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FAO:世界の食料価格指数は、高水準で推移(8月)

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最終更新日:2012年9月12日

 国連食糧農業機関(FAO)が9月6日に発表した8月の食料価格指数(注)は、前月(修正後)からほぼ変わらず212.6ポイントとなった(図1)。これは、70年来とも言われる米国の深刻な干ばつにより、トウモロコシをはじめとする穀物価格が過去最高であった2008年に迫る水準で高止まっていることが主な要因となっている。

砂糖で大幅な低下の一方、食肉および牛乳・乳製品は上昇、穀物は高止まり

 FAOの発表によると、上り幅が最も大きいのは食肉で、前月(修正後)から3.7ポイント上昇の170.3ポイントとなった。主要品目(牛肉、豚肉、鶏肉、羊肉)すべての価格が前月を下回った7月から一転、8月はすべてで価格上昇が見られた。なお、生産費に占める配合飼料費割合が高い養豚や養鶏は、穀物価格高騰の影響を受け安く、今後も豚肉や鶏肉を中心に食肉の価格上昇が懸念される(図2)。
 次いで、牛乳・乳製品は、脱脂粉乳やバターなどの価格上昇により、前月から2.7ポイント上昇の175.6ポイントとなった。これらの価格上昇の背景には、穀物価格高騰による飼料価格上昇の影響がある。飼料コストの上昇から米国の生乳生産が落ち込み、需給ひっ迫につながる懸念があることから、乳製品の国際価格は上昇傾向で推移している(図3)。
 一方、砂糖は、世界最大の輸出国であるブラジルの天候の回復と、降雨不足にあったインドで降雨があったことから、サトウキビ生産への天候の影響懸念が回復し、前月から27.7ポイント低下し324.3ポイントとなった。
 穀物および油脂は前月からほぼ変わらず、穀物は260.3ポイント、油脂は226.0ポイントとなった。干ばつ状況下にある米国のトウモロコシ地帯で降があったこと、干ばつに見舞われたことから小麦の生産見通しが悪化したもののロシア政府が輸出規制を行わない旨発表したことなどから、穀物は前月(修正後)からわずかに上昇するにとどまった。

バイオ燃料政策の見直しを含む共同声明を発表

 FAOと国連世界食糧計画(WFP)、国際農業開発基金(IFAD)は9月4日、穀物価格高騰により、2007〜2008年に発生したような食糧危機を繰り返さないためには世界が迅速に協調し合うことが必要であるとする共同声明を発表し、各国が食料の衝動的な買占めや輸出規制を行ってはならないとした。
 FAOなどは、食料需給について世界は長短期的な2つの解決すべき課題を抱えているとした。ひとつは、食料を輸入に依存する国や貧困国に大きな影響を与える食料価格の高騰という緊急的な課題であり、もうひとつは、食料をどの様に生産し、交易を行い、消費していくかという長期的な課題であるとした。そして、これらの最も重要な対処方法は、多くの場合食料増産の潜在力を有する貧困な食料輸入国において持続可能な食料生産を行うことだとし、また、貧困層が価格高騰時にも食料を確保できるようにするための支援を含めた、農業と社会的保護への一層の投資が必要であるとした。
 また、今回の共同声明では、穀物のバイオ燃料生産への利用についても触れられており、FAO、IFAD、国際通貨基金(IMF)、経済協力開発機構(OECD)、国連貿易開発会議(UNCTAD)、WFP、世界銀行などの国際機関が2011年に開催されたG20パリサミットにて共同で行った勧告(食料供給に不安がある場合にあっては、バイオ燃料生産の義務付けに関する決まりを調整するよう求めたもの)は現在も有効である旨が示された。

 注1:FAOの食料価格指数(Food Price Index)は、穀物、油脂、牛乳・乳製品、砂糖および食肉の国際価格について、2002〜2004年を100とし、食品全体の平均価格を指数化したものである。
 注2:FAOの公表では食料価格指数の変動要因が明らかにされていない場合もあることから、当機構の分析を適宜追加している。
図1
図2
図3
【平成24年9月12日発 前田絵梨】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-4398



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