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インド:8月の消費者物価指数を公表

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最終更新日:2011年9月27日

4カ月連続で今年最大を更新

 中央統計機構(CSO)は9月19日、8月の消費者物価指数(CPI、2010年=100)を公表した。
 CPI総合(概算)では、全国111.7、都市109.8、農村113.1となり、いずれも4カ月連続で今年最大を更新した。
 全国の食品類を品目別にみると、野菜が前月比5.0%上昇の113.4となり、食品類の中で前月に続き最大の上昇率を示した。野菜の中でも国民食生活上、必要不可欠なたまねぎについては、6月以降供給不足により価格が高騰しており、野菜のCPIを押し上げる結果となった。これを受けて、政府は国内価格の安定を図るために9月4日から最低輸出価格(MEP)を引き上げ、さらに9日には輸出禁止措置を一時的に講じた。しかし、国内価格の大幅な下落を懸念した最大産地マハーラーシュトラ州の農家などから反発を受けて、11日後の同月20日に禁輸措置を解除することとなった。関係者の間では、「10月から始まる今シーズンは豊作が見込まれ、価格が低落する可能性が高いため、今回の禁輸措置は拙速な対応であった」として、政府を非難する声もある。しかしながら、政府は現在も、たまねぎの価格変動を注視しており、引き続きMEPの調整により国内価格をコントロールするものと思われる。
 卵、魚、肉については、前月からほぼ横ばいの113.6となったが、牛乳乳製品は飼料価格などの高騰を受けて小売価格が上昇したため、前月から1.6%上昇の116.2となった。
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モンスーン期の降雨量は長期平均を4%上回る見込み

 インドの農業はほぼ天水に依存するため、年間降雨量の約70%を占めるモンスーン期の降雨が農作物の収穫を左右し、食品類価格の変動要因となりうる。インド気象庁はこのほど、今年のモンスーン期の降雨量が過去50年間の平均(長期平均)を4%上回ると予測した。シーズン前半は降雨不足により長期平均をやや下回っていたが、9月に入ってから降雨量は大幅に増加し、これに伴いシーズン終了は例年より2週間遅れる見通しである。急激な降雨量の増加は洪水や作物被害などを引き起こす恐れもあるが、一方で土壌水分が豊富となるため、冬作物の単収増加が期待され、特に大豆やとうもろこしの生産量は増加するとの見方もある。


【木下 瞬 平成23年9月27日発】
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