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米国:2011年の食品全体の消費者物価指数を上方修正

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最終更新日:2011年10月27日

 米国農務省経済調査局(USDA/ERS)が10月25日に公表した食品の消費者物価指数(CPI)の月次見通しによると、2011年の米国食品全体のCPIは前月の予測幅の上下限をそれぞれ0.5ポイント引き上げ、前年の価格を3.5〜4.5%上昇すると上方修正した。2010年は対前年比で食料品価格はわずかな上昇となっているものの、2011年の食料品価格については燃料価格の高騰による生産コストの上昇、世界の食料需要の増大を背景とした農産物価格の高騰などが影響して上昇するとされている。
 食品の消費者物価のうち、外食を除いた家計消費全体のCPIについては、8月の予測値を0.5ポイント引き上げ、4.0〜5.0%と上方修正した。今回引き上げた主因は、果実の価格上昇である。リンゴや柑橘類の収穫の遅れなどが響き、供給不足を招いて価格が上昇するとした。その他の品目は8月の予測値が据え置かれた。
 9月のCPIについては以下の4品目が前年同月と比べ10%以上上昇している。
  ・大豆価格の高騰の影響を受けた油脂類
  ・飼料価格の高騰などが響き採卵鶏羽数が減少し減産となった卵
  ・生産者販売乳価の上昇を反映した乳製品
  ・主産地での干ばつの影響により肉用牛生産が落ち込んでいる牛肉

 2012年の食品全体のCPIについては、前月の値を据え置いて同2.5〜3.5%の上昇としている。これは2011年の上昇率と比べると低いものの、過去20年の平均をわずかながら上回ることになる。内訳では、卵が前月の予測幅の上下限を1.0ポイント下方修正して同2.5〜3.5%の上昇、一方、乳製品は前月の予測幅の上下限を0.5ポイント上方修正して同3.5〜4.5%の上昇と予測している。また、外食は同2.0〜3.0%、家計消費は同3.0〜4.0%上回ると予測されており、いずれも前月の数値が据え置かれている。
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【中野 貴史 平成23年10月27日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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