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4.日本の主要輸入先国の動向(2014年5月時点予測)

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最終更新日:2014年6月10日

4.日本の主要輸入先国の動向(2014年5月時点予測)

2014年6月

 2013年の甘しゃ糖・分みつ糖(HSコード1701.14‐110)の輸入量は、138万2554トン(前年比1.7%減)となった。そのうち、タイが50.7%(同7.9ポイント減)、豪州が32.5%(同1.1ポイント減)、フィリピンが8.1%(同5.1ポイント増)、南アフリカが4.3%(同2.2ポイント増)と、この4カ国で輸入量全体の95.6%を占めている(財務省「貿易統計」)。
 

タイ

 
【生産・貿易動向】
2013/14年度製糖は終了、砂糖生産量は上方修正

  2013/14砂糖年度(10月〜翌9月)のサトウキビの収穫面積は、前月予測から2万ヘクタール上方修正され、137万ヘクタール(前年度比1.2%増)と前年度から微増が見込まれている。また、昨年、モンスーンによる降雨に恵まれ、1ヘクタール当たりの単収が前年度比2.5%増の76トンと増加したことから、サトウキビ生産量は前月予測から129万トン増の1億400万トン(同4.0%増)と過去最高の見通しである(表5)。

 一方、砂糖生産量は、サトウキビの増産見通しにより1170万トン(粗糖換算、同13.1%増)と予測され、同じく前月予測から上方修正された。

 サトウキビ・砂糖委員会(OCSB)によると、今年度の製糖は5月8日に終了したと発表され、干ばつの影響は多少あったものの昨年の天候が良かったことで、今年度の砂糖生産量は過去最高としている。また、OCSBの予測では、今後の発生が予測されるエルニーニョ現象による生産への影響を懸念しており、2014/15年度のサトウキビ生産量は1億200万トン、砂糖生産量は1020万トンと今年度から減少とみている。
 
 なお、2013/14年度の砂糖輸出量は、砂糖の増産予測を受け684万トン(粗糖換算、前年度比12.2%増)と前年度から増加の見込みである。

資料:Agra CEAS Consulting 「WORLD SUGAR SUPPLY BALANCE, PRICE AND POLICY TREND ANALYSIS, May 2014」
 

豪州

 
【生産・貿易動向】
サイクロンによるサトウキビ生産への影響は深刻との見込み

  2013/14砂糖年度(7月〜翌6月)のサトウキビの収穫面積は、36万ヘクタール(前年度比1.1%増)と前年度に比べ微増の見込みである。一方、単収は1ヘクタール当たり83.7トン(同1.3%減)と減少が見込まれることから、サトウキビ生産量は3045万トン(同0.2%減)と減産の見通しである(表6)。単収減の要因として、新植時期の洪水被害や葉が黄変するサトウキビの病気の一種である「イエローキャノピーシンドローム(YCS)」の拡大とされる。YCSは2012年にクィーンズランド州(QLD州)の北部地域に初めて発生し、今年度は同州の主要生産地であるハーバート・バーデキン地域および中央部地域で発生していることが挙げられている。また、YCSは単収の減少のみならず歩留まりの低下も招くことから、サトウキビ減産も相まって、砂糖生産量は430万トン(粗糖換算、同1.8%減)と前年度から減少する見込みとなっている。

 このような中、2014年4月上旬にQLD州北東部沿岸地域を襲ったサイクロン「ITA(イタ)」が引き起こした洪水は、収穫量で1000万トン規模のサトウキビに被害を与えているとみられており、2014/15年度のサトウキビ生産への影響は深刻になるとみられており、製糖開始となる6月頃には実質的な被害状況が把握できる見通しである。
 
 一方、2013/14年度の砂糖輸出量は、砂糖生産が減産予測とされる中、輸出需要を背景に303万トン(粗糖換算、同0.3%増)と前年度からやや増加の見通しである。

資料:Agra CEAS Consulting 「WORLD SUGAR SUPPLY BALANCE, PRICE AND POLICY TREND ANALYSIS, May 2014」

グアテマラ

 
【生産・貿易動向】
2013/14年度砂糖生産は前年度並み

  2013/14砂糖年度(11月〜翌10月)のサトウキビの収穫面積は、26万ヘクタール(前年度比0.4%減)と前年度並みと予測されており、サトウキビ生産量は2684万トン(同0.4%減)となっている(表7)。同国はサトウキビ生産に適した気候条件であることに加え、多くの農家が数百ヘクタールにも及ぶ広大な農地を所有する大規模経営が行われており、また、かんがい農地が全体農地の4割近くを占めることから、単収は1ヘクタール当たり101.7トンと世界の主要なサトウキビ生産国の単収を上回っている。

 一方、砂糖生産量は、304万トン(粗糖換算、同1.7%増)と前年度並みの見通しである。
 
 砂糖輸出については、2011/12年度以降堅調に推移しており、2013/14年度の輸出量も210万トン(粗糖換算、同5.1%増)と前年度から増加の見込みである。

資料:Agra CEAS Consulting 「WORLD SUGAR SUPPLY BALANCE, PRICE AND POLICY TREND ANALYSIS, May 2014」
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