砂糖 砂糖分野の各種業務の情報、情報誌「砂糖類情報」の記事、統計資料など

ホーム > 砂糖 > 砂糖の国際需給・需給レポート > 4.日本の主要輸入先国の動向

4.日本の主要輸入先国の動向

印刷ページ

最終更新日:2014年2月10日

4.日本の主要輸入先国の動向

2014年2月

 2012年の砂糖輸入量のうち、甘しゃ糖・分みつ糖(HSコード1701.14‐110)は140万7174トンと、全体の97.7パーセントを占める。そのうち、タイ(58.6%)、豪州(33.6%)、フィリピン(3.0%)、南アフリカ(2.1%)の4カ国で97.4パーセントを占めている(財務省「貿易統計」)。

タイ

 
【生産見通し】
2013/14年度砂糖生産量は、過去最高になる見通し


  2013/14砂糖年度(10月〜翌9月)のサトウキビ収穫面積は、135万ヘクタール(前年度比0.2%増)と微増し(表5)、サトウキビ生産量は1億271万トン(同2.7%増)と予測されている。さらに、ここ4年間、低迷していた歩留まりも回復との見込みから、砂糖生産量も過去最高の1130万トン(粗糖換算、同9.2%増)となる見通しである。12月末までに生産された砂糖は、210万トン(粗糖換算、前年同期比10.5%増)と、製糖開始が遅れたにもかかわらず、前年同期よりも増加している。
 
【貿易動向等】
2013/14年度砂糖輸出量は、前年度比12.3パーセント増の685万トン


  2013/14年度の輸出量は、砂糖の増産予測を受け、685万トン(粗糖換算、前年度比12.3%増)と前年度から増加する見込みである。なお、2013年11月の粗糖・白糖輸出量は、29万5000トン(前年同月比77.7%増)となり、主要輸出先は日本、ベトナム、カンボジア、中国であった(図8)。

資料:Agra CEAS Consulting “WORLD SUGAR SUPPLY BALANCE, PRICE AND POLICY TREND ANALYSIS, January 2014”
 

豪州

 
【生産見通し】
2013/14年度砂糖生産量は、前年度比4.7パーセント減の424万トン


  2013/14砂糖年度(7月〜翌6月)のサトウキビ収穫面積は、36万4000ヘクタール(前年度比1.1%増)と増加見込み(表6)であるものの、2013年初め(新植時期)の主要生産地であるクィーンズランド州(QLD)バンダバーグ地域およびニューサウズウェールズ州(NSW)の生産地での洪水被害のため、サトウキビ生産量は3045万トン(同0.2%減)と予測されている。さらに、「イエローキャノピーシンドローム(以下「YCS」という)による影響などから、前年度から歩留まりも低下見込みとなっており、砂糖生産は424万トン(粗糖換算、同4.7%減)とされている。YCSとは、2012年に豪州で初めて確認されたサトウキビの病気(葉が黄変し根を腐敗させる)で、今年度はQLDの北部地域、ハーバート地域、バーデキン地域、中央部地域に発生しており、被害は拡大している。

【貿易・政策動向等】
2013/14年度の輸出量は、前年度からやや増加する見通し


  2013/14年度の砂糖輸出量は、289万トン(粗糖換算、前年度比0.3%増)と前年度から増加する見通しとなっている(図9)。2012/13年度の輸出先国は、韓国、日本、インドネシアとなっており、6年ぶりに日本がインドネシアよりも多くなる見込みである。

 一方、消費量は、135万トン(粗糖換算、前年度比0.7%増)とわずかに増加が予測されている。国内で販売される砂糖に対し課税をしている同国では、ダイエットや健康志向から砂糖消費を控えさせるため、課税対象に砂糖を原料とする全ての飲料・食品を加えることを主張する動きがある。砂糖関係団体などは、国民一人当たりの消費量と肥満率には因果関係がないとして、この動きに強く反対している。

資料:Agra CEAS Consulting “WORLD SUGAR SUPPLY BALANCE, PRICE AND POLICY TREND ANALYSIS, January 2014”
 
 

フィリピン

 
【生産見通し】
台風被害により、砂糖生産量は前年度比 6.7パーセント減


  2013/14砂糖年度(9月〜翌8月)のサトウキビ収穫面積は、前年度並みの43万ヘクタール(表7)、サトウキビ生産量は2333万トン(前年度比6.7%減)と見込まれている。砂糖統制委員会(SRA)の推計によると、11月8日レイテ島を中心に襲った台風30号による被害は、50地域でサトウキビ15万トンに及んだと発表した。今年度の砂糖生産量は、減産予測を受け230万トン(粗糖換算、同6.7%減)の見通しである。
 
【貿易・政策動向】
AFTA協定により、2014年砂糖輸入関税は 10パーセント


  2013/14年度の砂糖消費量は、220万トン(粗糖換算、前年度並み)と予測されている。一方、輸出量は、砂糖減産の見通しを受け28万5000トン(粗糖換算、前年度比14.2%減)の見通しである。なお、2013年10月の粗糖・白糖輸出量は、4万2000トン(前年同月は10トン)で、主要輸出先は米国、シンガポールであった(図10)。

 同国の砂糖輸入関税は、ASEAN自由貿易地域(AFTA)協定により2012年から段階的に下げられている。2014年1月1日から前年よりも8パーセント低い10パーセントとなった。来年には、5パーセントとなる予定であり、同国の砂糖産業は、これまで以上に国際競争力が試されることとなる。

資料:Agra CEAS Consulting “WORLD SUGAR SUPPLY BALANCE, PRICE AND POLICY TREND ANALYSIS, January 2014”
 

南アフリカ

 
【生産見通し】
2013/14年度砂糖生産量は、前年度から大幅増の見込み


  2013/14砂糖年度(4月〜翌3月)のサトウキビ収穫面積は、31万ヘクタール(前年度比10.0%増)と前年度から大幅に増加する見通しである(表8)。サトウキビ生産量についても、天候に恵まれたことにより単収が回復しつつあることなどから、2014万トン(同16.6%増)と大幅な増加が予測されている。同年度砂糖生産量は、歩留まりが前年度から0.4パーセント向上との見込みから、252万トン(粗糖換算、同21.1%増)とされている。
 
【貿易動向等】
2013/14年度輸出量は、前年度から大幅増の予測


 2013/14年度の砂糖消費量は、189万トン(粗糖換算、前年度比2.2%増)と予測されている。一方、輸出量は、増産見込みを受け81万トン(粗糖換算、同124.2%増)と大幅な増加が見込まれている。なお、2013年11月の粗糖・白糖輸出量は5万5500トン(前年同月比58.8%増)で、主要輸出先はニュージーランド、ジンバブエ、モザンビークであった(図11)。ニュージーランドへの輸出は、2012年8月以来である。

資料:Agra CEAS Consulting “WORLD SUGAR SUPPLY BALANCE, PRICE AND POLICY TREND ANALYSIS, January 2014”
 
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713