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米国農務省、トウモロコシの生産量を微増、期末在庫を微減

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 米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)は1月12日、1月の世界農産物需給推計の月次報告を公表した。米国における2011/12穀物年度(2011年9月〜2012年8月。以下、「2011/12年度」)のトウモロコシおよび大豆の生産量は、前月の値からトウモロコシが4800万ブッシェル、大豆が1000万ブッシェルともに上方修正され、期末在庫は、トウモロコシが200万ブッシェル減、大豆が4500万ブッシェル増とされた。

トウモロコシ、期末在庫をわずかに下方修正

 トウモロコシの生産指標についてみると、前月の値から収穫面積が4万5千エーカー、単収が1エーカー当たり50万ブッシェル上方修正され、国内生産量は4800万ブッシェル引き上げられた。一方、消費については、国内消費が前月の値に据え置かれたものの、輸出は堅調な伸びを反映して5000万ブッシェル上方修正された。その結果、期末在庫は200万ブッシェル下方修正されたが、生産者平均販売価格は前月の値から上値、下値ともに1ブッシェル当たり20セント下方修正されて5.70〜6.70セントとされた。
 トウモロコシのシカゴ先物相場の期近もの(3月限)は、1月は南米の天候不安を受けて1ブッシェル当たり640から660セントの間の高値で推移していた。市場関係者の多くは、生産減で期末在庫は1億ブッシェルほど減少すると予測していたが、USDAの月次報告では生産は逆に増加し、期末在庫は200万ブッシェル程度の減少に留まったことから、1月12日の終値はストップ安の611セントとなった。

大豆、期末在庫を大幅に上方修正

 大豆の生産指標についてみると、前月の値から収穫面積を10万ブッシェル下方修正されたものの、単収が20万ブッシェル上方修正されて、国内生産量は1000万ブッシェル増となった。一方、消費については、搾油向けが9〜11月の実績が少なかったことから1000万ブッシェル下方修正されたことに加え、輸出向け大豆油の需給緩和見込みなどから、前月の値より2500万ブッシェル引き下げられた。この結果、期末在庫は4500万ブッシェル上方修正された。2011/12年度の大豆の生産者平均販売価格は、前月の値から1ブッシェル当たり上値を25セント下げ、下値を25セント上げて10.95〜12.45セントとされた。
 期末在庫が市場関係者の減少予測とは逆に上方修正されたことから、1月12日のシカゴ相場の大豆先物価格(3月限)は前日比20セント安の1182セントで引けた。
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【中野 貴史 平成24年1月13日発】
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