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3. 世界の砂糖需給に影響を与える諸国の動向 (2015年8月時点予測)

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最終更新日:2015年9月10日

3. 世界の砂糖需給に影響を与える諸国の動向 (2015年8月時点予測)

2015年9月

ブラジル

 
【生産・輸出動向】
2014/15年度の砂糖生産量はやや減少、輸出量はかなり大きく減少の見込み

 LMC International(農産物の需給などを調査する英国の大手民間調査会社)の2015年8月現在の予測によると(以下、特段の断りがない限り同予測に基づく記述)、2014/15砂糖年度(4月〜翌3月)のサトウキビの収穫面積は、874万ヘクタール(前年度比3.9%増)とやや増加する見込みであるが、主要生産地であるサンパウロ州で、生育時期の干ばつが影響し単収が低下したことから、生産量は6億3193万トン(同3.0%減)となり、砂糖の生産量は3823万トン(以下、特段の断りがない限り砂糖に係る数量は粗糖換算。同5.7%減)とやや減少する見込みである。また、砂糖の輸出量は減産が響き、2487万トン(同12.9%減)とかなり大きく減少する見込みである(表2)。

2015/16年度の砂糖生産量はわずかに増加、輸出量はやや増加の見込み
 2015/16年度のサトウキビの収穫面積は885万ヘクタール(前年度比1.3%増)、生産量は6億4494万トン(同2.1%増)と、ともにわずかな増加が見込まれるものの、エルニーニョ現象の影響とされる過度な降雨によるサトウキビの出穂現象が見られており、サトウキビ重量と産糖量の低下が懸念されることから、砂糖の生産量は3841万トン(同0.5%増)と前年度並みにとどまる見込みである。砂糖の輸出量は2575万トン(同3.5%増)と、やや増加する見込みである。

 また、ブラジルサトウキビ産業協会(UNICA)(注1)が発表した2015/16年度の生産実績によると、ブラジル中南部地域の4〜7月のサトウキビ生産量は、2億7938万トン(前年同期比0.4%減)とわずかに減少し、砂糖の生産量は1350万トン(同10.8%減)とかなりの減少となっている。これは、過度な降雨により、サトウキビ1トン当たりの産糖量が50.06キログラム(同9.2%減)と品質が低下している上、砂糖の国際価格が低迷していることから、企業が砂糖よりも短期間で利益を回収できるエタノールへの仕向け量を増やしていることが影響しているものと考えられる。

 同報告によると、エタノール生産量は、1217万キロリットル(前年同期比2.6%増)となっている。また、7月の含水エタノール(注2)の国内販売量は、161万キロリットル(前年同月比48.0%増)と前月を更新して記録的な水準となり、輸出量も含めた4〜7月のエタノールの販売数量は、964万キロリットル(前年同期比20.4%増)に達している。

(注1)ブラジル全体の砂糖生産量の9割を占める中南部地域を区域としている団体。
(注2)自動車の燃料として用いられるエタノールには、含水と無水の2種類がある。含水エタノールは製造段階で蒸留した際に得られた水分を5%程度含み、フレックス車(ガソリンとエタノールいずれも燃料に利用できる自動車)でそのまま燃料として利用される。一方、無水エタノールは含水エタノールから水分を取り除いたアルコール100%で、ガソリンに混合して利用される。
 

インド

 
【生産・輸出動向】
2014/15年度の砂糖生産量は前年度を大幅に上回るも輸出量は大幅に減少する見込み

 2014/15砂糖年度(10月〜翌9月)のサトウキビの収穫面積は前年度並みにとどまるものの、高単収苗の普及に伴い単収の向上が見込まれることから、生産量は3億7418万トン(前年度比5.0%増)とやや増加する見込みである。また、天候に恵まれたことにより製糖歩留まりが向上していることから、砂糖の生産量は3052万トン(同16.2%増)と大幅に増加する見込みである(表3)。

 一方、砂糖の輸出量は、政府が粗糖に対する輸出補助金(注)を措置しているものの、国際価格が低迷していることから、250万トン(前年度比9.1%減)とかなり減少する見込みである。

2015/16年度の砂糖生産量はやや減少の見込み
 2015/16年度は、国内企業による生産者への原料代の支払いが滞っていることから、サトウキビの収穫面積は、523万ヘクタール(前年度比0.6%増)と前年度並みにとどまり、株出しほ場の増加により単収の低下が懸念されることから、生産量は3億5851万トン(同4.2%減)となり、砂糖生産量も、2890万トン(同5.3%減)と、ともにやや減少するものと見込まれる。

 インド砂糖製造協会(ISMA)が発表した2015/16年度の生産予測によると、サトウキビの作付面積は536万ヘクタール(前年度比0.7%増)とわずかに増加するものの、砂糖生産量は精製糖換算で2800万トン(同1.1%減)とわずかに減少する見込みである。これは、主要生産地であるウッタル・プラデーシュ州、タミルナードゥ州およびカルナータカ州でサトウキビの作付面積が増加しているものの、マハーラーシュトラ州が7月中に深刻な雨不足に見舞われ、同州の砂糖生産量は70万トン(同7.6%減)とかなりの減少が見込まれるためである。

 政府は、国内外の砂糖価格の低迷により在庫を抱え、負債に苦しむ国内企業を支援するため、60億ルピー(125億円)の予算を措置し、国内の製糖企業に対して無利子融資を行うことを決定した。企業ごとの融資は、原料代の未払額に応じて9月末までに行われることとなっており、これにより生産者への原料代支払いを促進することとしている。さらに、現地報道によれば、ガソリンへのエタノール混合率の義務付けを、現行の5%から10%に引き上げることが検討されている。これにより、エタノール需要量が2倍となり、少なくとも300万〜400万トンの砂糖在庫量の削減につながると試算されている。

(注)インド政府によると、粗糖の輸出補助金は2015年9月末までの措置としており、対象数量は140万トン、単価は1トン当たり4000ルピー(8400円(7月末TTS:1ルピー=2.10円))である。なお、単価は、米ドル為替に連動して2カ月ごとに設定された前年度の平均より同1000ルピー程度高く設定された。
 

中 国

 
【生産・輸入動向】
2014/15年度の砂糖生産量は大幅に減少、輸入量は大幅に増加の見込み

 2014/15砂糖年度(10月〜翌9月)のサトウキビの収穫面積が141万ヘクタール(前年度比13.2%減)とかなり減少したことに加え、最大生産地である広西自治区が、天候不順により大幅な減産となることから、生産量は8226万トン(同22.7%減)と大幅な減少が見込まれる(表4)。この減産により、甘しゃ糖の生産量は1061万トン(同21.9%減)と大幅に減少する見込みである。

 他方、てん菜の収穫面積は13万ヘクタール(前年度比4.1%減)、生産量は642万トン(同0.2%減)、てん菜糖生産量は80万トン(同1.1%減)の見込みである。この結果、砂糖生産量は1141万トン(同20.7%減)と大幅に減少する見込みである。

 一方、中国砂糖協会によると、2014/15年度の製糖は6月で終了し、砂糖生産量(精製糖換算)は、1056万トン(前年度比20.7%減)と前年度を大幅に下回った。これは、てん菜糖生産量が前年度並みであるものの、広西自治区の甘しゃ糖生産量が634万トン(同25.9%減)と大幅に減少していることによる(図3)。

 中国政府は2015年4月、国際価格が下落傾向にある中で国内価格を安定させるべく、2015年の輸入量を350万トンに抑制することを発表し、輸入に対する統制をさらに強めることとした(注)

 しかしながら、国内需要量から見た砂糖の輸入必要量として506万トン(前年度比40.4%増)が見込まれており、7月の砂糖輸入量は、前年同月の2倍近くに増加している。これは、記録的な低価格水準にある外国産砂糖の引き合いが強くなったためとみられている。

2015/16年度の砂糖生産量はわずかに減少の見込み
 2015/16年度は、サトウキビ収穫面積が131万ヘクタール(前年度比7.3%減)とかなり減少するものの、植え付け時の干ばつの影響が懸念されていた広西自治区で、7月に平年以上の降雨がもたらされたことから生産回復が期待されており、生産量は8054万トン(同2.1%減)とわずかな減少にとどまる見通しである。また、てん菜収穫面積は12万5000ヘクタール(同3.6%減)、生産量は624万トン(同2.7%減)と減少する見通しである。この結果、砂糖生産量は、1111万トン(同2.7%減)と見込まれる。

(注)中国政府は2014年11月1日、関税割当(精製糖換算195万トン、枠内関税15%)の枠外(税率50%)で、安価な精製糖の輸入量が増加した結果、国内価格が下落して国内産砂糖の在庫が増加する事態となっていることを受け、輸入割当制度を見直し、枠外で輸入できる業者に登録を義務付けることとした。さらに、2015年1月、枠外数量の上限を190万トンと設定し、実質385万トンの輸入数量の上限を定めていた。
 

E U

 
【生産・輸入動向】
2014/15年度の砂糖生産量は大幅に増加、輸入量は大幅に減少の見込み

 2014/15年度(10月〜翌9月)のてん菜の収穫面積は155万ヘクタール(前年度比3.7%増)とやや増加し、播種時の天候に恵まれたことから、生産量は1億1818万トン(同15.7%増)とかなり大きく増加する見込みである(表5)。また、砂糖の生産量は1932万トン(同16.0%増)とかなり大きく増加し、生産割当数量(精製糖換算で1353万トン)を超える見込みである。なお、生産割当数量を超えた分は、非食用(エタノールや工業製品)や輸出用などに向けられる。砂糖の輸入量は、生産量の増加を受けて314万トン(同20.0%減)と前年度を大幅に下回る見込みである。

2015/16年度の砂糖生産量は大幅に減少、輸入量は大幅に増加の見込み
 2015/16年度については、適度な気候に恵まれ、播種はおおむね平年並みに終了したものの、前年度からの繰り越し在庫の増加による砂糖価格下落への懸念から、てん菜の収穫面積は136万ヘクタール(前年度比12.3%減)とかなり減少すると予想される。また、7月は、英国で平年以上の降雨があった一方、フランスおよびドイツなどで干ばつが続いたことから、てん菜の生産量は9578万トン(同19.0%減)、砂糖の生産量は1580万トン(同18.2%減)と、ともに大幅な減少が見込まれる。この減産を受け、砂糖の輸入量は、425万トン(同35.6%増)と大幅な増加が予想される。

 なお、欧州委員会が8月中旬に発表した2015/16年度の生産予測によると、てん菜の1ヘクタール当たり収量は71.35トンで、一部の国での干ばつの影響で、前年度に比べ5.73トン減少する見込みである。
 
 
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
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