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豪州北東部の洪水で農産物出荷に悪影響

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豪州北東部で大規模な洪水が発生

 豪州北東部クイーンズランド(QLD)州では昨年11月以降続いた記録的な大雨により大規模な洪水が発生している。フランスとドイツを併せた程の面積が被害を受けたとされる今回の洪水は、1950年代以降最も広範囲にわたるとされ、これまでに約20万人の生活に影響が出た。同州では石炭産業が盛んであるが、今回の洪水で7割の鉱山が被害を受けたとされる。ブライQLD州首相は1月5日、被害額が約50億豪ドル(4250億円:1豪ドル=85円)に達するとの見込みを明らかにしており、また、同国の国内総生産(GDP)を0.25〜0.5%押し下げるとも報じられている。

洪水による農産物への影響

 QLD州は、牛肉、砂糖などの主要生産地である。また、穀物では、冬作物として小麦や大麦、夏作物として、ソルガムなどが生産されている。今回の農産物の被害状況について、現段階では公式の発表はないものの、輸送網が寸断され、肉牛や穀物の輸送が停滞している。同州の主な農産物についての報道ぶりはおおむね以下の通り。
 
○肉牛 
 浸水被害が特に大きい地域は、肉牛産業の中心地ロックハンプトンである。1月5日付けの現地紙は、現地の大手食肉パッカーの関係者の話として、道路や鉄道網の寸断や、内陸部の一部の肉牛地帯の浸水から、クリスマスから1月にかけての休業から操業を再開した後の肉牛調達に不安が生じると伝えている。
 グラスフェッド牛を取り扱う同州の食肉パッカーは、遠方から牛を調達しなければならないことから、このまま洪水の影響が継続すれば、工場の稼働開始が遅れる可能性がある。また、供給懸念から肉牛価格の上昇も見込まれる。
 
○穀物等
・冬作物
 東部諸州最大の穀物取引業者であるグレインコープは1月4日、QLD州の鉄道網が寸断され、少なくとも2週間は運行再開の見込みが立たないと発表した。同社によれば道路網も影響を受けていることから、約10万トンの小麦が輸送できず、供給懸念から国際小麦価格も上昇している。なお、同州の冬作物は、収穫時の大雨による品質低下により飼料向けが大幅に増加すると報じられている。
 
 ・夏作物
 1月6日付けの報道によると、綿花については、同州の綿花畑の約13%が洪水によって浸水した。また、作付期に当たるソルガムやヒマワリにも浸水の影響が出ている。
 
○砂糖
 洪水による被害は公表されていないが、12月22日付けのサトウキビ生産者団体ケーングロワーズのプレスリリースによると、例年にない大雨のため2010年のサトウキビの生産量は2730万トン(平年ベースでは、3200〜3500万トン)、同年の粗糖生産量は362万トン(同年450〜500万トン)と砂糖価格が記録的な高値にもかかわらず、大幅な減産が見込まれている。
【玉井 明雄 平成23年1月7日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 調査課 (担当:岡田 岬)
Tel:03-3583-8693



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