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米国農務省、トウモロコシ在庫をわずかに上方修正

　米国農務省世界農業観測ボード（USDA／WAOB）が12月10日に公表した12月の世界農産物需給推計の月次報告によると、米国における2010/11穀物年度（2010年9月～2011年8月。以下、「2010/11年度」）のトウモロコシおよび大豆の期末在庫は、前回の予測値からそれぞれ0.7％上方、10.8％下方に修正された。なお、12月は同省農業統計局（USDA／NASS）によるトウモロコシなどの生産予測が行われないため、当月の報告では穀物の生産に係る数値は更新されていない。

トウモロコシ、輸入増により在庫を上方修正

　トウモロコシの輸入見通しは、カナダが天候に恵まれ記録的な豊作となったことから前回の予測値から500万ブッシェル引き上げられた。その結果、期末在庫が500万ブッシェル上方修正されたが、2010/11年度のトウモロコシの平均生産者販売価格は前月予測値を据え置いた。今回の在庫増は、減少を予測していた市場関係者にとってはやや意外であったものの、想定内の数値であったことから、シカゴ相場のトウモロコシの先物価格の変動はほとんどなかった。

大豆、輸出増により在庫を下方修正

　大豆の輸出見通しについては、11月の記録的な輸出契約を反映して前回から2000万ブッシェル引き上げられた。その結果、期末在庫が2000万ブッシェル下方修正されたが、2010/11年度の大豆の平均生産者販売価格は、前月の予測値を据え置いた。一方、在庫は下方修正されたものの市場関係者の予測を上回ったことから、シカゴ相場の大豆の先物価格はわずかに値を下げた。

【中野　貴史平成22年12月10日発】

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