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鹿児島県における平成23年産さとうきびの生産状況について

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最終更新日:2012年8月10日

鹿児島県における平成23年産さとうきびの生産状況について

2012年8月

公益社団法人鹿児島県糖業振興協会
 


【はじめに】

 平成23年産のさとうきびは、春先までの低温や5月末の台風2号の潮風害をはじめとする台風被害、さらに、奄美地域では干ばつやメイチュウ類(イネヨトウ)の被害などにより、単収・生産量とも過去最低(昭和40年の糖価安定法施行以降)となった。

1 さとうきびの位置付け

 さとうきびは、鹿児島県南西諸島の約8割の農家が生産している基幹作物であり、製糖業とともに地域経済を支える重要な役割を担っている。 また、さとうきびは他の作物に比べて台風や干ばつに強い作物でもある。

 さとうきびの平成22年農業産出額は約136億円、耕種部門では米、さつまいもに次ぐ第3位となっている。

 鹿児島県では、国の「さとうきび増産プロジェクト基本方針」に基づき、各島及び県段階における生産目標や取組方向を示した「さとうきび増産計画」を平成18年6月に策定し、品目別経営安定対策に対応した大規模経営体や担い手の育成等による経営基盤の強化、機械化や地力増進による生産基盤の強化、病害虫防除対策の推進や優良品種の育成・普及など各般の施策を推進している。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

2 平成23年産さとうきびの生育概況

(1)種子島地域

 生育初期は、3〜4月の低温の影響や3月の乾燥の影響で遅れ気味に推移した。特に、1月収穫の株出栽培は1月の気温が平年より低く萌芽が著しく劣った。

 分けつ期には、平年より早い梅雨入りと5〜6月の日照不足、台風2号(5/29)、6月の長雨の影響により生育が遅れ、平年を下回る茎数となった。

 伸長期には、平年並みの天候に回復したものの、台風6号(7/18)、15号(9/21)が接近した影響もあり、伸長は緩慢に推移し、初期生育の遅れを取り戻せなかった。

 登熟期には、10〜11月は降水量が多く日照不足、12月は低温乾燥、1〜2月は日照不足で推移したことなどから、登熟は緩慢であった。


(2)大島地域

 生育初期は、3〜5月の低温、2〜4月の少雨の影響などにより、新植の発芽、株出の萌芽が遅れ、平年より生育が劣った。

 分けつ期には、生育が回復傾向にあったものの、台風2号(5/29)により葉身の折れや潮風害で、その時点における葉がほとんど枯死した。このため、葉の再形成に養分が使われ、分けつの遅れや茎伸長の抑制につながった。

 伸長期には、7〜9月にかけて干ばつとなり伸長が抑制され、さらに、メイチュウ類(イネヨトウ)による芯枯れ・坪枯れ被害が奄美群島全島で多発した。また、台風9号(8/4)、15号(9/19)の影響などもあり、生育の回復が遅れた。

 登熟期には、11〜12月にかけて気温が高く降水量も多く、また、生育が遅れ気味に推移したことなどから稚けつ(新芽)の発生も多く、登熟は緩慢に推移した。さらに、1〜3月まで雨天が多く日照不足で推移したことから登熟は進まず、品質は低下した。

3 平成23年産さとうきびの生産状況

 収穫面積は、22年産より139ha減少し1万326ha、生産量は18万8863t減少し45万8680t(対前年71%)、単収は1746kg/10a減少し4442kg/10a(対平年72%)となった。特に、大島地域での減収が大きく、生産量は対前年64%、単収は対平年66%となった。

 なお、生産量のうち、分みつ糖原料用が45万4195tで99%を占めている。

 作型別では、春植栽培が118ha増加し2407ha(23%)、株出栽培が119ha減少し6578ha(64%)、夏植栽培は139ha減少し1341ha(13%)となった。

 品種構成は、農林8号が52%を占め、次いで農林22号が21%、農林23号が13%、農林17号が7%となった。
 
 
 
 
 
 
1)種子島(西之表市、中種子町、南種子町)
 収穫面積は2809haで22年産より60ha増加したものの、単収は6082kg/10a(対平年84%)、生産量は17万849tで2万7068t(対前年86%)減少した。
 作型別では、69%を占める株出栽培が17ha減少し1952haであった。
 品種構成は、農林8号が84%を占めているが、早期高糖品種の農林22号が387haと年々増加してきている。

2)奄美大島(奄美市外3町村)
 収穫面積は648haで22年産より12ha増加したものの、単収2757kg/10a(対平年52%)、生産量1万7866t(対前年55%)で、ともに過去最低であった。
 作型別では、株出栽培が397haで61%を占めている。
 主な品種構成は、農林22号が37%、農林17号が33%となっている。

3)喜界島(喜界町)
 収穫面積は1280haで22年産より37ha増加したものの、単収4570kg/10a(対平年67%)、生産量5万8490t(対前年66%)で、ともに過去最低であった。
 作型別では、株出栽培が658haで51%、夏植栽培が477haで37%を占めている。
 品種構成は、農林8号が62%、農林23号が11%、農林22号が11%となっている。

4)徳之島(徳之島町、天城町、伊仙町)
 収穫面積は3770haで22年産より181ha減少し、単収3802kg/10a(対平年65%)、生産量14万3327t(対前年65%)で、ともに過去最低であった。
 作型別では、株出栽培が2492haで66%、春植栽培が968haで26%を占めている。
 品種構成は、農林8号が43%、農林22号22%、農林23号が21%となっている。

5)沖永良部島(和泊町、知名町)
 収穫面積は1336haで22年産より53ha減少、単収は3772kg/10a(対平年63%)で過去最低となり、生産量は5万395t(対前年63%)であった。
 作型別では、株出栽培が722haで54%、夏植栽培が398haで30%を占めている。
 品種構成は、農林22号が44%、農林8号が41%となっている。

6)与論島(与論町)
 収穫面積は483haで22年産より14ha減少、単収3676kg/10a(対平年69%)、生産量1万7753t(対前年62%)で、ともに過去最低であった。
 作型別では、株出栽培が357haで74%を占めている。
 主な品種構成は、農林23号が69%、農林8号が13%となっている。


(2)ハーベスタによる収穫状況

 さとうきびの労働時間の大半を占める収穫作業の省力化を図るため、これまで、国庫補助事業等を活用したハーベスタの導入が図られてきている。さらに、県では既存ハーベスタの機能向上による長寿命化を23年度から支援している。

 23年産では、411台のハーベスタが稼働し、収穫面積の84%でハーベスタによる収穫作業が実施された。

4 製糖工場の操業状況

 鹿児島県の分みつ糖製造は、1島1製糖会社体制となっており、6島6会社(7工場)が操業している。

 分みつ糖工場の23年産原料処理量は前年より18万7613t減少し45万4195t(対前年71%)となり、買入糖度(以下「糖度」という)も0.39度低い13.21度となった。
 
 

5 おわりに

 鹿児島県では平成27年産を目標年とする「さとうきび増産計画」に沿って生産拡大が進み、22年産では、収穫面積と生産量は27年目標を上回っていたが、一転して23年産は過去最低の単収・生産量となった。

 このため、関係機関・団体と一体となって早期の生産回復に向け、収穫面積の確保や基本技術の励行等による単収向上対策を推進するとともに、メイチュウ防除対策については、24年度から、奄美群島の各島で防除対策の実証ほの設置や、国のさとうきび全島適正防除推進事業を活用した一斉防除に取り組んでいるところである。また、効率が低下した製糖関連施設の整備や機能強化の支援を行っているところである。

 この様な取組により一年でも早くさとうきび生産が回復し、さとうきび農家と製糖会社の経営が安定するよう努めているところである。
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
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