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FAO: 世界の食料価格指数は、前月とほぼ変わらず

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最終更新日:2012年4月9日

 国連食糧農業機関(FAO)が4月5日に発表した3月の食料価格指数(注)は、前月から0.5ポイント、0.2%上回る215.9ポイントとなり、前月とほぼ変わらない水準となった(図1)。同指数は、2011年11月以降、前年同月を下回って推移しているが、依然として高い水準にある。

油脂の指数の上昇を牛乳・乳製品の低下が相殺

 FAOの発表によると、穀物、砂糖および食肉が前月並みの水準で推移するなか、油脂は前月から上昇したものの、乳製品が低下したため、全体としては前月並の水準となった。
 油脂は、前月から6.2ポイント上昇して245ポイントとなった(図2)。パーム油の生産量が引き続き伸び悩んでいることに加え、菜種油の生産量も減産傾向にあることや、大豆油の輸出余力に制限があることが要因として考えられる。
 牛乳・乳製品は、2011年3月に高い指数を記録して以降、オセアニア、ヨーロッパおよび北米地域の供給量増加により、前月から5.1ポイント低下して2010年8月以来の低指数となる197ポイントとなった(図3)。特に、バター、脱脂粉乳およびカゼインの低下が顕著である。
 穀物は前月と同水準であり、227ポイントとなった。小麦は供給量が十分であるため需給は引き続き緩んでいるものの、コメは中国及びナイジェリアの買いが入ったことにより価格が回復傾向にある。
 また、食肉は、前月並みの178ポイントとなった。高止まりが続く牛肉価格はわずかに上昇したものの、鶏肉は需要の伸び悩みにより過剰感がある。
 不安定な価格変動が続く砂糖は、前月同の342ポイントとなった。世界最大の砂糖生産及び輸出国であるブラジルが4月より収穫シーズンに入るため、市場は様子見の段階にある。

 注:FAOの食料価格指数(Food Price Index)は、穀物、油脂、牛乳・乳製品、砂糖および食肉の国際価格について、2002〜2004年を100とし、食品全体の平均価格を指数化したものである。
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【柴ア 由佳 平成24年4月9日発】
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