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ABARES、今後5年間砂糖は増産と見通す(豪州)

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最終更新日:2012年3月13日

2012/13年度の生産量は425万トンに回復

 豪州農業資源経済科学局(ABARES)は、3月上旬に中期的な砂糖生産の見通しを公表した。これによると、2012/13年度(7月〜翌6月)の砂糖生産量は、425万トン(粗糖換算、以下同じ)とサイクロン「ヤシ」など気象条件の影響から低水準となった2011/12年度(373万トン)をかなり大きく(13.9%)上回ると予測される。この要因は、天候に恵まれたため、収穫面積が増加することと、単収が例年の水準に回復することである。2012/13年度の輸出量は、前年度の270万トンからかなり増加の300万トンと予測される。ただし、ABARESは、2012/13年度は世界的に砂糖生産量が増加し、供給が消費を上回ることから国際価格が軟化するとみており、2012/13年度の輸出額は、前年度を2億豪ドル下回る13億3000万豪ドル(1186億円、1豪ドル=89円)と予測している。

経営体の大規模化が進む

 中期的な見通しについて、2016/17年度に砂糖生産量は、2010/11年度比31.2%増の490万トンにまで増加し、輸出量も350万トンに達するとしている。増産要因としては、さらなる収穫面積の拡大や新植の割合が増えることによる単収の増加などを挙げている。
 また、さとうきび農家の大規模化も進むとしている。1997/98年度に5,080戸あったさとうきび農家数は、09/10年度には3,634戸まで減少した。一方で、一戸当たりのさとうきび収穫面積は、1997/98年度の72.6ヘクタールから2009/10年度の107ヘクタールに増加している。ABARESは、さとうきび収穫などの労働力の確保について、鉱業との競争が激しくなることから、さらに大規模化は進むとみている。

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【前田 昌宏 平成24年3月13日発】
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