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タイ政府、キャッサバ価格引き上げのための支援策の進捗状況を発表

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最終更新日:2017年1月16日

 現地報道(バンコク・ポスト)によると、タイ政府は、キャッサバ取引価格の引き上げのための支援策(注)の進捗状況について発表した。
 

(注)支援策の概要については、既報「タイ政府、キャッサバ価格引き上げのための支援策を発表」を参照。

エタノール製造協会、キャッサバの最低取引価格に合意

 昨年12月の現地報道によると、タイのエタノール製造協会とタピオカ生産者連合は2016年12月、先に政府が定めた最低取引価格である1キログラム当たり1.9バーツ(5.7円)を取引価格とした、1日当たり1万トンのキャッサバの売買契約に合意した。これにより、大量のキャッサバが市場に出回る1月を控え、政府、生産者、エタノール製造企業が共同でキャッサバ価格低迷に対処する形となった。
 また、同報道によると、タイ商務省は、工業部門からのキャッサバの需要は高まっている一方、良質なキャッサバの供給は不足しているとしている。これは、ほとんどのタイの生産者は、機械による選別作業などを行わないことから、キャッサバに不純物が混入するためとしており、キャッサバの取引価格が相対的に安い一因にもなっている。このため、同省は、タイ農業協同組合銀行による選別用機械の購入に対する融資として、総額15億バーツ(45億円)を措置している。

タイ政府、輸出時の最低在庫保持を改めて通知

 1月10日の現地報道によると、タイ政府は先に発表した、輸出時の最低在庫保持の措置について、改めて通知した。これは、タピオカ製品を輸出する1カ月前の時点で、輸出予定量の1.5倍の在庫保持(輸出後に輸出量の50%相当が在庫として残ることとなる)を義務付けるものである。タイ商務省によると、この措置によって、需要が生み出されることで、キャッサバ価格のさらなる低下を防ぐことが期待されている。
 なお、同報道によると、2016年1〜11月のタピオカ製品の輸出量は1010万トン(前年同期比5.1%減)、輸出額は27億ドル(3159億円、同17.4%減)と、ともに前年同期を下回っており、特に価格下落に伴う輸出額の減少が顕著となっている。


【根本 悠 平成29年1月16日発】
 
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