. 調査事項は、月別ごとの精糖、ビート糖、液糖、異性化糖、ソルビトール調製品及びその他の加糖調製品の地域別販売数量及び販売先別需要動向等とした。
  3. 砂糖特約店の販売状況等、必要事項を調査する。

(3)販売価格調査

小売段階の業態別・糖種別・地域別の販売価格を調査した。

  1. 調査対象は、小売店(スーパー、コンビニエンスストアー等)である。
  2. 調査方法は、当機構の事務所所在都市に所在する各店舗のうちから事務所の所在する都市の状況に応じ取扱量、地域性、調査対象店舗系列等を勘案して選定した。また、情報提供の迅速化の観点から、12月調査分から従来の毎月20日から基準日を毎月5日へ変更し、その前後5日以内に調査担当者が調査対象店舗へ出向いて調査した。