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3. 世界の砂糖需給に影響を与える諸国の動向 (2015年7月時点予測)

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最終更新日:2015年8月10日

3. 世界の砂糖需給に影響を与える諸国の動向 (2015年7月時点予測)

2015年8月

 
【生産・輸出動向】
2014/15年度の砂糖生産量はやや減少、輸出量はかなり大きく減少の見込み

 LMC International(農産物の需給などを調査する英国の大手民間調査会社)の2015年7月現在の予測によると(以下、特段の断りがない限り同予測に基づき記述)、2014/15砂糖年度(4月〜翌3月)のサトウキビの収穫面積は、864万ヘクタール(前年度比2.8%増)とわずかに増加する見込みであるが、主要生産地であるサンパウロ州で、生育時期の干ばつが影響し単収が低下したことから、サトウキビの生産量は6億2432万トン(同4.1%減)、砂糖の生産量は3823万トン(以下、特段の断りがない限り砂糖に係る数量は粗糖換算。同5.7%減)とやや減少する見込みである。また、砂糖の輸出量は減産が響き、2487万トン(同12.9%減)とかなり大きく減少する見込みである(表2)。

2015/16年度の砂糖生産量はわずかに増加、輸出量はやや増加の見込み
 2015/16年度のサトウキビの収穫面積は、885万ヘクタール(前年度比2.4%増)とわずかな増加が見込まれ、生育時期の天候にも恵まれたことから、サトウキビの生産量は6億3494万トン(同1.7%増)、砂糖の生産量は3884万トン(同1.6%増)とわずかに増加する見込みである。この増産を受け、砂糖の輸出量は2618万トン(同5.3%増)と、やや増加する見込みである。

 また、ブラジルサトウキビ産業協会(UNICA(注1))が発表した2015/16年度の実績報告によると、ブラジル中南部地域の4〜6月のサトウキビ生産量は、2億53万トン(前年同期比1.2%減)とわずかに減少し、砂糖の生産量は926万トン(同10.4%減)とかなりの減少となっている。これは、過度な降雨により、サトウキビ1トン当たりの産糖量が46.18キログラム(同9.3%減)とサトウキビの品質が低下している上、砂糖の国際価格が低迷しているため、企業が砂糖よりも短期間で利益を回収できるエタノールへの仕向け量を増やしていることが影響しているものと考えられる。

 同報告によると、エタノール生産量は、858万キロリットル(前年同期比1.6%増)となっている。また、6月の含水エタノール(注2)の国内販売量は、153万キロリットル(前年同月比51.8%増)と記録的な水準となり、輸出量も含めた4〜6月のエタノールの販売数量は、693万キロリットル(前年同期比17.2%増)に達している。

(注1)ブラジル全体の砂糖生産量の9割を占める中南部地域を区域としている団体。
(注2)自動車の燃料として用いられるエタノールには、含水と無水の2種類がある。含水エタノールは製造段階で蒸留した際に得られた水分を5%程度含み、フレックス車(ガソリンとエタノールいずれも燃料に利用できる自動車)でそのまま燃料として利用される。一方、無水エタノールは含水エタノールから水分を取り除いたアルコール100%で、ガソリンに混合して利用される。
 
 
【生産・輸出動向】
2014/15年度の砂糖生産量は前年度を大幅に上回るも輸出量は大幅に減少の見込み

 2014/15砂糖年度(10月〜翌9月)のサトウキビの収穫面積は前年度並みにとどまるものの、高単収苗の普及に伴い単収の向上が見込まれることから、サトウキビの生産量は3億7628万トン(前年度比5.6%増)とやや増加する見込みである。天候に恵まれたことにより製糖歩留まりが向上していることから、砂糖の生産量は3052万トン(同16.2%増)と大幅に増加する見込みである(表3)。

 インド砂糖製造協会(ISMA)によると、5月末時点の砂糖の生産量は、主要生産地であるマハーラーシュトラ州、ウッタル・プラデーシュ州およびカルナータカ州で前年同期を上回っており、精製糖換算で2796万トン(前年同期比16.3%増)と大幅に増加している(図3)。特に、マハーラーシュトラ州は過去最高の砂糖生産量が見込まれており、同協会は、2014/15年度の国内砂糖生産量は、史上最高を記録した2006/07年度に近い水準になると予想している。大部分の工場が5月末までに2014/15年度の操業を終えているものの、一部の工場が7月に再稼働予定であることから、同協会は、2014/15年度の砂糖生産量を2830万トン前後と見込んでいる。

 また、砂糖の輸出量は、220万トン(前年度比20.0%減)と大幅に減少する見込みである。政府は2015年9月まで粗糖に対する輸出補助金(注1)を措置していることから、粗糖の輸出量は大幅には減少しないという見方もあるが、国際価格が低迷していることから、今後も砂糖の輸出は伸び悩むことが予想される。

2015/16年度の砂糖生産量はかなり減少の見込み
 2015/16年度は、国内企業による生産者への原料代の支払いが滞っていることから、サトウキビの収穫面積は、511万ヘクタール(前年度比1.1%減)とわずかに減少し、株出しほ場の増加により単収の低下が懸念されることから、サトウキビ生産量は3億5429万トン(同5.8%減)とやや減少し、砂糖生産量も、2857万トン(同6.4%減)とかなり減少するものと見込まれる。

 政府は、国内外の砂糖価格が低迷する中、国内の砂糖在庫を削減し、負債を抱える国内の企業を支援するため、 これまで、 1)砂糖の輸入関税の引き上げ(25%から40%)、  2)粗糖輸入に係る事前許可制度(ALS(Advanced Licensing Scheme))(注2)における再輸出までの期間の短縮(18カ月以内から6カ月以内)、 3)砂糖の副産物である糖みつを原料とするエタノールに係る消費税の非課税化(次年度(2015年10月)から)、といった対策の実施を決定してきた。

 加えて、政府は、生産者への原料代支払いを促進するため、60億ルピー(125億円)の予算を講じ、国内の製糖企業に対し、無利子融資を行うこととしている。企業ごとの融資は、原料代の未払額に応じて9月末までに行われることとなっている。

(注1)インド政府によると、粗糖の輸出補助金は2015年9月末までの措置としており、対象数量は140万トン、単価は1トン当たり4000ルピー(8360円(6月末TTS:1ルピー=2.09円))である。なお、単価は、米ドル為替に連動して2カ月ごとに設定された前年度の平均より同1000ルピー程度高く設定された。
(注2)精製後の輸出を条件に粗糖の輸入関税を免除する制度。
 
 
【生産・輸入動向】
2014/15年度の砂糖生産量は大幅に減少、輸入量は大幅に増加の見込み

 2014/15砂糖年度(10月〜翌9月)のサトウキビの収穫面積が141万ヘクタール(前年度比13.2%減)とかなり減少したことに加え、最大生産地である広西自治区が、天候不順により大幅な減産となることから、サトウキビ生産量は8226万トン(同22.7%減)と大幅な減少が見込まれる(表4)。この減産により、甘しゃ糖の生産量は1061万トン(同21.9%減)と大幅に減少する見込みである。

 他方、てん菜収穫面積は13万ヘクタール(前年度比4.1%減)、てん菜生産量は642万トン(同0.2%減)、てん菜糖生産量は80万トン(同1.1%減)の見込みである。この結果、砂糖生産量は1114万トン(同22.6%減)と大幅に減少する見込みである。

 中国砂糖協会によると、2014/15年度の製糖は6月で終了し、砂糖生産量(精製糖換算)は、1056万トン(前年度比20.7%減)と前年度を大幅に下回った。これは、てん菜糖生産量は前年度並みであるものの、広西自治区の甘しゃ糖生産量が634万トン(同25.9%減)と大幅に減少していることによる(図4)。

 中国政府は2015年4月、国際価格が下落傾向にある中で国内価格を安定させるべく、2015年の輸入量を350万トンに抑制することを発表し、輸入に対する統制をさらに強めることとした(注)

 しかしながら、5月の砂糖輸入量は前年同月の3倍近くに増加している。これは、1年で最も需要の高まる夏を控え、記録的な低価格水準にある外国産砂糖の引き合いが強くなったためと考えられる。

 なお、国内需要量から見た砂糖の輸入必要量として506万トン(前年度比40.4%増)が見込まれており、輸入量を抑制しつつ国内需要量を賄うためには、政府が備蓄砂糖を放出するなどの措置が必要になると予想される。

2015/16年度の砂糖生産量はわずかに減少の見込み
 2015/16年度は、植え付け時期に広西自治区が深刻な干ばつに見舞われたことから、サトウキビ収穫面積は131万ヘクタール(前年度比7.3%減)とかなり減少し、サトウキビ生産量は8054万トン(同2.1%減)となる見通しである。また、てん菜収穫面積は12万5000ヘクタール(同3.6%減)、てん菜生産量は624万トン(同2.7%減)と減少する見通しである。この結果、砂糖生産量は、1111万トン(同0.3%減)と見込まれる。

 中国政府は、6月に豪州との自由貿易協定に正式署名した。同協定が発効されれば、豪州産乳製品や牛肉などの輸入関税は段階的に削減され、牛肉などは発効から10年目まで、主要乳製品は発効から12年目までに関税が完全に撤廃されることとなった。なお、砂糖は同協定において関税削減の対象とはされていない。

(注)中国政府は2014年11月1日、関税割当(精製糖換算195万トン、枠内関税15%)の枠外(税率50%)で、安価な精製糖の輸入量が増加した結果、国内価格が下落して国内産砂糖の在庫が増加する事態となっていることを受け、輸入割当制度を見直し、枠外で輸入できる業者に登録を義務付けることとした。さらに、2015年1月、枠外数量の上限を190万トンと設定し、実質385万トンの輸入数量の上限を定めていた。
 
 
【生産・輸入動向】
2014/15年度の砂糖生産量は大幅に増加、輸入量は大幅に減少の見込み

 2014/15年度(10月〜翌9月)のてん菜の収穫面積は155万ヘクタール(前年度比3.7%増)とやや増加し、播種時の天候に恵まれたことから、てん菜生産量は1億1819万トン(同15.7%増)とかなり大きく増加する見込みである(表5)。また、砂糖の生産量は1932万トン(同16.0%増)とかなり大きく増加し、生産割当数量(精製糖換算で1353万トン)を超える見込みである。なお、生産割当数量を超えた分は、非食用(エタノールや工業製品)や輸出用などに向けられる。砂糖の輸入量は、生産量の増加を受けて308万トン(同21.4%減)と前年度を大幅に下回る見込みである。

2015/16年度の砂糖生産量は大幅に減少、輸入量は大幅に増加の見込み
 2015/16年度については、適度な気候に恵まれ、播種はおおむね平年並みに終了したものの、前年度の期末在庫の増加による砂糖価格下落への懸念から、てん菜の収穫面積は135万ヘクタール(前年度比12.9%減)とかなり減少するものと予想される。これに伴い、てん菜生産量は9642万トン(同18.4%減)、砂糖の生産量は1590万トン(同17.7%減)と、ともに大幅な減少が見込まれる。この減産を受け、砂糖の輸入量は、424万トン(同37.6%増)と大幅な増加が予想される。
 
 
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