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英国の砂糖税の税収、当初の予想を上回る見通し(EU)

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最終更新日:2018年11月30日

 世界保健機関(WHO)と国連児童基金(ユニセフ)は10月18日、マレーシア政府と議会に向けて「財政健全化と国民の健康増進を実現するためには、糖類を含む飲料に課税することが望ましい」との共同声明を発表した。
 声明によると、マレーシアはアジアの中で肥満率の高い国の一つであり、成人のほぼ半数が過体重か肥満に分類され、子どもの12.7%が肥満に分類されている。この要因について、「炭酸飲料などは高カロリーであるものの、他の飲料と比べ安価であるため、貧困世帯の親はこれらを子どもに与える以外に選択の余地がない」と指摘している。ただし、「砂糖税の導入は、子どもの肥満防止策の唯一の解決法ではない」と付け加え、子どもへの教育や健康的な食事に対する補助、食品栄養表示の見直し、食品メーカーのマーケティング規制などを複合的・総合的に実施することを強く奨励するとしている。

 今回の声明は、2018年5月に建国以来初の政権交代で首相に就任したマハティール・ビン・モハマッド氏が、「砂糖税」の導入を検討すると表明したことを受け、支持する考えを示したと解釈することができる。また、これまでWHOは、世界的に深刻化する肥満問題に対処するため、すべての国に糖類を含む飲料に少なくとも20%の税金を課すようよう呼びかけてきたが、導入に対して国民や食品産業界などの反対の声が根強い国も多いことから、ユニセフと連携することで国際社会の理解を得やすくする狙いもあるとみられる。

 現地報道によると、専門家からは、スーパーマーケットなどで販売されている飲料のほか、屋台などで売られ、国民に親しまれているテー・タリック(Teh Tarik。コンデンスミルク入りの紅茶)も課税対象としなければ、肥満予防対策の効果はそれほど期待できないとの意見も聞かれる。
 今回の発表に際し、英国財務省高官は子どもたちへの支援財源が確保できる見通しとなったことに安堵した様子をうかがわせつつ、「政府には、次の社会を担う子どもたちが元気で健やかに暮らせる環境を整える責務があるが、飲料業界がその一翼を担うようになったことは大変喜ばしいことだ」とも述べ、需要が冷え込むとの懸念から砂糖税の導入に強く反発してきた飲料メーカー側に対し引き続きの協力と理解を求めた。
 
 他方、英国歳入関税庁が公表した報告書では税収の約9割が24ペンスの税額が適用される飲料からのものであったと述べており、現地報道によると、保健当局は「子どもの砂糖摂取量を抑制するという観点では、現行の砂糖税が有効であるとは言い切れない。飲料に含まれる糖類の量をさらに削減する動きへと進展しなければ、課税の対象を食品全般に広げる可能性がある」と警告したとしている。
 
(注1)為替レートは、1英ポンド=145円(147.90円。2018年10月末日TTS相場の値)である。
(注2)1ペンスは、1英ポンドの100分の1。     
                    
【坂上 大樹 平成30年10月26日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-4396



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