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豪州の肉牛経営動向、北部と南部で明暗

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 豪州農業資源経済科学局(ABARES)は2015年8月、豪州の肉牛経営動向に関する調査結果を公表した。同調査は豪州の北部と南部に分けて調査を行っており、以下、地域ごとの調査結果について報告する。なお、同調査における豪州北部と南部の定義とその特徴は、下表のとおりである。
表

北部の肉牛経営、現金所得は大幅に増加したものの、厳しい経営状態が継続

 2014/15年度の北部の肉牛経営の現金収入は、46万6000豪ドル(前年度比16.4%増)と前年度を大幅に上回った(図1)。これは、北部を中心とした干ばつによると畜頭数および生体牛輸出頭数の増加に加え、肉牛の販売価格の上昇が影響している。一方、現金支出は、31万9000豪ドル(同0.2%減)と前年度並みとなった。干ばつに伴う飼料購入増加のため、前年度に引き続き飼料費は高水準となっている一方、厳しい気象環境を反映して、肉牛購入費が減少した上、燃料価格と金利の低下により燃料費および支払利子が減少している。これらの結果、現金所得(現金収入−現金支出)は、14万8000豪ドル(同98.1%増)と2倍近く増加している。
 しかしながら、2014/15年度の農業経営収益(注)を見ると、前年度から大幅に回復したものの、依然として1万9000豪ドルの赤字となっている。これは、過去2年の干ばつに伴うと畜頭数および生体牛輸出頭数の増加に伴う飼養頭数の減少により、肉牛経営の資産額が減少しているためであり、過去10年の平均と比較しても大幅に下回っている。以上から、北部では、短期的には出荷頭数の増加により現金所得が大幅に増加したものの、長期的には飼養頭数の減少により厳しい経営状態が続くとみられている。


注:農業経営収益は、現金所得から、減価償却費および家族労働費を差し引き、資産評価額の変動を加味したもの。現金所得は短期的な経営動向の指標であり、農業経営収益は、長期的な収益性の指標となっている。

図1

南部の肉牛経営、現金所得増加に伴い、収益性は大幅に改善

 2014/15年度の南部の肉牛経営の現金収入は、34万豪ドル(前年度比1.3%増)と前年度をわずかに上回った(図2)。と畜頭数の増加と肉牛価格の上昇により、肉牛販売額は増加したものの、複合経営体における穀物や羊の販売額が減少した結果、わずかな増加にとどまっている。一方、現金支出は、23万1000豪ドル(同7.1%減)と前年度をかなりの程度下回った。これは、燃料費、支払利子などの減少が影響している。これらの結果、現金所得(現金収入−現金支出)は、7万4000豪ドル(同71.7%増)と、北部と同様に大幅に増加している。
 一方、2014/15年度の農業経営収益を見ると、1万2000豪ドルの黒字となっている。北部では、現金所得の増加よりも飼養頭数減少による資産額の減少の影響が強く見られたものの、南部では、干ばつに伴う飼養頭数の減少が比較的小さかったため、現金所得増加の効果が強く表れ、北部とは対照的に農業経営収益は、過去10年の平均を大幅に上回っている。このため、南部では現金所得の増加に伴い収益性も黒字に転換しており、北部に比べ長期的に安定的な収益の確保が見込まれている。
図2
【根本 悠 平成27年8月14日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-9806



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