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2017/18年度主要穀物の生産状況等の調査結果(第4回)を公表(ブラジル)

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 ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は1月11日、2017/18年度(10月〜翌9月)第4回目となる主要穀物の生産状況等調査結果を公表した。当該調査は、春植えの夏期作物(大豆、第1期作トウモロコシなど)と、秋植えの冬期作物(第2期作トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦など)の生産予測を毎月公表するものである。今回の報告では、第1期作トウモロコシと大豆の播種が多くの地域で終了したとしている。
 これによると、主要穀物の作付面積は前年度をわずかに上回るが、生産量はやや下回ると見込まれた(表1)。トウモロコシの生産量は、前年度の価格が記録的な豊作で大幅に下落したことから、第1期作を中心に前年度を下回るとみられている(図)。また、大豆についても、単収の低下により前年度をやや下回るとしている。
表1

トウモロコシ生産量、好調の前年度からの減産を見込む

第1期作、前年度比17.3%減

 第1期作トウモロコシの生産量は、前年度比17.3%減の2518万トンを見込んでいる(表2)。前年度の記録的な豊作によりトウモロコシ価格が下落したことで、作付を大豆にシフトした生産者が増えたことが主な要因と見られている。
 主要生産州(上位5州)のうち、パラナ州では、トウモロコシ価格の下落による生産者の作付意欲の減退に加え、12月下旬以降の高温および少雨の懸念により、作付面積は前年度比34.4%減、生産量は同38.2%減と共に大幅な減少が見込まれている。
表2
 今回の報告では、いまだ作付面積の予測は行われておらず、前年度並みに仮置きされている。単収の増減のみで予測されている。今後、春植えの夏期作物(大豆、トウモロコシ)の生産状況を受け、徐々に生産見通しが公表されることとなる。
表3

マトピバ地域の生産は横ばい

 CONABは、北東部に位置する新興農業開発地域のマトピバ地域におけるトウモロコシ生産量を前年度比0.3%減の620万トンとほぼ横ばいで見込んでいる(表4)。マトピバ地域の最大生産州であるバイーア州では、北部地域における単収が前年度を上回るため、前年度比7.0%増の予測となっている。
表4
参考1

大豆の作付面積は前年度を上回る予測

 大豆生産量は、良好な気候により記録的な豊作となった前年度に比べ、3.2%減の1億1044万トンと見込まれている(表5)。  主要生産州(上位5州)のうち、リオグランデドスル州では、12月の降雨不足により、一部地域で播種の遅れの発生が報告されており、今後の生育状況が懸念されている。
表5

マトピバ地域の生産量は微減

 マトピバ地域の大豆生産量は、大幅な減産となった前々年度から回復した前年度を3.9%下回る1198万トンと見込まれている(表6)。一方、作付面積はマラニョン州を中心に前年を上回っており、今後の気候次第では単収が増加すると期待されている。
表6
参考2
参考3
【佐藤 宏樹 平成30年1月19日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-9805