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米国農務省、トウモロコシの期末在庫率を上方修正、期首在庫の引き上げなどを反映

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 米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)は10月12日、10月の世界農産物需給推計の月次報告を公表した。月次報告では、9月30日に公表された9月1日時点の在庫量が反映されるとともに、USDAへの補助金申請データなどを基にトウモロコシの収穫面積が見直された。また、米国における2011/12穀物年度(2011年9月〜2012年8月。以下、「2011/12年度」)の生産量については、トウモロコシは前月の予測から0.5%、大豆は同0.8%各々下方修正された。

トウモロコシ、収穫面積は減少、単収は変わらず

 収穫面積は、アイオワ州とオハイオ州で各々10万エーカー下方修正されるなど全体で50万エーカー下方修正された。1エーカー当たりの収量については、最大生産州のアイオワ州で2ブッシェル増、2番手のイリノイ州で2ブッシェル減となるなど州によって増減が異なってはいるが、全体では前月の予測値と同じとなった。その結果、トウモロコシの生産予測量は、前月の予測(124億9700万ブッシェル)から6400万ブッシェル引き下げられ、124億3300万ブッシェル(前年度比0.1%減)になると予測されている。
 2011/12年度の期首在庫については、四半期毎の調査により9月1日時点の在庫が2億800万ブッシェル上方修正され前年を33.9%下回る11億2800万ブッシェルに修正された。期首在庫の増加により、総供給量は1億4400万ブッシェル上方修正の135億7600万ブッシェルとなった。
 また、国内消費量は、前月の予測値が据え置かれて111億1000万ブッシェル(同0.1%減)と予測されている。一方、ウクライナなどで増産が見込まれることから米国の輸出量は5000万ブッシェル下方修正された。
 供給増・消費減により期末在庫率は前月の5.3%から6.8%に上方修正された。これを受けて、生産者販売価格は上値、下値ともに前月の予測より1ブッシェル当たり0.30ドル引き下がり、6.20〜7.20ドルになると予測された。
 USDAの需給予測の供給量の下方修正などを見込んでストップ高となった前日のシカゴ先物価格は、今回の期末在庫が市場関係者の予測より上回ったことなどからUSDAの公表に合わせて15セントほど急落した。最終的には12月限は前日比4.25セント安の640.75セントで終えた。

大豆、輸出増により在庫が下方修正

 大豆の需給見通しについて、1エーカー当たりの収量は、前月の予測を0.3ブッシェル減、生産量は作付および収穫面積の減少から前月の予測(30億8500万ブッシェル)から2500万ブッシェル減により、30億6000万ブッシェル(前年度比8.1%減)と予測された。一方、国内消費量については、搾油向けは修正されていないが、種子等向けは900万ブッシェル上方修正された。輸出向けは南米の輸出が好調であることから米国の輸出減となり4000万ブッシェル下方修正されたことから、総消費量は、3100万ブッシェル下方修正された。この結果、2011/12年度の期末在庫は、前月の予測から500万ブッシェル減の1億6000万ブッシェル(同25.6%減)、在庫率も前月の5.2%から5.1%に下方修正された。これにより、生産者販売価格は、上値、下値ともに前月の予測より1ブッシェル当たり0.50ドル安い12.15〜14.15ドルと予測されている。
 USDAの需給予測の供給見通しの下方修正を見込んで60セント近く高騰した前日のシカゴ先物価格は、月次報告の大豆の期末在庫が市場関係者の予測よりやや下回ったためUSDAの公表の後も、さらに強含みで推移し、11月限は前日比4セント高の1339.50セントとなった。
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【中野 貴史 平成23年10月13日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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