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2013CAP(共通農業政策:Common Agricultural Policy)改革−主な内容−

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欧州委員会、欧州議会、欧州理事会は、2011年10月に欧州委員会から提出されたCAP改革案を基に、共通農業政策における基本的な4つの規則、(1)直接支払、(2)単一共通市場(Single Common Market Organization)、(3)農村開発、(4)CAPにかかる横断的規則である資金、管理およびモニタリングに関し検討が行われ、6月26日に政策的合意に至った。
主な合意内容は以下のとおり。

1.直接支払(Direct Payments)

より公平な支援配分を実現するため、「歴史モデル(既得権により、受領していた額を基に配分決定をするもの)」は廃止する。これは、加盟国間の平準化のみならず一国の中の平準化にもつながる。さらに、緑化支払(Greening Payment:直接支払のうち30%が持続可能な農業活動へ支払われる)の導入は、将来、環境保護上の公共的な財産として、農業が価値あるものと位置付けられる布石になる。また、全ての支払は、特定の環境規則や横断的に定められているクロスコンプライアンスを引き続き尊重する。

基本支払制度(BPS : Basic Payment Scheme)

加盟国は、新たな基本支払制度に対して直接支払の70%を充てる。それ以外は、条件不利地域、小規模生産者、新規生産者などカップル支払(特定の生産に対する助成)に充てられる。

国内の支払単価の平準化(Internal Convergence)

現在、歴史モデルによって補助金を配分している加盟国は、2019年までに単一面積支払への移行を促進しなくてはならない。

青年農業者(Young Farmers)

世代交代を奨励するため、基本支払は、40歳以下の若い新規就農者または生産者に対して、就農後5年は25%の追加補助を行う。

「カップル支払」(”Coupled” option)

特定の生産に対して、カップル支払を可能とする。現在、カップル支払を行っている加盟国は、国の予算の8%までを充てることができる。また、現在5%以上の予算をカップル支払に充てている加盟国は、13%まで増加することができる。加えて、たんぱく質穀物については、2%まで新たにカップル支払を可能とする。

自然的制約地域(ANCs: Areas with Natural Constraints)、条件不利地域(LFAs : Less Favoured Areas)

加盟国は、任意により国の予算の5%までを自然的制約地域、条件不利地域に対し、追加補助することができる。

緑化(Greening)

生産者は、基本支払に加えて、特定の環境配慮もしくは気候変動に対応した活動を実施することにより、面積当たりの補助を受けることができる。加盟国は、この緑化に対して、国の予算のおよそ30%を充当する。これは義務であり、緑化要件を侵害した場合、緑化支払額を超えた罰金を徴収することができる。
主な基本的手法は以下の3通り。
(1) 永年牧草地の維持
(2) 作物の多様化(10ヘクタールを超える耕地を保有している場合、少なくとも2種類以上の作物の栽培が必要であり、30ヘクタールを超える場合は、3種類以上の作物を栽培する必要がある。また、主要作物の作付は最大でも耕地面積の75%までであり、2種類の主要作物を栽培する場合は、最大95%まで作付が可能。)
(3) 永年草地を除いた耕地面積が15ヘクタール以上の農家は、保有する耕地面積の少なくとも5%を「生態学的重要地域」として維持する。例えば、緩衝地帯、垣根、木、休耕地、地形維持、生物生息空間(Biotopes)、植林地等がそれに当たる。5%という割合は、2017年に欧州委員会による報告と立法提案により7%まで引き上げられる。

緑化の等価(Greening Equivalency)

現在、既に実施されている環境保護および持続可能性に対する活動が、新たな施策によって不利益を被らないよう「緑化等価」システムを構築する。これにより現行の規準は移行される。また、新たな緑化対策による補助と既存のクロスコンプライアンスによる補助とが、二重の補助とならないようにする。

アクティブファーマー(活動生産者)(Active Farmer)

直接支払の受益権を厳格化し、農業を主要収入源としている「Active Farmer」に対してのみ支払うことを法で定める。

受給対象となる面積(Eligible hectares)

認定する土地面積は、2014年を新たな基準年と設定するが、投機を避けるため2013年に直接支払を受けた受益者と一致している必要がある。

2.市場管理措置

2015年に生乳クオータ制度を廃止し、2017年9月30日に砂糖クオータ制度を廃止する。
また、その他の市場措置については、世界市場におけるEU農産物の価格競争力の必要性を踏まえて、より市場志向性を高めるとともに、生産者に対してはより効果的に機能するセーフティネットを提供する。現在、導入している公的介入および民間在庫補助制度は、より反応性が高く、また効率的に機能するものに改正する。乳製品については、生産者の交渉力を強化した2012年「ミルクパッケージ」の枠組みに組み込まれる。
学校給食用果実供給事業(School Fruit Scheme)および学校給食用牛乳供給事業(School milk scheme)は延長し、年間予算は9000万ユーロから1億5000万ユーロへと引き上げる。

3.農村開発(Rural Development)

農村開発については、現在の概念を維持する。加盟国もしくは地域は、引き続き独自の農村地域のニーズに応じて、補助対象のメニューの下で多年次プログラムの設計を行う。
これらは、6つの「優先項目(priorities)」と「焦点領域(sub-priorities)」により実施する。
6つの優先項目は、(1)知識移転と革新の育成、(2)あらゆる農業の競争力と森林の持続可能性管理の強化、(3)加工業を含めたフードチェーン組織、マーケティングおよびリスク管理の推進、(4)自然保護地域の復元および生態系強化、(5)資源効率および低炭素経済への移行促進、(6)社会参加、農村地域の貧困削減および経済発展の推進である。

4.追加要素

移行措置(Transitional arrangements):全ての新たな規則は、2014年1月1日から発行する。しかし、直接支払については、施行準備期間が必要なため、2015年からの適用とする。同様に、多年次農村開発プログラムについても、翌年からの開始することとする。
2013CAP
原文:http://europa.eu/rapid/press-release_MEMO-13-621_en.htm
【矢野 麻未子 平成25年7月8日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際グループ)
Tel:03-3583-9805



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