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2. 主要国の砂糖需給(2015/16年度9月予測値)

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最終更新日:2016年10月11日

2. 主要国の砂糖需給(2015/16年度9月予測値)

2016年10月

図2
【生産量】
 2015/16年度(10月〜翌9月)の主要国の砂糖生産量は、最大生産国であるブラジルが、3950万トン(前年度比13.8%増)とかなりの増加が見込まれている。これは、エタノール需要の低下や国際砂糖価格の上昇により、製糖企業がサトウキビの砂糖への仕向け割合を増やしていることなどが要因として挙げられる。また、米国は、サトウキビ、てん菜ともに単収の向上により生産量が増加していることから、810万トン(同3.3%増)とやや増加が見込まれている。ロシアは、てん菜収穫面積が増加したことに加え、生育時の天候に恵まれてん菜生産量が増加したことから、砂糖生産量は566万トン(同14.9%増)とかなりの増加が見込まれている。

 一方、生産量上位国であるインドやEU、タイ、中国は減少が見込まれている。特にEUは、前年度の生産量が全域で生産割当数量を超えた反動で、てん菜収穫面積が減少したことに加え、夏の干ばつの影響によるポーランドやドイツなどの減産により、1475万トン(同23.6%減)と大幅な減少が見込まれている(図2)。

【輸入量】
 2015/16年度の主要国の砂糖輸入量は、最大輸入国である中国が576万トン(前年度比18.3%増)、インドネシアが390万トン(同22.1%増)、インドが205万トン(同57.5%増)といずれも大幅な増加が見込まれている。中でも、インドネシアは、エルニーニョ現象の影響から砂糖生産量が減少しており、旺盛な国内需要を充足するため、主にタイから積極的な粗糖の輸入を行っているとみられる。一方、バングラデシュは、海外からの安価な砂糖の流入により国内の砂糖価格が下落したため、同国政府が2015年8月に砂糖に係る輸入関税の引き上げを行ったことなどが影響し、210万トン(同11.8%減)とかなりの減少が見込まれている。

【消費量】
 2015/16年度の主要国の砂糖消費量は、最大消費国であるインドが2783万トン(前年度比0.1%減)、次いでEUが1933万トン(同0.3%増)とともに前年度並みと見込まれている。
 
 一方、経済成長や人口増加の著しいアジア圏の増加が見込まれており、中国が1710万トン(同3.0%増)、インドネシアが678万トン(同3.5%増)とやや増加、パキスタンが513万トン(同2.5%増)とわずかな増加が見込まれている。米国やロシアは、それぞれ1103万トン(同1.1%増)、598万トン(同1.7%増)といずれも安定した消費量の推移が見込まれている。

 他方、ブラジルは、国内経済低迷の影響などにより1人当たり消費量が減少し、1200万トン(同1.1%減)とわずかな減少が見込まれている。

【輸出量】
 2015/16年度の主要国の砂糖輸出量は、最大輸出国であるブラジルが2901万トン(前年度比22.4%増)、インドが402万トン(同54.1%増)といずれも大幅な増加が見込まれている。インドは、後述するように、中央政府が、粗糖を輸入し6カ月以内に再輸出する精製糖を輸出関税の対象外としたことから、精製糖の輸出量の増加が見込まれるためと思われる。また、アラブ首長国連邦についても、輸入した粗糖から生産した精製糖の輸出量が増加していることなどから、212万トン(同14.8%増)とかなり増加が見込まれている。
 
 一方、タイは、インドネシアへの粗糖の輸出が堅調であるものの精製糖の輸出が低迷していることから、808万トン(同0.1%増)と前年度並みと見込まれている。

 他方、グアテマラは209万トン(同16.0%減)、キューバは80万トン(同27.3%減)とともに大幅な減少が見込まれている。グアテマラは主要輸出先国である韓国への輸出量の減少、キューバはエルニーニョ現象の影響による生産量の減少などが要因として挙げられる。
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