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4. 日本の主要輸入先国の動向(2016年11月時点予測)

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最終更新日:2016年12月9日

4. 日本の主要輸入先国の動向(2016年11月時点予測)

2016年12月

 近年、日本の粗糖(甘しゃ糖・分みつ糖(HSコード1701.14110)および甘しゃ糖・その他(同1701.14200)の合計)の主要輸入先国は、タイ、豪州、南アフリカ、フィリピン、グアテマラであったが、 2015年の主要輸入先国ごとの割合は、タイが56.0%(前年比1.9ポイント減)、豪州が39.0%(同8.7ポイント増)、グアテマラが4.9%(同3.2ポイント増)と、この3カ国でほぼ全量を占めている(財務省「貿易統計」)。

 
タイおよび豪州は毎月の報告、南アフリカ、フィリピン、グアテマラについては、原則として3カ月に1回の報告とし、今回はフィリピンを報告する。

タイ
2015/16年度の砂糖生産量はかなり減少、輸出量はやや減少の見込み
 2015/16砂糖年度(10月〜翌9月)は、コメからの転作が前年度ほど進まず、サトウキビ収穫面積は141万ヘクタール(前年度比0.6%増)となるものの、干ばつの影響による単収の低下のため、生産量は9405万トン(同10.9%減)と、かなりの減少が見込まれる(表6)。
表6 タイの砂糖需給の推移
 また、サトウキビ生育時期の干ばつと成熟時期の過度な降雨によって産糖量の減少が見られることから、砂糖生産量も1003万トン(同13.4%減)と、かなりの減少が見込まれる。

 タイ製糖協会の生産実績報告によると、2015/16年度のサトウキビ圧搾は前年度より約1カ月早い4月10日をもって終了し、圧搾量は9405万トン(同11.2%減)とかなり減少した。そのため、砂糖生産量も978万トン(同13.5%減)とかなり減少した。

 砂糖輸出量は、インドネシアへの粗糖輸出が好調であるものの、ミャンマーなど一部の国への精製糖輸出の低迷などにより、781万トン(同3.3%減)とやや減少が見込まれる。

2016/17年度の砂糖生産量はやや減少、輸出量はかなり減少の見込み
 
2016/17年度は、キャッサバなどの他作物へ転換を図る生産者も見られることから、サトウキビ収穫面積は1408000ヘクタール(前年度比0.2%減)と前年並みとなる一方、長引く干ばつの影響により特に新植サトウキビの生育不良が見られるものの前年度ほど単収は低下しないと見込まれることから、生産量は1億436万トン(同11.0%増)と、かなりの増加が見込まれる。

 
しかし、干ばつの影響によるサトウキビの生育不良のため、例年より約1カ月遅れの12月から収穫が開始されることから、製糖歩留まりの低下が予想され、砂糖生産量は、970万トン(同3.2%減)とやや減少が見込まれている。それに伴い、輸出量も729万トン(同6.6%減)と、かなりの減少が見込まれる。

 
一方、サトウキビ・砂糖委員会事務局(OCSB(注1)10月上旬、2014年から続いている干ばつの影響によりサトウキビの枯死が引き起こされていることなどから、2016/17年度のサトウキビ生産量は9100万トン、砂糖生産量は930万〜940万トンとの予測を発表した。

 
また、OCSBは9月、製糖能力の増強とともに、製糖副産物を利用したバイオプラスチック産業などの振興を図るため、環境影響評価の取得と5年以内の着工を条件に、25の製糖工場の新設と17の製糖工場の増設を承認した。

 
ブラジル政府により4月にWTOに提訴されている問題(注2)で、タイ政府は11月3日、ブラジルとの二国間協議の場に、10月中旬に閣議承認された砂糖政策の改革案を提出した。この改革案には、砂糖産業全体の収益をサトウキビ生産者と製糖業者で7:3の割合で分配する収益分配方式や販売割当(注3)を廃止するとともに、政府が設定している国内の砂糖価格を変動制に移行することが盛り込まれている。現地報道によると、現在、1キログラム当たり23.5バーツ(72円:10月末日TTS:1バーツ=3.07円)に固定されている砂糖の小売価格には、変動幅が同1バーツから2バーツ(3〜6円)となるよう天井価格が設けられるという。タイ政府は、この改革案の来年度からの施行を目指し調整を行っている。

(注1)タイのサトウキビおよび砂糖関連政策の執行機関である3省(工業省(製糖関係)、農業協同組合省(原料作物関係)、商務省(砂糖の売買関係))とサトウキビ生産者および製糖企業の代表で構成され、工業省内に設置された「サトウキビ・砂糖委員会(TCSB)」の事務局。

(注2)ブラジル政府は、タイ政府が、国際砂糖価格の低迷時などに製糖企業を通じて生産者に支払われる補てん金や、砂糖の販売割当制度および国内販売価格の設定は、間接的な輸出補助金に当たり国際貿易協定に違反しているとして、4月初旬にWTOに提訴していた。

(注3)タイ産砂糖は、A割当と呼ばれる国内供給向けとB割当およびC割当と呼ばれる輸出向けなどの販売割当制度が行われている。

 

参考) タイの砂糖(粗糖・精製糖別)の輸出量および輸出単価の推移
豪州
2015/16年度の砂糖生産量はやや増加、輸出量はわずかに増加の見込み
 2015/16砂糖年度(7月〜翌6月)は、特にアジアへの輸出需要の高まりから、サトウキビ収穫面積は39万ヘクタール(前年度比8.3%増)と、かなりの増加が見込まれるものの、主産地であるクイーンズランド(QLD)州が一時干ばつに見舞われたため、生産量は3310万トン(同2.3%増)とわずかな増加にとどまるものと見込まれる(表7)。
 また、砂糖生産量は495万トン(同3.6%増)、輸出量は376万トン(同1.9%増)と、ともに増加が見込まれる。
 
表7 豪州の砂糖需給の推移
2016/17年度の砂糖生産量はやや増加、輸出量はかなり増加の見込み
 2016/17年度は、サトウキビ収穫面積が42万ヘクタール(前年度比5.8%増)、生産量が3443万トン(同4.0%増)と、ともにやや増加が見込まれている。現地報道によると、ニューサウスウェールズ州やQLD州の一部地域で降雨が続いたことから、5月下旬に開始されたサトウキビの圧搾作業は、一時遅れが生じたものの、その後の天候回復に伴い、各製糖企業により稼働率を上げて行われている。

 サトウキビの増産に加え、製糖歩留まりの向上も見られることから、砂糖生産量は523万トン(同5.8%増)と、やや増加が見込まれている。これを受け、輸出量は401万トン(同6.6%増)と、かなりの増加が見込まれている。

  現地報道によると、米国大統領選挙の結果を受けて、サトウキビ生産者団体であるCanegrowersは、2016年2月に締結された環太平洋パートナーシップ協定(TPP)について、米国の前向きな取り組みを要求している。TPPにおいて、豪州は、米国に対する年間6万5000トンの追加輸出枠を獲得し、輸出割当数量は合計15万トンに拡大するとされた。
フィリピン
2015/16年度の砂糖生産量はやや減少、輸出量は大幅増の見込み
 2015/16砂糖年度(9月〜翌8月)のサトウキビの収穫面積は、42万ヘクタール(前年度比3.6%減)、生産量は3085万トン(同4.7%減)と、ともにやや減少が見込まれている(表8)。これは、前年から続いている干ばつの影響によるサトウキビの生育不良に加え、トウモロコシやパイナップルなど他作物への転換を図る生産者も見られたためと考えられる。そのため、砂糖生産量も224万トン(同3.5%減)とやや減少が見込まれる。

 一方、砂糖輸出量は、17万トン(同3.6倍)と大幅な増加が見込まれる。これは、米国向け輸出の関税割当数量13万5508トンを満たすため、砂糖統制委員会(SRA)(注)が同年度に限り、国内の輸入業者が輸入する砂糖1.25トン当たり1トンを米国向けに再輸出することを許可したためと思われる。
 
表8 フィリピンの砂糖需給の推移
2016/17年度の砂糖生産量は前年度並み、輸出量は大幅減の見込み
 2016/17年度は、サトウキビ収穫面積が42万ヘクタール(前年度比0.4%増)、生産量が3062万トン(同0.7%減)と、ともにほぼ前年度並みと見込まれている。また、砂糖生産量も225万トン(同0.4%増)とほぼ前年度並みと見込まれている。
  一方、砂糖輸出量は、14万トン(同17.2%減)と大幅な減少が見込まれている。

 SRAは、2016/17年度の砂糖生産量を225万トン(前年度比0.6%増)と見込んでおり、このうち米国への関税割当数量18万トンを除いた207万トンを国内供給に充てるとしている。また、国内供給の不足分は、主にタイなどからの精製糖輸入により充当するものとみられている。

(注)砂糖の供給管理政策など国内砂糖産業の管理・監督などを実施する政府機関。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713



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