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鹿児島県における平成27年産さとうきびの生産状況および実績について

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最終更新日:2016年8月10日

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鹿児島県における平成27年産さとうきびの生産状況および実績について

2016年8月

公益社団法人 鹿児島県糖業振興協会
 

【要約】

 鹿児島県の平成27年産さとうきびは,収穫面積が前年比100%の1万171ヘクタールで、生産量は同107%の50万4409トンであった。  

 島別にみると沖永良部島、与論島で平年水準以上の単収に回復する一方,種子島、奄美大島では、26年10月の相次ぐ台風被害の影響による萌芽不良などにより,回復が遅れている。

1.さとうきびの位置付け

 さとうきびは、他作物に比べて、台風や干ばつに強く、鹿児島県南西諸島の7割強の農家が生産している基幹作物であり、製糖会社とともに、地域経済を支える重要な役割を担っている。

 さとうきびの平成26年農業産出額は、前年の約111億円から約11%減少した約99億円であり、耕種部門の第4位となっている(1位:米、2位:さつまいも、3位:茶(生葉))。

 鹿児島県では、18年6月に27年産を目標年とする「鹿児島県さとうきび増産計画」(以下「さとうきび増産計画」という)を策定し、生産者、製糖会社、関係機関・団体と連携しながら、栽培面積の確保や単収向上などの取り組みを進めてきた。

 しかし、23年産以降、台風などの気象災害や病害虫被害などにより、同計画で定めた目標を達成できていない状況が続いており、早期の生産回復・増産に向けた取り組みが喫緊の課題となっている。

 このため、各島ごとに、これまでの計画達成状況を検証・評価するとともに、現状における課題およびその解決方策などを整理し、新たに37年産を目標年とする計画として改定し、各般の施策を推進しているところである。
 
 

2.平成27年産さとうきびの生育状況

(1)種子島地域

ア.生育初期〜分けつ期
 生育初期は、比較的、気温・日照条件に恵まれたものの、前年10月の相次ぐ台風被害の影響などにより萌芽不良ほ場が多くみられた。適期の植え付け(春植え)や萌芽が良い早期株出し管理ほ場では、おおむね順調に生育したものの、6月以降は、低温・長雨・日照不足により生育が遅れ、茎数も少なかった。

イ.伸長期
 梅雨明け以降も、低温・長雨・日照不足などの影響で、茎伸長は緩慢に推移した。

ウ.登熟期
 11月中旬の降雨による倒伏などにより 受光態勢が悪くなるなど登熟が進まず、その後も周期的な降雨の影響などを受け、製糖期を通して糖度は上昇しなかった。

 また、1月には降雪に見舞われ、低温遭遇時間が長くなり、一部で被害が発生した。

(2)奄美地域

ア.生育初期〜分けつ期
 生育初期は、比較的、気温・日照条件に恵まれ、おおむね順調に生育したものの、島ごと、栽培型ごとにばらつきが見られた。

イ.伸長期
 7月末の台風被害(潮風害など)の影響はあったものの、9月以降は持ち直し、茎伸長は平年並みに推移した。

ウ.登熟期
 生育はおおむね良好で、糖度が上昇するなど、品質は回復したものの、年明け以降、降雨量、降雨回数が多かったことから、糖度上昇は緩慢であった。

3.平成27年産さとうきびの生産実績

(1)県全体

 収穫面積は1万171ヘクタール(前年比100%)、生産量は50万4409トン(同107%)となり、10アール当たり収量は4959キログラム(平年比86%)であった。

 生産量、10アール当たり収量ともに、さとうきび増産計画の目標(27年産)の7〜8割程度となっている。

 なお、生産量の99%(49万8918トン)は、分みつ糖原料用として6社7工場で集荷されている。

 



 


 栽培型別の収穫面積は、春植えが2040ヘクタール(構成比20%)、株出しが6859ヘクタール(同67%)、夏植えが1271ヘクタール(同13%)であった。さとうきび増産計画における株出し割合の目標は59%で、同計画の目標値を約8ポイント上回っている。
 

 
 品種別の収穫面積は、農林8号が46%を占め、次いで農林23号の20%、農林22号の15%、農林17号の3%の順であった。平成16年産で約7割を占めていた農林8号の比率が年々減少し、各地域の気象条件などに適した新たな品種への移行が進みつつある。
 
 
 
 

(2)各島の状況

ア.種子島(西之表市、中種子町、南種子町)
 収穫面積は2513ヘクタール(前年比93%)で、生産量は12万5292トン(同88%)となり、10アール当たり収量は4986キログラム(平年比71%)であった。

 株出しの比率は71%で、島別では最も高い。品種別では、農林8号が79%、早期高糖性の農林22号が16%を占める。

イ.奄美大島(奄美市他3町村)
 収穫面積は611ヘクタール(前年比95%)、生産量は2万1771トン(同98%)で、10アール当たり収量は3562キログラム(平年比74%)と、島別では最も低くなった。

 株出しの比率は72%であり、品種別では、農林22号が41%、農林23号が24%、農林17号が21%を占める。

ウ.喜界島(喜界町)
 収穫面積は1331ヘクタール(前年比96%)、生産量は7万4960トン(同115%)となり、10アール当たり収量は5634キログラム(平年比90%)であった。

 株出しの比率が63%を占める一方、夏植えの比率も25%と高い。品種別では、農林23号が34%、農林8号が33%を占める。

エ.徳之島(徳之島町、天城町、伊仙町)
 収穫面積は3727ヘクタール(前年比103%)で県全体の37%を占め、島別では最も多い。生産量は前年比112%の16万9195トンに増加したが、10アール当たり収量は4540キログラムと平年の9割程度にとどまった。

 株出しの比率は69%で、品種別では、農林8号が39%、農林23号が30%を占める。

オ.沖永良部島(和泊町、知名町)
 収穫面積は1575ヘクタール(前年比114%)、生産量は8万6484トン(同129%)と前年産から大きく増加した。10アール当たり収量は5490キログラム(平年比102%)であった。

 株出しの比率は59%と島別では最も低い。夏植えが30%を占め、島別では最も比率が高い。品種別では、農林8号が46%、農林22号が34%を占める。

カ.与論島(与論町)
 収穫面積は413ヘクタール(前年比101%)、生産量は2万6706トン(同116%)、10アール当たり収量は6460キログラム(平年比133%)と、前年産に引き続き生産回復が続いている。

 株出しの比率は76%を占め、品種別では、農林23号が62%を占める。
 
 

(3)ハーベスタによる収穫の状況

 さとうきびの労働時間の大半を占める収穫作業の省力化を図るため、国庫補助事業などを活用してハーベスタの導入が進められている。

 また、県では平成23年度から、低コストで持続的な生産体制の確立を図るため、耐用年数を経過したハーベスタの機能向上(長寿命化)に向けた事業を実施しており、27年度までに40台の取り組みを支援した(23年度:10台、24年度:14台、25年度:5台、26年度:8台、27年度:3台)。

 この結果、27年産では、収穫面積全体の88%、約8900ヘクタールでハーベスタ収穫が行われており、島別にみると、徳之島では最も高い93%となっている。
 

4.製糖工場の操業状況

 分みつ糖製造は、1島1社の体制となっており、6島6社(7工場)が操業している。

 分みつ糖工場における平成27/28年期の原料処理量は49万8918トンで、前年から3万3907トン増加した。買入糖度は13.86度で、前年から1.08度高くなった。
 
 

おわりに

 当県では、関係機関・団体と一体となり、各種補助事業などを活用して、早期の生産回復に向けて、収穫面積の確保や基本技術の励行などによる単収向上対策を推進するとともに、農業機械の導入、製糖関連施設の整備などへの支援などの取り組みを積極的に推進しているところである。

 また、さとうきび増産計画は、平成27年度に終期を迎えたことから、各島において、生産者および関係機関・団体、製糖会社などの総意に基づき、地域の実情を考慮し、実現可能な目標として27年12月末に改定したところであり、それぞれが自らの目標として、その実現に向けた取り組みを進めることが重要である。

 今後とも、改定したさとうきび増産計画で定めた37年産の目標達成に向け、関係機関・団体が一体となって、大規模経営体・農作業受託組織など担い手の育成や、農業共済制度への加入促進による「経営基盤の強化」、機械化一貫体系の普及・確立や地力増進による「生産基盤の強化」、病害虫防除対策および鳥獣被害対策の推進や優良品種の育成・普及による「技術対策」などに取り組むこととしている。
 
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713



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