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FAO:世界の食料価格指数は、前月からわずかに低下も高水準で推移(10月)

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最終更新日:2012年11月16日

 国連食糧農業機関(FAO)が11月8日に発表した10月の食料価格指数(注)は、前月(修正後)を2.0ポイント、0.9%下回る213.5ポイントとなった(図1)。食料価格指数を品目別に見ると、牛乳・乳製品および砂糖の上昇を、油脂および穀物の低下が相殺している。

油脂および穀物は低下、牛乳・乳製品および砂糖は上昇

 FAOの発表によると、下がり幅が最も大きいのは油脂で、前月から18.3ポイント低下の206.4ポイントとなり、過去2年間で最も低い水準となった。これは、東南アジアのパーム油生産が好調である一方、国際需要が弱含んでいることによる(図2)。

 次いで穀物は、依然高い水準であるものの小麦およびトウモロコシの低下により、前年から3.1ポイント低下の259.4ポイントとなった。小麦の低下は貿易活動の弱まりによるもので、トウモロコシの低下は価格高騰による畜産業および工業界の需要の減少によるものと考えられる。またFAOは、2012/13年度の世界の穀物生産量は前年度を2.7%下回り、これにより期末在庫も前年度水準から2500万トン減少すると予想している。

 一方の牛乳・乳製品は、前月から6.3ポイント上昇の194.0ポイントとなった。年末に向け乳製品の国際需要が高まっていることもあり、指数のベースとなる乳製品(バター、脱脂粉乳、全粉乳、チーズ、カゼイン)すべてで価格上昇が見られた。(図3)。

 次いで砂糖は、前月を4.5ポイント上回る288.2ポイントとなった。これは、世界最大の輸出国であるブラジルにおいてサトウキビの収穫ペースが回復したものの、依然として前年度の生産量を下回っていることから、短期的に輸出量の減少が懸念されたことによるものと考えられる。

 なお、食肉は、前月(修正後)と同水準の174.3ポイントとなった。

注1:FAOの食料価格指数(Food Price Index)は、穀物、油脂、牛乳・乳製品、砂糖および食肉の国際価格について、2002〜2004年を100とし、食品全体の平均価格を指数化したものである。
注2:FAOの公表では食料価格指数の変動要因が明らかにされていない場合もあることから、当機構の分析を適宜追加している。
図1
図2
図3
【平成24年11月16日発 前田絵梨】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-4398