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台湾の主要野菜生産県、グローバルGAPとの提携を発表

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最終更新日:2016年5月27日

 5月17日、台湾南部の主要野菜生産県である嘉義県は、国際的な農産物認証を行う非営利団体、グローバルGAP(注)との間で、同団体が定めるグローバルGAP認証取得に向けた覚書を結んだことを発表した。これは、台湾の地方自治体では初の取り組みである。
 
 同県は、「嘉義県では、農業資源の管理、食品安全性への取り組み、「農民学院」という教育機関における農業技術や法規制などの知識の普及を開始している。」と、直近の取り組みを強調するとともに、今回の覚書について、「国際的な基準に則った農産物の統一的な品質基準を確立し、認証を行うことで、安全な食料を供給し、リスクを低減することが目的である。この目的達成に向けて、「ローカルGAP」という小規模農家の発展を支援するプログラムの実施や、専門の農場コンサルタントを通じて認証取得のための支援を行う。」としている。さらに、同認証取得による将来的な効果として、「グローバルGAPの生産基準を満たすことで、嘉義県の農産物は、国際的な基準を満たすことになる。」と、期待を表明している。
 
 台湾は、日本にとって主要な野菜輸入先の一つであり、日本が輸入するえだまめの約4割、レタスの約7割は台湾産である。今回、グローバルGAPとの提携を発表した嘉義県のえだまめやレタスの生産量は、それほど多くないものの、今回の取り組みをきっかけに、隣接する最大の野菜生産県である雲林県や、えだまめの最大の生産県である屏東県でも同様の取り組みが広がれば、将来的には、グローバルGAPを前面に押し出し、台湾産野菜の対日輸出が活発化することも予想される。
 

注:グローバルGAP
 ドイツに拠点を構える非営利団体。1997年、小売業者の団体が、食品安全問題をきっかけに、安全な農産物の生産を目指し、欧州の大手スーパーマーケットなどが独自に策定していた食品安全規格を標準化したことがはじまり。当初はEUREP-GAP(欧州GAP)と呼称されていたが、参加会員の世界的な広がりに合わせて、グローバルGAPと改称。現在、世界80カ国以上、10万件を超える認証件数。
グローバルGAPは、「食品安全」、「労働安全」、「環境保全」、「生態系の維持」の実践を通して「食の安全と農産物の持続可能な生産」を実現するため、共通の規格とツールを開発。農産物生産における安全管理の向上により、円滑な農産物取引環境の構築、農産物事故の低減を目的としている。
(農林水産省およびGLOBAL G.A.P.協議会HPより要約引用。)

 
参考図1 嘉義県および主要野菜生産地域の位置
図1
          資料:機構作成


参考図2 台湾の地域別野菜生産量(2014年)
図2
     資料:台湾行政院農業委員会「農業統計年報」


【根本 悠 平成28年5月27日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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