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3. 世界の砂糖需給に影響を与える諸国の動向(2016年7月時点予測)

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最終更新日:2016年8月10日

3. 世界の砂糖需給に影響を与える諸国の動向(2016年7月時点予測)

2016年8月

 

2015/16年度の砂糖生産量はやや減少、輸出量はわずかに増加の見込み
 英国の調査会社Agra CEAS Consulting(農産物の需給などを調査する英国の大手民間調査会社)の2016年7月現在の予測によると(以下、特段の断りがない限り同予測に基づく記述)、2015/16砂糖年度(4月〜翌3月)のサトウキビ収穫面積は、900万ヘクタール(前年度比0.1%減)と前年度並みと見込まれ、単収の向上により、生産量は6億6559万トン(同4.9%増)と、やや増加が見込まれる(表2)。しかし、エルニーニョ現象の影響とされる過度な降雨により産糖量が減少していることから、砂糖生産量は3519万トン(粗糖換算(以下、特段の断りがない限り砂糖に係る数量は粗糖換算)、同5.7%減)とやや減少が見込まれる。一方、世界の主要生産国で減産が見込まれる中、砂糖需要は高まっていることから、輸出量は2512万トン(同1.9%増)とわずかな増加が見込まれる。これに伴い、期末在庫量は、76万トン(同70.0%減)と大幅な減少が見込まれる。

2016/17年度の砂糖生産量はかなり増加、輸出量は前年度並みの見込み
 2016/17年度のサトウキビ収穫面積は、収穫期の天候不順などにより前年度に収穫しなかったサトウキビの収穫面積も含め、959万ヘクタール(前年度比6.6%増)とかなりの増加が見込まれるものの、単収の低下が見込まれることから、生産量は6億8195万トン(同2.5%増)と、わずかな増加にとどまると見込まれる。一方で、2015年末ごろから国内の含水エタノール(注1)の価格が高騰しているため、製糖企業がエタノール需要の低下を見込んで、サトウキビの砂糖への仕向け割合を増やすとの予想から砂糖生産量は3750万トン(同6.6%増)とかなりの増加が見込まれる。世界の砂糖需要が引き続き高水準と見込まれることから、輸出量は2490万トン(同0.9%減)と前年度並みと見込まれる。

 ブラジルサトウキビ産業協会(UNICA)(注2)が発表した2016年4月〜6月の生産実績報告によると、同国中南部地域のサトウキビ圧搾量は、2億1462万トン(前年同期比9.6%増)とかなり増加した。砂糖生産量も1098万トン(同19.9%増)と大幅に増加した。これは、サトウキビ圧搾量の増加に加え、サトウキビ1トン当たりの産糖量が51.2キログラム(同9.4%増)とかなり増加していることや、企業が砂糖への仕向け割合を増やしているためとみられる。同報告によると、同期間のエタノール生産量も、884万キロリットル(同5.5%増)とやや増加した。

 一方、同期間の輸出量も含めたエタノールの販売数量は、691万キロリットル(同0.8%減)となっている。このうち、含水エタノールの国内販売量は、388万キロリットル(同13.4%減)と、エタノールのガソリンに対する価格優位性が低下したことなどから、かなり減少した。

 現地報道によると、連邦政府が税収の増加を目的に、ガソリンに対する国税の燃料税(CIDE)の増税を行うとの見方が強まっている。現行の1リットル当たり0.1レアル(3円(6月末日TTS:1レアル=32円))から引き上げられれば、エタノールのガソリンに対する価格優位性が高まり、エタノール需要が増加し、製糖企業がサトウキビのエタノールへの仕向け割合を増加させる可能性も考えられる。しかし、現在国際砂糖価格も上昇傾向にあることから、サトウキビの砂糖およびエタノールへの仕向け割合は企業判断とサトウキビの品質にも左右されるものと思われる。

 また、7月14日にサントス港のルモ社の砂糖輸出ターミナルで火災が発生したとの報道もあった。同社によると、倉庫同士をつなぐベルトコンベアで火災が発生し、荷積みおよび荷下ろし作業が一時中断されたが、その後すぐに消し止められ、倉庫内の砂糖や穀物に被害はなく、1時間余りで復旧したとのことである。
 
(注1)自動車の燃料として用いられるエタノールには、含水と無水の2種類がある。含水エタノールは製造段階で蒸留した際に得られた水分を5%程度含み、フレックス車(ガソリンとエタノールいずれも燃料に利用できる自動車)でそのまま燃料として利用される。一方、無水エタノールは含水エタノールから水分を取り除きアルコール100%としたもので、ガソリンに混合して利用される。
(注2)ブラジル全体の砂糖生産量の9割を占める中南部地域を区域としている団体。

 

 

 

 

2015/16年度の砂糖生産量はかなり減少、輸出量は大幅増の見込み
 2015/16砂糖年度(10月〜翌9月)のサトウキビ収穫面積は506万ヘクタール(前年度比0.1%減)と前年度並みと見込まれるものの、生産量は3億5889万トン(同0.9%減)と、干ばつの影響によりわずかな減少が見込まれる(表3)。産糖量の減少も見られることから、砂糖生産量は2720万トン(同11.2%減)と、かなりの減少が見込まれる。

 砂糖輸出量は、420万トン(同61.0%増)と大幅な増加が見込まれている。この予測は、中央政府が6月16日、国内供給の確保および高騰している国内砂糖価格の統制のため、砂糖の輸出関税(20%)の導入を決定したものの、7月6日になって、粗糖を輸入して6カ月以内に再輸出する精製糖に限り、当該輸出関税を免除すると発表したことが背景にある。

 インド砂糖製造協会(ISMA)は7月上旬、6月の観測結果を基にした2016/17年度の生産予測を公表した。これによると、サトウキビ栽培面積は499万ヘクタール(同5.5%減)とやや減少し、砂糖生産量は精製糖換算で2326万トン(同7.3%減)とかなり減少する見込みである。これは、主要生産地であるウッタルプラデシュ州やタミルナド州でサトウキビ栽培面積が拡大し、砂糖生産量の増加が見込まれる一方、昨年の干ばつと生育時期の降雨不足の影響を受け、マハラシュトラ州の砂糖生産量が615万トン(同26.9%減)と大幅に減少すると見込まれるためである(図3)。この予測の通りとなれば、最大の生産州であったマハラシュトラ州は、ウッタルプラデシュ州に次ぐ第2位に転ずることとなる。
 
 

 

 

 

 

2015/16年度の砂糖生産量は大幅減、輸入量はかなり増加の見込み
 2015/16砂糖年度(10月〜翌9月)は、サトウキビについては、砂糖の国際価格が低水準にあったこともあり、生産者が果物や野菜などの他作物へ転作する動きが見られたことや、労働費の上昇により新植が進まないことから、収穫面積は166万ヘクタール(前年度比5.7%減)とやや減少が見込まれ、生産量は1億1730万トン(同6.6%減)とかなりの減少が見込まれる(表4)。

 一方、てん菜については、最大生産地である新疆ウイグル自治区の減産により、収穫面積は14万ヘクタール(同2.6%減)、生産量は734万トン(同8.3%減)と、ともに減少が見込まれる。天候不順からサトウキビおよびてん菜からの産糖量も減少していることが響き、砂糖生産量は、947万トン(同17.4%減)と大幅な減少が見込まれる。

 中国砂糖協会(CSA)によると、2015/16年度の製糖は6月で終了し、砂糖生産量は、精製糖換算で870万トン(同17.6%減)と前年度を大幅に下回った(図4)。これは、てん菜糖は85万トン(同15.2%増)とかなり増加したものの、甘しゃ糖が785万トン(同20.0%減)と大幅に減少したことによる。サトウキビの最大生産地である広西チワン族自治区は、1月に降霜、降雪に見舞われたため、収穫が遅れ、産糖量が減少したことから、511万トン(同19.4%減)と大幅に減少した。

 また、砂糖輸入量は、537万トン(同10.2%増)とかなりの増加が見込まれる。これと併せて、ミャンマーやカンボジアなどからの「非公式な」砂糖の流入の急増が、国内生産量の減少を補っている可能性も推測される。

 6月下旬、中南部のサトウキビ生産地である安徽省や湖南省を含む長江流域が豪雨に見舞われた。このため、2016/17年度の砂糖生産への影響が懸念されている。
 

 

 

 

 

2015/16年度の砂糖生産量は大幅減、輸入量は大幅増の見込み
 2015/16砂糖年度(10月〜翌9月)は、播種時の天候に恵まれたものの、前年度末の在庫量の増加により砂糖価格の下落が懸念されたことから、てん菜収穫面積は144万ヘクタール(前年度比12.0%減)とかなりの減少が見込まれる(表5)。また、夏の熱波の影響によるポーランドやドイツなどの減産見通しにより、てん菜生産量は1億516万トン(同19.7%減)、砂糖生産量は1475万トン(同23.6%減)と、ともに大幅な減少が見込まれる。

 この減産を受け、砂糖輸入量は、402万トン(同16.4%増)と大幅な増加が見込まれる。欧州委員会は5月末、EU域内の砂糖在庫量が過去10年で最低水準と見込まれ、需給のひっ迫を懸念した食品メーカーなどの実需者から、特別な対策を講じるよう強く迫られていたが、2015/16年度の域内供給に関して特段の措置は講じないことを決定した。

 同委員会は7月8日、砂糖を含む農産物の短期需給見通しを公表した。これによると、2015/16年度のてん菜生産量は、この10年間で最低水準の1億180万トン(同21.8%減)、砂糖生産量は1490万トン(同23.6%減)と、ともに大幅な減少が見込まれる。2016/17年度のてん菜生産量は、2017年9月末の生産割当制度の廃止に向けた在庫抑制のため、生産が制限されていることから、1億680万トン(同4.9%増)とやや増加するにとどまると見込まれるものの、平均的な製糖歩留まりであれば、砂糖生産量は1630万トン(同9.4%増)と、かなりの増加が見込まれる。

 

 

 

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