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米国農務省、2011/12年度のトウモロコシの単収を下方修正

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 米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)は9月12日、9月1日現在の全国作況調査に基づく単収予測を踏まえ、2011/12穀物年度(2011年9月〜2012年8月。以下、「年度」)における国内外の主要農作物の需給見通しを公表した。これによると、米国におけるトウモロコシの生産量は、単収を下げて下方修正された。

トウモロコシの単収は148.1、期末在庫率は5.3%に下方修正

 トウモロコシの作付面積、収穫面積は先月の値が据え置かれたものの、コーンベルト一帯で8月の暑熱と乾燥により、1エーカー当たりの収量が4.9ブッシェル引き下げられて、先月の153.0ブッシェルから148.1ブッシェルに下方修正された。これにより生産量も4億1700万ブッシェル下方修正されて124億9700万ブッシェルになると予測された。
 一方、消費量のうち飼料等向けは、供給量の縮小と価格の上昇見通しなどから2億ブッシェル下方修正され、エタノール向けはガソリン消費が減少すると見込まれて1億ブッシェル下方修正された。また、輸出はウクライナ、アルゼンチン、ブラジルの増産による輸出増大の見通しから1億ブッシェル下方修正された。この結果、総消費量の減少分より総供給量の減収分の方が大きいことから、期末在庫は4200万ブッシェル下方修正され、在庫率は先月の5.4%から5.3%に縮小した。
 生産者平均販売価格は、需給ひっ迫感のため先月の値から下値、上値を30セント引き上げて過去最高値となるブッシェル当たり6.50〜7.50ドルになると予測された。シカゴのトウモロコシの先物価格はUSDAの公表とともに15セント程度上昇した。

大豆は期末在庫を減らし価格は上方修正

 大豆の2011/12年度における作付面積、収穫面積ともに先月の値が据え置かれ、作況調査による1エーカー当たりの収量は、先月の41.4ブッシェルから41.8ブッシェルにわずかに上方修正された。この結果、大豆生産量は30億8500万ブッシェルに上方修正された。
 消費量のうち国内消費量は先月の値が据え置かれ、輸出がわずかに上方修正された。よって、総消費量はわずかに上方修正されたものの、総供給量の増加幅の方が大きく、期末在庫は1000万ブッシェル上方修正されて1億6500万ブッシェルと予測された。
 1ブッシェル当たりの生産者平均販売価格は、下値、上値を15セント引き上げて12.65〜14.65ドルになると予測された。しかしながら、シカゴの大豆の先物価格はUSDAの公表直後から25セント近く下落した。
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【中野 貴史 平成23年9月13日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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