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FAO: 世界の食料価格指数は、2009年10月以来はじめて前年同月を下回る

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最終更新日:2012年1月16日

 国連食糧農業機関(FAO)が1月12日に発表した12月の食料価格指数(注)は、前月(修正後)から5.1ポイント、2.4%下回る211.0ポイントとなった(図1)。同指数は、2009年10月以来はじめて前年同月を下回ったものの、依然として高い水準にある。

前月からわずかに上昇した牛乳・乳製品を除き、砂糖、穀物、油脂および食肉は低下

 FAOの発表によると、低下した4品目のうち最も大きく下げたのは砂糖で、インド、ヨーロッパ、タイおよびロシア連邦での生産増により、前月(修正後)から13.0ポイント低下して326.9ポイントとなった(図2)。
 次いで穀物は、前月(修正後)から11.0ポイント低下して217.8ポイントとなった。これはトウモロコシをはじめとする世界の穀物の生産増が見込まれることに加え、ヨーロッパ発の経済不安による需要減などが要因と考えられる。
 また、油脂は、植物油(特にパーム油およびひまわり油)の堅調な生産が在庫量の増加につながったことから、前月から7.3ポイント低下して227.5ポイントとなった。
 食肉は、前月(修正後)からわずかに0.8ポイント低下の179.3ポイントとなった。これは主に豚肉価格の下落に起因するものとされており、EUの12月の豚肉卸売価格が高値だった11月と比べ若干弱含んでいることが一つの要因と考えられる(図3)。
 一方、牛乳・乳製品は、バターを除く乳製品がわずかに上昇し、前月から0.7ポイント上昇の201.7ポイントとなった。

 また、FAOのシニア穀物エコノミストは、「ここ数か月においては、多くの食料の国際価格が低下しているが、世界経済や為替、エネルギー市場の今後の見通しが予測できない状況にあるため、今後の価格の動向を明確に予測するのは難しい。」とコメントしている。

 注:FAOの食料価格指数(Food Price Index)は、穀物、油脂、牛乳・乳製品、砂糖および食肉の国際価格について、2002〜2004年を100とし、食品全体の平均価格を指数化したものである。
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【前田 絵梨 平成24年1月16日発】
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