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ブラジル、2011/12年度のトウモロコシ生産量は記録更新の一方、大豆は減産の見通し

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 ブラジル食糧供給公社(CONAB)は6月5日、2011/12年度(10月〜翌9月)の主要穀物生産動向調査報告(第9回)を発表。生産量は、トウモロコシが前年度比18.1%増の6779万3800トンと過去最高が予測される一方、大豆は同11.9%減の6636万5800トンと予測された。前回(5月10日発表)に引き続きトウモロコシは上方修正されたものの、大豆はわずかに下方修正に転じた。
 (参考)ブラジル、2011/12年度産のトウモロコシ、大豆の生産量予測をともに上方修正

トウモロコシ:第2期作が前年度比53.1%増

 2011/12年度産トウモロコシについて、作付面積は前年度比9.5%増の1512万3700ヘクタール、単収は同7.8%増の 1ヘクタール当たり4.5トン、生産量は同18.1%増の6779万3800トンと予測された。
 ブラジルでは、トウモロコシの栽培は第 1 期作(夏作)と大豆の裏作として生産される第 2 期作(冬作)の年 2 回行われる。
 第1期作については、南部などの主要生産地域で収穫が終了しており、ブラジル全体の生産量は前月の3592万5900トンから下方修正され、前年度比2.9%減の3489万5700トンと見込まれている。収穫が進んでいる北部・北東部において、干ばつの被害により前月予測値の853万トンが517万7000トンへと大幅に引き下げられたことが下方修正の一因である。
 第2期作については、好調な価格などを踏まえ、生産者の作付意欲が高まった結果、作付面積は同22.0%増の718万7600ヘクタールと大幅に拡大した。さらに、生産技術の進歩や生産に適した天候であったことにより、単収が前月の1ヘクタール当たり4.2トンから4.6トンと大幅に上方修正された。これらを受け、生産量は同53.1%増の3289万8000トンと予測された。
 今後、第2期作の主要生産州であるマットグロッソ州やパラナ州の天候によっては、現在の予測値はさらに上方修正される可能性がある。
 
 

大豆: 収穫はほぼ終了

 2011/12年度産大豆について、作付面積は前年度比3.5%増の2503万7500ヘクタール、単収は同14.9%減の1ヘクタール当たり2.7トン、生産量は同11.9%減の6636万5800トンと予測された。
 北部・北東部を除いて、大豆の収穫はほぼ終了している。昨年度の生産量でブラジル全体の約4割占めた南部では、2011年のラニーニャによる降雨不足によって、同35.1%減と大幅な減産となり、今年度は3割弱に留まる見通し。さらに、北部・北東部の主要生産州であるバイア州では、作付面積は同6.6%増の111万2800ヘクタールとなるものの、降雨の不足から単収が同14.9%減と前月より下方修正された。
 

(参考)アルゼンチンはトウモロコシと大豆共に予測を下方修正

 アルゼンチンの2011/12年度の穀物主生産もブラジル同様に、干ばつの被害を受けた。さらに高温などの影響により、ブエノスアイレス穀物取引所の生産量予測はトウモロコシと大豆共に下方修正され、トウモロコシは前年度比14.3%減の1930万トン、大豆は同19.0%減の3990万トンとされた。
 6月4日時点で、トウモロコシはは種面積の61.7%、大豆は92.8%で収穫が終了している。
【岡 千晴 平成24年6月8日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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