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〜砂糖・黒糖・異性化糖編〜

平成26年度甘味料の需要実態調査の概要
〜砂糖・黒糖・異性化糖編〜

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最終更新日:2015年7月10日

平成26年度甘味料の需要実態調査の概要
〜砂糖・黒糖・異性化糖編〜

2015年7月

調査情報部

【要約】

 調査対象企業における平成26年(1〜12月)の仕入れ量は、砂糖では、「やや増加」「横ばい」とする企業が多かったものの、加糖調製品への切り替えなどにより、一部の企業で減少が見られた。異性化糖では、「やや増加」「横ばい」とする企業が多かったものの、飲料メーカーでは、同年の清涼飲料の生産量が伸び悩んだことなどから、減少が見られた。

はじめに

 当機構では、甘味料の需要実態を把握するため、甘味料使用企業38社(菓子類、飲料、乳製品などを製造する食品製造企業35社および糖化製品製造企業3社)に対して、平成25年および26年(1〜12月)における甘味料(砂糖、黒糖(国内産)、異性化糖、加糖調製品、人工甘味料など)の使用状況などについて聞き取り調査を実施した。

 調査項目は、使用している甘味料ごとに、「使用製品」「使用理由」「仕入れ価格の動向」「仕入れ量の動向および今後の見込み」「品質面および調達面に関する評価」などとした。

 本稿では、砂糖、黒糖(国内産)および異性化糖の調査結果を報告し、次号で加糖調製品、人工甘味料などの調査結果を報告する。

1. 砂糖の需給動向

 砂糖の総需要量は減少傾向で推移しており、平成26砂糖年度(9月〜翌10月)は、201万トンと前年度をわずかに上回る見通しであるものの、16年度と比較すると9%減と、かなり減少している(図1)。同様に1人当たりの消費量も減少傾向で推移しており、24年度以降は1人当たり16キログラムを下回る水準で推移している。
 
 平成25年度の砂糖の用途別消費動向を見ると、全体の27.3%を占める菓子向けをはじめ清涼飲料や乳製品など、食品業務向けが8割以上を占めており、家庭用は同13.1%にすぎない(図2)。食品製造企業における需要動向は、砂糖の消費動向に大きな影響を与えていると言える。
 

2. 砂糖の需要実態

(1)使用状況
 砂糖を使用していたのは、38社のうち35社であり、調査対象企業の9割を占めた。製品分類別の使用企業数(延べ数)は、菓子類12社、パン3社、乳製品7社、飲料7社、調味料5社、その他食品7社であった(図3)。使用製品の種類は表1の通りである。

 使用理由は、「甘み付け」のためが最も多く、「自然の甘味料であるため」「味、風味が良い」といった理由で砂糖が選ばれていた。この他「味にコクを出すため」「品質が安定している」「価格が安定している」などが使用理由として挙げられた。ほとんどの企業で古くから使用されており、「商品設計上欠かせない」「商品特性上他の甘味料に代替できない(焼き菓子)」などといった声も多く聞かれ、製品分野を問わず、砂糖が食品の製造において欠かせないことがうかがえる。
 
(2)調達状況
ア. 仕入れ価格の動向

 使用企業35社のうち回答があった34社の平成26年(1〜12月)の仕入れ価格の動向は、「やや上昇」5社、「横ばい」25社、「やや下落」4社であった(図4)。上昇および下落の理由として、「相場の変動」が挙げられた。同年の日経相場(上白糖大袋・東京)を見ると、年間を通して1キログラム当たり185〜186円で推移しており、同年の砂糖の仕入れ価格は、おおむね安定していたとみられる。
 
イ. 仕入れ量の動向(平成25、26年)
 使用企業35社のうち回答があった33社の平成26年における仕入れ量を前年と比較したところ、「増加」8社、「横ばい」18社、「減少」7社であった(図5)。

 増加の理由は、すべての社が「使用製品の製造量の増加」で、製品分類別の内訳を見ると、菓子類4社、パン1社、乳製品1社、飲料1社、水産練製品1社であった。乳製品製造企業では、新たにプライベートブランド商品の製造を開始しており、同社の仕入れ量は、前年比15倍増と大幅に増加していた。

 減少の理由は、「使用製品の製造量の減少」5社、「製品の規格変更(パン)」1社、「加糖調製品への切り替え(水産練製品)」1社であった。「使用製品の製造量の減少」と回答した5社の製品分類別の内訳を見ると、菓子類1社、乳製品1社、飲料2社、漬物1社であった。飲料製造企業では、コンビニエンスストアにおける缶コーヒーの売り上げが減少したとのことで、同社の仕入れ量は前年比13.7%減と大幅に減少していた。

 「加糖調製品への切り替え」と回答した水産練製品製造企業では、コストの削減と計量作業の効率化のために、砂糖の一部をグルタミン酸ナトリウム(MSG)調製品に切り替えていた。また、同社からは「甘さ控えめ製品を増やしていることも仕入れ量の減少に影響を与えている」との声も聞かれた。
 
ウ. 今後の仕入れ見込み
 使用企業35社のうち回答があった34社の今後の仕入れ見込みは、「やや増加」4社、「横ばい」22社、「やや減少」8社であった(図6)。増加の理由は、すべての企業が「使用製品の製造量の増加」で、製品分類別の内訳を見ると、菓子類2社、飲料1社、調味料1社であった。減少の理由は、「加糖調製品への切り替え」が4社と最も多く、次いで「使用製品の製造量の減少」2社、「人工甘味料などへの切り替え」2社であった。

 「加糖調製品への切り替え」と回答した企業の製品分類別の内訳を見ると、菓子類2社、飲料1社、調味料1社で、「原料価格の上昇によりチョコレートでカカオ調製品の使用量を増やす(菓子類)」「コスト削減のため塩調製品の使用量を増やす(調味料)」などの声が聞かれた。昨年度の調査では、減少の理由に「加糖調製品への切り替え」を挙げたのは1社のみであったが、今年度は4社に増加した。「人工甘味料などへの切り替え」と回答した企業の製品分類別の内訳を見ると、乳製品1社、水産練製品1社であった。

 また、飲料製造企業からは、「今後、コスト削減のために砂糖から異性化糖への変更を検討していく」との声も聞かれた。
 
(3)品質面および調達面に関する評価
 品質面については、いずれの企業も「問題ない」との評価であった。「品質が安定している」「他の甘味料に比べ後味が良い」など高い評価を得ていた。

 調達面についても、いずれの企業も「問題ない」との評価であった。

3. 黒糖の需要実態

(1)使用状況
 黒糖(国内産)を使用していたのは、38社のうち10社であった。製品分類別の使用企業数は、菓子類4社、パン2社、乳製品2社、飲料2社であった(図7)。使用製品の種類は表2の通りである。

 使用理由は、「風味付けのため」が6社と最も多く、この他、「商品に特長を出すため」「国内産は付加価値が高いため」などが挙げられた。多くの企業では、商品名に「黒糖」を入れたり、商品パッケージなどに黒糖を使用する旨を表示するなど、黒糖の風味を生かし、付加価値を高めた製品の製造を行っている。
 
(2)調達状況
ア. 仕入れ価格の動向

 平成26年(1〜12月)の仕入れ価格の動向は、「大幅に上昇」1社、「やや上昇」2社、「横ばい」6社、「やや下落」1社と、各社で分かれた(図8)。「大幅に上昇」「やや上昇」の理由として、「黒糖の生産量の減少」が挙げられた。23年産以降、サトウキビは不作が続いており、25年産の含みつ糖の産糖量は、鹿児島県と沖縄県の合計で7748トンと、前年産比で6.5%減、22年産比では16%減と減少傾向で推移しており、黒糖の生産量の減少が仕入れ価格に影響を与えたと考えられる。

 「やや下落」と回答した企業の理由は、仕入れ先の変更によるものであった。
 
イ. 仕入れ量の動向(平成25、26年)
 平成26年の仕入れ量を前年と比較したところ、「増加」2社、「横ばい」5社、「減少」3社であった(図9)。増加の理由は、「使用製品の製造量の増加(乳製品)」「25年は必要量を確保できなかったが、26年は確保できたため(菓子類)」であった。

 減少の理由は、「使用製品の製造量の減少」で、いずれも菓子製造企業であった。
 
ウ. 今後の仕入れ見込み
 今後の仕入れ見込みは、「やや増加」2社、「横ばい」6社、「やや減少」1社、「大幅に減少」1社であった(図10)。「やや増加」の理由は、「業務用の製造量が増加する予定(乳製品)」「商品アイテム数の増加(パン)」であった。「やや減少」の理由は、「使用製品の製造量の減少(菓子類)」、「大幅に減少」の理由は、「黒糖の安定確保が難しいため(菓子類)」であった。「大幅に減少」と回答した企業は、仕入れ価格の動向で「大幅に上昇」、仕入れ量の動向で「平成25年は必要量を確保できなかった」と回答した企業と同一である。
 
(3)品質面および調達面の評価
 品質面では「問題ない」が9社で、1社(パン製造企業)から「製造業者によって、品質にばらつきがある」との回答があった。

 一方で和菓子製造企業では、消費者から「風味が変わったのではないか」と問い合わせを受けることがあるという。同社では、黒糖が生産された年などによって風味が異なる場合があることを消費者に説明し、理解を求めているという。同社は、「今後も黒糖の自然な風味を生かした製品を製造していきたい」としている。

 調達面では、「問題ない」7社に対し、3社から安定供給に対する要望があった。今年度の調査では、対象を国内産の黒糖に限定したこともあり、近年のサトウキビの不作による生産量の減少を受けて、特に安定供給に対する要望が多く見られた。

4. 異性化糖の需給動向

 異性化糖の需要量は80万トン前後で推移しており、平成26砂糖年度は、前年度並みの80万7000トンと見通している(図11)。砂糖の総需要量が減少傾向であるのに対し、異性化糖の需要量はおおむね安定して推移している。
 
 平成25砂糖年度の異性化糖の製品用途別販売動向を見ると、清涼飲料向けが全体の49%とほぼ半分を占めており、乳性飲料と酒類を含めた飲料で見ると同64.4%と、飲料の消費動向が異性化糖の需給動向に大きな影響を与えていると言える(図12)。
 

5. 異性化糖の需要実態

 異性化糖は、日本農林規格(JAS)において、果糖の含有率によって、ぶどう糖果糖液糖(50%未満のもの)、果糖ぶどう糖液糖(50%以上90%未満のもの)、高果糖液糖(90%以上のもの)に分類される。本調査では、これらの分類ごとに調査を行った。なお、今年度の調査では、高果糖液糖を使用している企業はなかった。

 異性化糖を使用していたのは38社のうち26社で、種類別に見ると、ぶどう糖果糖液糖14社、果糖ぶどう糖液糖19社で、両者を使用していたのは7社であった。

(1)ぶどう糖果糖液糖の需要実態
ア. 使用状況

 ぶどう糖果糖液糖を使用していたのは、38社のうち14社であった。製品分類別の使用企業数(延べ数)は、菓子類3社、パン2社、乳製品2社、飲料6社、調味料2社、その他食品1社であった(図13)。使用製品の種類は表3の通りである。

 使用理由は、「甘み付けのため」「すっきりとした甘みが製品に合っているため」「液状であることから飲料などで使いやすいため」などが挙げられた。この他、「砂糖に比べて価格が安いため」を3社が挙げた。

 
イ. 調達状況
(ア)仕入れ価格の動向

 平成26年(1〜12月)の仕入れ価格の動向は、「やや上昇」2社、「横ばい」7社、「やや下落」5社と、各社で分かれた(図14)。異性化糖の出荷価格は、原料トウモロコシ価格の下落などの影響を受け、25年11月(3円下げ)、26年2月(2円下げ)、同11月(3円下げ)に引き下げられたこともあり、「やや下落」と回答した企業が多かったとみられる。



(イ)仕入れ量の動向(平成25、26年)
 使用企業14社のうち回答があった13社の平成26年における仕入れ量を前年と比較したところ、「増加」4社、「横ばい」7社、「減少」2社であった(図15)。増加の理由は、いずれの企業も「使用製品の製造量の増加」で、製品分類別の内訳を見ると、菓子類1社、飲料1社、調味料1社、漬物1社であった。

 減少の理由は、いずれの企業も「使用製品の製造量の減少」で、製品分類別の内訳を見ると、菓子・パン1社、飲料1社であった。



(ウ)今後の仕入れ見込み
 今後の仕入れ見込みは、「やや増加」1社、「横ばい」12社、「やや減少」1社であった(図16)。「やや増加」の理由は、「使用製品の製造量の増加(調味料)」であった。「やや減少」の理由は、「人工甘味料などへの切り替え(飲料)」であった。



ウ. 品質面および調達面に関する評価
 品質面および調達面は、いずれの企業も「問題ない」との評価であった。

(2)果糖ぶどう糖液糖の需要実態
ア. 使用状況

 果糖ぶどう糖液糖を使用していたのは、38社のうち19社であった。製品分類別の使用企業数(延べ数)は、菓子類2社、パン1社、乳製品4社、飲料9社、調味料3社、その他食品2社と、飲料で多く使用されていた(図17)。これは果糖が、冷やすと甘みをより強く感じる性質を持っているため、果糖含有率の高い果糖ぶどう糖液糖が飲料の甘味料として使用されるためであると考えられる。使用製品の種類は表4の通りである。

 使用理由は、「甘み付けのため」「甘みを抑えるため」「使いやすいため」「規格が定まっているので安心なため」「色目、焼き目を付けるため」「価格が安いため」などが挙げられた。






イ. 調達状況
(ア)仕入れ価格の動向

 使用企業19社のうち、回答があった18社の仕入れ価格の動向を見ると、「やや上昇」2社、「横ばい」14社、「やや下落」2社となった(図18)。ぶどう糖果糖液糖に比べると、「やや上昇」または「やや下落」との回答は少なく、仕入れ価格はおおむね安定していたとみられる。



(イ)仕入れ量の動向(平成25、26年)
 使用企業19社のうち、回答があった16社の平成26年における仕入れ量を前年と比較したところ、「増加」3社、「横ばい」7社、「減少」6社であった(図19)。

 増加の理由は、いずれの企業も「使用製品の製造量の増加」で、製品分類別の内訳を見ると、菓子類2社、乳製品1社であった。「使用製品の製造の拡大に取り組んでいる(菓子類)」「コンビニエンスストアでの取り扱い量が増加した(菓子類)」などの声が聞かれた。

 減少の理由は、いずれの企業も「使用製品の製造量の減少」で、製品分類別の内訳を見ると、乳製品1社(乳飲料を製造)、飲料4社(うち1社は乳製品も製造)、水産練製品1社で、6社のうち5社が飲料(乳飲料を含む)を製造する企業であった。これは、冷夏や天候不順などの影響により、同年の清涼飲料の生産量が伸び悩んだことが影響しているとみられる。



(ウ)今後の仕入れ見込み
 使用企業19社のうち、回答があった18社の今後の仕入れ見込みは、「大幅に増加」1社、「横ばい」16社、「やや減少」1社であった(図20)。「大幅に増加」の理由は、「使用製品の製造量の増加(菓子類)」であった。「やや減少」の理由は、「人工甘味料への切り替え(飲料)」であった。



ウ. 品質面および調達面に関する評価
 品質面および調達面は、いずれの企業も「問題ない」との評価であった。

おわりに

 砂糖について、昨年度の調査結果と比較すると、今般の砂糖以外の原料価格の上昇に対応するためのコストの削減を目的とした加糖調製品への切り替えが増加していた。一方で、砂糖および異性化糖において、人工甘味料への切り替えは、昨年度に比べ減少している。このことから、カロリー低減化の流れが落ち着きつつあるとの見方もあるが、水産練製品製造企業から、甘さ控えめ製品が増えているとの声も聞かれ、引き続き注視していく必要がある。

 最後に、お忙しい中、本調査にご協力いただいた企業の皆さまに、改めて厚く御礼申し上げます。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713



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