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豪州の砂糖生産・輸出見通し、2016/17年度以降も増加

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最終更新日:2016年3月10日

 豪州農業資源経済科学局(ABARES)は2016年3月1日、最新の農産物生産見通しを発表し、2016/17年度(7月〜翌6月)および中長期的な砂糖生産・輸出の見通しを公表した。
 これによると、2016/17年度のサトウキビ収穫面積は39万8000ヘクタール(前年度比1.3%増)、生産量は3383万トン(同2.2%増)と、わずかな増加が見込まれる(図1)。
 ABARESは、このサトウキビ増産の背景を、以下の通り説明している。
 まず、新興国での旺盛な砂糖消費の継続により、世界の砂糖在庫量が減少するという見込みから、2016/17年度の砂糖の国際価格が上昇すると予測している。これにより、国内サトウキビ価格が上昇するため栽培面積が拡大し、生産量が増加するとしている。
 サトウキビの増産に伴い、砂糖生産量は508万トン(粗糖換算(以下、砂糖に係る数量は粗糖換算)、前年度比5.5%増)とやや増加が見込まれる。砂糖輸出量は、国際価格の上昇と豪ドル安が進行するとの予測から、400万トン(同4.0%増)と、やや増加が見込まれる(表1)。
 また、2020/21年度までの中長期的な見通しについては、2020/21年度のサトウキビ収穫面積は41万3000ヘクタール(2016/17年度比3.6%増)に拡大し、サトウキビ生産量は3600万トン(同6.0%増)とかなりの増加が見込まれる。ただし、サトウキビ栽培に適する地域が限られるため、栽培地域の拡大には、現在他用途に使用されている土地を転用せざるを得ないとしている。
 砂糖生産量は2020/21年度まで毎年1%程度増加し、539万トン(2016/17年度比5.7%増)、砂糖輸出量は438万トン(同8.6%増)が見込まれる。
図
表1
 また、ABARESは世界の砂糖需給見通しも公表している。
 これによると、2016/17年度の世界の砂糖生産量は、主に、EU、中国、ブラジル、インドでの増産により、1億8290万トン(前年度比3.2%増)とやや増加が見込まれる(表2)。中国、インド、ブラジルなどでの所得向上や人口増加に伴い、消費量は1億8745万トン(同2.1%増)とわずかな増加が見込まれる。輸出量は、7243万トン(同8.9%増)と、かなりの増加が見込まれる。消費量の増加に伴い、在庫量は6697万トン(同6.6%減)と、かなりの減少が見込まれる。
 中長期的な見通しとしては、世界の砂糖生産量は、毎年2%程度増加し、2020/21年度には1億9603万トン(2016/17年度比6.7%増)に達する見込みである。これは、ブラジル、インド、中国、タイ、メキシコ、豪州、パキスタンなどの主要生産国で、国際砂糖価格の上昇に伴う栽培面積の拡大および単収の向上が予想されることによる。消費量は、特にインド、中国、ブラジル、インドネシアで、人口と所得の増加により業務用需要が高まるとの予測から、1億9685万トン(同4.8%増)と見込まれる。輸出量は、特にブラジル、タイ、豪州、メキシコ、インドで増加が予想され、7976万トン(同9.2%増)とかなりの増加が見込まれる。在庫量は、消費量が生産量を上回る状況が続き、5503万トン(同21.7%減)と、史上最低の在庫率水準まで減少することが予想されている。
表2
【丸吉 裕子 平成28年3月10日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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