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平成23年度甘味料の需要実態調査の概要

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最終更新日:2012年6月11日

平成23年度甘味料の需要実態調査の概要
〜仕入価格は上昇傾向〜

2012年6月

調査情報部
 

【はじめに】

 平成22砂糖年度(10月〜9月)における砂糖の需要量は、農林水産省によると、前年度を0.2%下回る209万5000トンとなった。また、異性化糖については、同0.4%増の80万6000トンと前年度を上回った。

 一方、加糖調製品(含糖量ベース)の需要量は、34万1000トンと前年度から3.0%の増加を見せ、アスパムテール、アセスルファムKなどの代替甘味料も、低カロリー嗜好の広まりに伴ってその需要量が増加しているところである。

 こうした状況を踏まえ、当機構では、甘味料の需要動向を把握するため、砂糖、異性化糖、加糖調製品および代替甘味料を調査対象として、平成23年甘味・でん粉の需要実態調査を行ったので、その概要を報告する。

1.調査概要

 甘味料使用企業35社に対して、2011年(1〜12月)における砂糖、異性化糖(ぶどう糖果糖液糖(注1)、果糖ぶどう糖液糖(注2))、加糖調製品(ソルビトール調製品、ココア調製品、ミルク調製品、加糖あん)、代替甘味料(果糖(フラクトース)、アスパルテーム、マルチトール、アセスルファムK(カリウム)、スクラロース)の使用状況等について調査を行った。調査項目は、使用している甘味料の種類ごとに、(ア)使用動機(イ)調査対象年およびその前年の仕入量と今後の見込み(ウ)仕入価格とその動向(エ)評価(オ)使用甘味料の変更の状況(カ)使用商品例とし、聞き取りにより調査した。

 製品分野では、菓子、清涼飲料、乳製品、洋生菓子、パン、調味料類、漬物、佃煮・煮豆、水産練物・珍味を調査の対象とした。

(注1)JAS(日本農林規格)による異性化糖で、果糖含有率50%未満のもの
(注2)JAS(日本農林規格)による異性化糖で、果糖含有率50%以上のもの

2.調査結果

(1)砂糖 〜仕入価格の上昇により収益に影響〜

 
 
2011年の状況

 砂糖を使用していたのは34社で、菓子、清涼飲料、乳製品、洋生菓子、パン、調味料類、漬物、佃煮・煮豆、水産練製品・珍味など幅広い分野で使用されている。使用理由としては、味覚面で「自然な甘味」、「天然素材である砂糖と表示する方が消費者受けする」との声が挙げられた。

 仕入量について回答のあった34社における2011年の仕入量の合計は21万4734トンで、前年比1.3%の減少となった。企業別では、前年に比べて増加した企業は4社、前年並みだった企業は17社、減少した企業は13社で前年並みだった企業が半数を占めた。主な増加理由として「食感が好まれ売れ行きが好調」、「東日本大震災による飲料品買い溜めの影響による販売の伸び」などを挙げ、一方、主な減少理由として「東日本大震災の影響による製品需要の低迷、工場の一定期間の閉鎖に伴う商品アイテム数の削減、集約化」などを挙げていた。

 仕入価格に関しては、値上がりしており、事業収益に大きな影響を与えているという企業が多かった。

 砂糖の品質・供給安定性に関しては、多くの企業が高い評価を示し、問題ないとのことであった。

 原料の変更については、多くの企業が他の原料への転換を実施していなかった。その主な理由は、基本的仕様を決定し、生産ラインを調整して製品を上市したからには簡単に使用原料を変更できない、新製品開発に伴う事実上のレシピの変更により原料の転換を行うケース以外は実施しないとのことであった。

 なお、一部の企業で砂糖より価格面で若干優位性をもっている調製品に移行したとの声があった。

今後の見通し

 今後の仕入量に関しては、増加を見込む企業が5社、横ばいを見込む企業が14社、減少を見込む企業が6社、非回答ないしは不明が9社となっている。横ばいを見込む企業が多かったが、大震災の影響によって仕入量を減少させた企業からは、「商品のアイテムは震災前の2010年と同じ構成に戻っていくと思われるので、購入量は若干増加する」との回答を得た。

(2)異性化糖

a)ぶどう糖果糖液糖 〜とうもろこし価格の値上がりで価格が上昇〜
 
 
2011年の状況

 ぶどう糖果糖液糖を使用していたのは14社で、菓子、清涼飲料、洋生菓子、パン、調味料類、漬物、水産練製品・珍味の製品分野で使用され、菓子パン、アイスキャンディ、ゼリー、ビスケットなどを中心に使用されている。使用理由としては、「甘さよりも機能重視」、「自然な甘味を中心に利用」、「保湿性が良いため、もちもちしたビスケットの特性を出せる」などの声が挙げられた。

 仕入量について回答のあった14社における2011年の仕入量の合計は4万1859トンで、前年比2.4%の増加となった。企業別では、前年に比べて増加した企業は2社、前年並みだった企業は8社、減少した企業は2社だった。その他として昨年度の数量が非回答という企業が2社あった。主な増加理由として「製品がよく売れた」を挙げていた。一方、減少理由として砂糖と同様に「東日本大震災の影響による商品アイテムの絞り込み」を挙げていた。

 仕入価格に関しては、回答を得た企業の半数が値上がりしたと回答した。ぶどう糖果糖液糖の原料はアメリカ産輸入とうもろこしで、原料とうもろこしの相場が価格を左右する。とうもろこし価格が上がっているため、ぶどう糖果糖液糖の価格も上がったとのことであった。

 ぶどう糖果糖液糖の品質・供給安定性に関しては、国内の異性化糖メーカーから供給を受けているため、特に問題はないとのことであった。

 原料の変更については、「生産ラインの面で、同一商品を製造している限り、液糖から他の原料に切替えることはない」との理由により、多くの企業が他の原料への転換を実施していなかった。

今後の見通し

 今後の仕入量に関しては、増加を見込む企業が4社、横ばいを見込む企業が4社、減少を見込む企業が2社、非回答ないしは不明が4社であった。増加を見込む企業の中で、「商品アイテムは震災前の構成に戻っていくので、購入量は若干増加する」との声が聞かれた。
b)果糖ぶどう糖液糖  〜ぶどう糖果糖液糖に連動し価格が上昇〜
 
 
2011年の状況

 果糖ぶどう糖液糖を使用していたのは16社で、菓子、清涼飲料、乳製品、洋生菓子、パン、調味料類、漬物、水産練製品・珍味の製品分野で使用されている。使用理由としては、「砂糖以外の甘み作りのベースとなる原料として使用」、「甘みの厚みが必要で、熱劣化に耐えられるもの」、「乳酸の発酵促進プロセスで必要」などが挙げられた。

 仕入量について回答のあった16社における2011年の仕入量の合計は約13万トンで、前年比0.5%の増加となった。企業別では、前年に比べて増加した企業は5社、前年並みだった企業は8社、減少した企業は3社であった。増加理由として「当該製品の販売の増加に伴い若干仕入量も増加」を挙げていた。減少理由として「大震災の影響によって商品構成を変更しているため仕入れ量がやや減少」との回答があった。

 仕入価格に関しては、ぶどう果糖液糖に連動して値上がりしたとの回答を得た。

 果糖ぶどう糖液糖の品質に関しては、多くの企業が高い評価を示し、問題ないとのことであった。供給安定性に関しては、「夏の供給に不安があるので、仕入れメーカーを分散させて購入」との意見が挙げられた。

 原料の変更については、多くの企業が他の原料への転換を実施していなかった。液糖であるため、基本的仕様を決定し、生産ラインを調整しているので、簡単に使用原材料を変更できないという背景もあるようだ。

今後の見通し

 今後の仕入量に関しては、増加を見込む企業が3社、横ばいを見込む企業が8社、減少を見込む企業が1社、非回答ないしは不明が4社と横ばいを見込んでいる企業が多かった。「長期的にみれば、低カロリー志向の中で、高甘味度甘味料が増え、果糖ぶどう糖液糖の使用量は減っていくのでは」と見込んでいる企業もあった。

(3)加糖調製品

a)ソルビトール調製品 〜コスト削減のため、需要は増加傾向〜
 
 
2011年の状況

 ソルビトール調製品を使用していたのは14社で、菓子、清涼飲料、乳製品、洋生菓子、パン、調味料類、漬物、佃煮・煮豆、水産練製品、珍味の製品分野で使用されていた。使用理由としては、「コストダウンのため砂糖の代替品として」、「砂糖に比べ、若干価格優位性がある」との声が挙げられた。

 仕入量について回答のあった14社における2011年の仕入量の合計は約3万3000トンで、前年比2.1%の増加となった。企業別では、仕入量が前年に比べて増加した企業は3社、前年並みだった企業は8社、減少した企業は3社だった。増加理由として「新製品に使用量を増やした」や「製品の売り上げ増加」などを挙げていた。

 仕入価格に関しては、砂糖価格より優位性を持っているものの、回答を得た企業のうち半数が値上がりしたとのことだった。

 ソルビトール調製品の品質・供給安定性に関しては、多くの企業が問題ないとのことであった。

 原料の変更については、多くの企業が他の原料への転換を実施していなかった。その主な理由は、甘味度は砂糖より低いが低カロリーで、価格が安いということで、ソルビトール調製品は使い勝手の良い素材と考えていることであった。

今後の見通し

 今後の仕入量に関しては、増加を見込む企業が3社、横ばいを見込む企業が8社、非回答ないしは不明が3社となり、減少を見込む企業はなかった。表示の面から「他の調製品へ切り替えを検討中である」という企業があった。
 
 
b)ココア調製品  〜仕入価格は砂糖やミルクの価格に連動〜
 
 
2011年の状況

 ココア調製品を使用していたのは2社で、菓子の製品分野で使用されている。使用理由としては、「チョコレート生地として」、「ミルクココアなどの製品に欠かせない」などを挙げていた。

 仕入量について回答のあった2社における2011年の仕入量の合計は2万4708トンで、2社とも増加し前年比16.2%の増加となった。増加理由として「製品の売上が好調だった」ことを挙げていた。仕入価格に関しては、砂糖やミルクの価格に連動しているとのことであった。

 ココア調製品の品質・供給安定性に関しては、2社とも特に問題なしとの回答を得た。

 原料の変更については、2社とも他の原料への転換を行っておらず、検討もしていないとのことであった。

 今後の見通し

 今後の仕入量に関しては、横ばいを見込む企業と減少を見込む企業とに分かれた。チョコレートは嗜好品であり、その売上は景況感や気候に左右されることから、今後の見通しはなかなか読みづらいとのことであった。
 
 
c)ミルク調製品  〜国内産原料からの切り替えにより仕入量が増加〜
 
 
2011年の状況

 ミルク調製品を使用していたのは13社で、菓子、清涼飲料、乳製品、洋生菓子、パンの製品分野で使用されている。使用理由としては、「国産の脱脂粉乳の国内調達が厳しく、乳製品の価格が上昇する中で、海外のミルク調製品を導入するようになった」、「コスト面からミルク調製品を導入」などが挙げられた。

 仕入量について回答のあった11社における2011年の仕入量の合計は3万6792トンで、前年比11.5%の増加となった。企業別では、前年に比べて増加した企業は8社、前年並みだった企業は2社、減少した企業は1社であった。増加理由として「国産の脱脂粉乳の手当てが厳しくなったため、海外のミルク調製品を導入」、「国内で砂糖と脱脂粉乳を揃えるより安価」などが挙げられた。

 仕入価格に関しては、ミルク海外相場の高騰により多くの企業で値上がりしたとの回答を得たが、一部の企業では値下げしたとの回答も得られた。

 ミルク調製品の品質・供給安定性に関しては、基本的に問題ないとしている。また、「過去に異物混入などの問題が起こっていない」、「海外の現地工場を見学しており、安心できる設備水準にあると判断している」などの意見が示された。ただし「砂糖は賞味期限が無いが、脱脂粉乳は賞味期限が短いため取り回しが難しい。半年以内に使わなければならず、うまい具合に使い回せればコスト安である」と回答する企業もあった。

 原料の変更については、回答を得たすべての企業が他の原料への転換を実施しておらず、今後も転換する予定はないとのことであった。

今後の見通し

 今後の仕入量に関しては、増加を見込む企業が2社、横ばいを見込む企業が5社、非回答ないしは不明が6社となっており、減少を見込む企業はなかった。「コスト面を考えるとミルク調製品は不可欠なものとなっている」、「輸入品のコストと国内乳コストとの兼合いで増減させる予定」との回答を得たが、今後の価格次第によって、他のでん粉に切り替える可能性を示唆する企業があった。
 
 
d)加糖あん  〜中国産の品質に対しての評価がまちまち〜
 
 
2011年の状況

 加糖あんを使用していたのは6社で、菓子、乳製品、洋生菓子、パンの製品分野で使用され、主としてあんパン、菓子パン、小豆アイスなどに使用されている。使用理由としては、「製品を作る上での必須原料」、「利便性が高い」などが挙げられた。

 仕入量について回答のあった6社における2011年の仕入量の合計は9450トンで、前年比3.3%の増加となった。企業別では、前年に比べて増加した企業は2社、前年並みだった企業は4社、減少した企業はなかった。増加理由として「製品売上が好調であった」などが挙げられた。その他、「定番商品になっているものが多く、仕入量は横ばいであった」などの声が聞かれた。

 仕入価格に関しては、ほとんど回答がなかったが、1社から値上がりしているとの回答を得た。

 加糖あんの品質に関しては、「中国メーカーの経営者が日本人のため品質や衛生には気を付けているし、当社でもチェックしている」、「昔は異物混入と細菌数のコントロールの問題がなかなか解消できずに課題となっていたが、最近はそういう話を聞くことがない」など、特に品質の問題は無いという意見がある一方、「中国産に関しては、異物混入が稀にある」と指摘している企業もあった。また、供給に関しては、中国製品は「急なオーダーに対応できず、量が足りないというケースもあるが、前もって発注すれば問題なく対応してくれる」、韓国製品は「小分けで持ってきてくれるから便利」という意見があった。

 原料の変更については、多くの企業が他の原料への転換を行っておらず、他の減産国の加糖あんへの転換を考えている企業は皆無であった。

今後の見通し

 今後の仕入量に関しては、増加を見込む企業が1社、横ばいを見込む企業が2社、減少を見込む企業が1社、非回答ないしは不明が2社であった。加糖あんを大量に購入しているパンメーカー3社の見通しが増加、減少、横ばいを見込むと三者三様に分かれた。  また、国産品と比較しての価格メリットから中国産加糖あんの購入を検討している企業もあった。
 
 

(4)代替甘味料

a)果糖(フラクトース)  〜仕入量が増加〜
 
 
2011年の状況

 果糖(フラクトース)を使用していたのは9社で、菓子、清涼飲料、乳製品、洋生菓子の製品分野で使用されていた。使用理由としては、「ベースとなる甘みと、すっきりした魅力づくりの甘みと、両方の効果がある甘みを持っている」、「ダイエットイメージで使っており、表示することによるイメージ効果も狙っている」などの声が挙げられた。仕入量について回答のあった9社における2011年の仕入量の合計は5974トンで、前年比10.8%の増加となった。企業別では、仕入量が前年に比べて増加した企業は2社、前年並みだった企業は5社、減少した企業は2社だった。増加理由として「使用商品の販売量増加」、「コンビニ向け商品として採用」などが挙げられた。

 仕入価格に関しては、多くの企業で値上がりしたとの回答を得た。価格は、上昇基調にあり、価格は高いという認識が各社にあるようだ。

 果糖(フラクトース)の品質・供給安定性に関しては、多くの食品企業が高い評価を示し、特に問題ないとしている。ただし、昨年の夏に流通量が不足して調達が難しくなったこともあり、各企業とも海外の調達ルートを確保していくことを視野に入れなくてはならないとの声もあった。

 原料の変更については、回答を得たすべて企業が他の原料への転換を実施しておらず、今後も転換する予定はないとのことであった。

今後の見通し

 今後の仕入量に関しては、増加を見込む企業が1社、横ばいを見込む企業が6社、非回答ないしは不明が2社、減少を見込む企業はなかった。今後の仕入量は横ばいという回答が多かったが、「価格が高いので、果糖(フラクトース)の代わりに果糖ぶどう糖液糖に移行するかもしれない」という企業があった。


b)アスパルテーム  〜仕入量は大きく増加〜
 
 
2011年の状況

 アスパルテームを使用していたのは7社で、菓子、清涼飲料、乳製品、洋生菓子、漬物、水産練製品、珍味の製品分野で使用され、主にシュガーレスガムやシュガーレスミントタブレット、ゼロカロリー飲料などに使用されている。使用理由としては、「シュガーレス商品、ゼロカロリー飲料のため」などを挙げていた。

 仕入量について回答のあった6社における2011年の仕入量の合計は159.9トンで、前年比58.4%の増加となった。企業別では、仕入量が前年に比べて増加した企業は2社、前年並みだった企業は2社、減少した企業は2社だった。増加理由として「カロリーを抑える商品づくりに使用」を挙げていた。

 仕入価格に関しては、ほとんど回答がなかったが、1社から横ばいとの回答を得た。

 アスパルテームの品質・供給安定性に関しては、多くの企業が高い評価を示し、特に問題ないとのことであった。

 原料の変更については、多くの企業が他の原料への転換を実施していなかった。なお、輸入品の方が安価であるが、安全性を考慮し国内産を使用しているとの回答があった。

今後の見通し

 今後の仕入量に関しては、ゼロ系商品は頭打ちで伸びないとし横ばいを見込む企業が2社、価格が高いので、他の甘味料を使う可能性があり減少を見込む企業が1社、非回答ないしは不明が4社、増加を見込む企業はなかった。


c)マルチトール  〜仕入量が微減〜
 
 
2011年の状況

 マルチトールを使用していたのは6社で、菓子、清涼飲料、洋生菓子の製品分野で使用されていた。使用理由としては、保湿性などの機能性が挙げられた。

 仕入量について回答のあった6社における2011年の仕入量の合計は7449トンで、前年比5.2%の減少となった。企業別では、仕入量が前年に比べて前年並みだった企業は4社、減少した企業は2社、増加した企業はなかった。減少理由として「ゼロ系商品の売れ行きが頭打ち」、「ガムの市場が縮小気味」を挙げていた。

 仕入価格に関しては、横ばいと回答した企業から「価格はかなり高いが、ここ1年間変化がない」、また、下がったと回答した企業から「中国産は安くなった」との回答を得た。

 マルチトールの品質・供給安定性に関しては、多くの企業が特に問題ないとしている。なお、「購入量が少ないので、現在の量では商社からの当用買いのほうがメリットがある」と述べている企業があった。

 原料の変更については、回答を得たすべて企業が他の原料への転換を実施していなく、今後も転換する予定はないとのことであった。

今後の見通し

 今後の仕入量に関しては、増加を見込む企業が0社、横ばいを見込む企業が2社、減少を見込む企業が1社、非回答ないしは不明が3社であった。横ばい、減少を見込む理由として、今後のガム市場の縮小を予想する声が挙げられた。


d)アセスルファムK(カリウム)  〜仕入量が増加〜
 
 
2011年の状況

 アセスルファムKを使用していたのは12社で、菓子、清涼飲料、乳製品、洋生菓子、漬物、水産練製品、珍味の製品分野で使用されていた。アセスルファムKは、糖質ゼロ系の飲料、食品などに使用され、多くの場合スクラロースと併用されている。使用理由としては、「カロリー抑制、ヘルシーなイメージを出すため」、「糖質ゼロ系の飲料、食品製造のため」などが挙げられた。

 仕入量について回答のあった11社における2011年の仕入量の合計は117トンで、前年比10.4%の増加となった。企業別では、仕入量が前年に比べて増加した企業は1社、前年並みだった企業は5社、減少した企業は3社だった。その他として昨年度の数量が非回答という企業が2社あった。増加理由として「ヘルシーなイメージを強調するには高甘味度甘味料に頼る以外ない」などが挙げられ、一方、減少理由は「カロリーオフ商品の減少、処方の変更に伴い減少している」という声が聞かれた。

 仕入価格に関しては、多くの企業で横ばい、下がったとの回答を得た。

 アセスルファムKの品質・供給安定性に関しては、多くの食品企業が高い評価を示し、問題ないとしている。中国製でも品質、安定供給等の面で問題はないとのことであった。

 原料の変更については、多くの企業が他の原料への転換を実施していなかった。原産国に関しては一部の企業から「中国産への切替を検討している」という回答があった。

今後の見通し

 今後の仕入量に関しては、増加を見込む企業が2社、横ばいを見込む企業が4社、減少を見込む企業が2社、非回答ないしは不明が4社であった。横ばい、減少を見込む理由として、「ゼロカロリー商品は人気のピークが過ぎ、ある程度の市場を確保したことから、販売量は落ち着くと考えられる」などが挙げられた。


e)スクラロース  〜アセスルファムKとの併用が多い〜
 
 
2011年の状況

 スクラロースを使用していたのは11社で、菓子、清涼飲料、乳製品、洋生菓子、水産練製品・珍味の製品分野で使用されていた。使用理由としては、「砂糖の代替品」、「アセスルファムKと併用して、より砂糖の甘みに近づける」などが挙げられた。

 仕入量について回答のあった10社における2011年の仕入量の合計は49トンで、前年比2.0%の減少となった。企業別では、仕入量が前年に比べて増加した企業は1社、前年並みだった企業は5社、減少した企業は3社だった。その他として昨年度の数量が非回答という企業が1社あった。減少理由として「カロリーオフ商品の減少、処方の変更に伴い減少」を挙げていた。

 仕入価格に関しては、多くの企業で横ばい、下がったとの回答を得られた。高甘味度甘味料の中で価格は最も高いとのことであった。

 スクラロースの品質・供給安定性に関しては、多くの食品企業が高い評価を示し、特に問題ないとしている。

今後の見通し

 今後の仕入量に関しては、増加を見込む企業が1社、横ばいを見込む企業が5社、非回答ないしは不明が5社、減少を見込む企業はなかった。増加を見込む理由として、「食品全般に低カロリー志向が進むと仮定すると、製造側としては脂を減らすか糖を減らすかであり、高甘味度甘味料のスクラロースなどが増加していくと思う」を挙げていた。

 原料の変更に関しては、多くの企業から他の原料への転換を実施しておらず、今後も考えていないとの回答を得た。その一方、一部のメーカーでは、「ゼロカロリー系を縮小し自然甘味への切替を検討」、「価格が高いので、アセスルファムKへの転換を検討」などの声も聞かれ、高価格やゼロカロリー系商品のブームの変化と共に、スクラロースの使用を見直すという動きも出ている。

 なお、「他の原産国のスクラロースでも、良質で安価なものが供給されれば検討」との声も聞かれた。

まとめ

 2011年を調査対象期間とした本調査においては、品目においてばらつきはあるもののアスパルテーム、アセスルファムKなどのカロリーオフ・シュガーレスといった低カロリー製品に利用される高甘味度甘味料の仕入量の伸びが目立った。

 砂糖は、東日本大震災の影響による製品需要の低迷、工場の一定期間の閉鎖に伴う商品アイテム数の削減、集約化などで仕入量が微減したものの、自然な甘味を持ち、天然素材として消費者受けすることなどから、仕入量は他の甘味料に比べ依然多い。多くの企業では生産ラインが確立されており簡単に使用原料を変更できないということで切り替えを行っていなかったものの、他の甘味料と比べて価格優位性が高くないことから、一部の企業でコスト削減や生産性向上などの理由で砂糖から、より安価な調製品等に移行した企業もあった。

 また、カロリーオフやカロリーゼロ系の商品は、一巡して消費者に定着した感があり、これらに使用されている代替甘味料の使用量が大きく減少することはないとされ、さらに今後の価格動向や低カロリーを前面に打ち出す製品の開発状況などによっては切り替えを検討したいという動きも見られた。

 砂糖を他の甘味料と比較した場合、ネックであるのは価格面である。昨今の国際価格形成は、供給構造および消費構造の変化を背景に主要砂糖生産国における天候不順による作柄変動が加わったことにより上昇を招いた。2011年の砂糖の国際価格は、20〜30セントの間で変動しており、国内の日経相場も概ね国際相場に連動している。調査対象企業からは、今後の価格動向次第で、他の甘味料への切り替えを示唆する声も聞かれた。こうしたことを踏まえ、砂糖の国際価格の動向について、引き続き注視する必要があると思われる。

 最後に、ご多忙の中、本調査に対してご協力いただいた各企業に、この場を借りて厚くお礼を申し上げたい。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713



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