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3. 世界の砂糖需給に影響を与える諸国の動向(2017年4月時点予測)

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最終更新日:2017年5月10日

3. 世界の砂糖需給に影響を与える諸国の動向(2017年4月時点予測)

2017年5月

ブラジル

2016/17年度の砂糖生産量、輸出量はともにかなり増加の見込み
 英国の調査会社Agra CEAS Consulting(農産物の需給などを調査する英国の大手民間調査会社)の2017年4月現在の予測によると(以下、特段の断りがない限り同予測に基づく記述)、2016/17砂糖年度(4月〜翌3月)のサトウキビ収穫面積は、天候不順などにより前年度に収穫しなかったものも含まれたため、911万ヘクタール(前年度比5.3%増)とやや増加が見込まれるものの、サトウキビの新植が進まず単収は低下するため、生産量は6億8195万トン(同2.5%増)と、わずかな増加にとどまると見込まれている(表2)。

 一方、国際砂糖価格の上昇により、企業がサトウキビを砂糖へ仕向ける割合が増加していることに加え、製糖歩留まりが向上していることなどから、砂糖生産量は、4060万トン(粗糖換算〈以下、特段の断りがない限り砂糖に係る数量は粗糖換算〉、同15.4%増)とかなりの増加が見込まれる。こうした砂糖の増産に伴い、輸出量は過去最高の2874万トン(同14.4%増)とかなりの増加が見込まれる。

 また、ブラジルサトウキビ産業協会(UNICA)(注1)が発表したブラジル中南部地域の生産実績報告によると、2016/17年度のサトウキビ圧搾量は、6億714万トン(前年度比1.7%減)とわずかに減少したものの、砂糖生産量は3563万トン(同14.1%増)とかなり増加している。これは、サトウキビ1トン当たりの産糖量が58.7キログラム(同16.1%増)と大幅に増加していることや、企業が砂糖への仕向け割合を増やしているためとみられる。なお、同報告によると、エタノール生産量は、2565万キロリットル(同9.1%減)とかなり減少した。また、輸出量も含めたエタノールの販売量は、2597万キロリットル(同11.3%減)となった。このうち、含水エタノール(注2)の国内販売量は、在庫量の減少などに伴いエタノール価格が高騰したため、1433万キロリットル(同17.4%減)となった。

2017/18年度の砂糖生産量、輸出量ともに前年度並みの見込み
 2017/18年度のサトウキビ収穫面積は、915万ヘクタール(前年度比0.4%増)、生産量は6億8475万トン(同0.4%増)と、ともに前年度並みにとどまると見込まれている。このため、砂糖生産量も、4077万トン(同0.4%増)と、前年度並みにとどまると見込まれるが、期首在庫量が低水準にあることから、輸出量は2870万トン(同0.1%減)にとどまると見込まれている。

 政府は3月17日、2010年に撤廃したエタノールの輸入関税(20%)の再導入を検討することを発表した。この背景には、エタノール生産量の減少などにより、米国からのエタノール輸入量が急増し、国内で製造されたエタノールの流通量が抑制されていることがあるとみられる。例年、エタノール取引価格は製糖期間の端境期において上昇するが、1月中旬から下落していたことから、北東部の砂糖エタノール製造企業は、国内産業を保護するよう政府に要請していた。

(注1)ブラジル全体の砂糖生産量の9割を占める中南部地域を区域としている団体。
(注2)自動車の燃料として用いられるエタノールには、含水と無水の2種類がある。含水エタノールは製造段階で蒸留した際に得られた水分を5%程度含み、フレックス車(ガソリンとエタノールいずれも燃料に利用できる自動車)でそのまま燃料として利用される。一方、無水エタノールは含水エタノールから水分を取り除きアルコール100%としたもので、ガソリンに混合して利用される。

表2 ブラジルの砂糖需給の推移

(参考)ブラジルの砂糖(粗糖・精製糖別)の輸出量および輸出単価の推移

インド

2016/17年度の砂糖生産量、輸出量ともに大幅減の見込み
 2016/17砂糖年度(10月〜翌9月)のサトウキビ収穫面積は 474万ヘクタール(前年度比 6.2%減)、生産量は3億3193万トン(同7.5%減)と、ともに干ばつの影響によりかなりの減少が見込まれている。さらに、砂糖生産量も、2200万トン(同19.6%減)と、製糖歩留まりの低下が見込まれ大幅な減少が見込まれている(表3)。

 インド砂糖製造協会(ISMA)は3月初旬、 2016/ 17年度の砂糖生産見通しを発表した。これによると、1〜2月にかけてマハラシュトラ州やカルナタカ州などで当初の予想以上に単収が低下していることなどから、同年度の砂糖生産量は、1月下旬発表の生産見通しより精製糖換算で100万トン下方修正され、2030万トンと見込まれている。また、ISMAが発表した2016年10月〜翌2月の生産実績報告によると、砂糖生産量は、1625万トン(前年同期比18.5%減)となった。地域別に見ると、サトウキビ栽培面積が拡大し、最大の生産州になると見込まれているウッタルプラデシュ州では625万トン(同16.7%増)と大幅に増加した(図3)。一方で、マハラシュトラ州やカルナタカ州は、それぞれ412万トン(同41.7%減)、205万トン(同43.3%減)と大幅な減少となった。これは、干ばつの影響でサトウキビ生産量が減少し、製糖工場が、原料不足から早期の操業終了を余儀なくされているためであり、マハラシュトラ州においては過去10年間で最も少ない生産量となった。

 中央政府は、砂糖の減産により2015年末から国内の砂糖価格が高騰していることを受け、国内市場での砂糖の流通量を増やし、価格の安定化を図るため、2016年6月中旬以降、砂糖の輸出(粗糖を輸入して6カ月以内に再輸出する精製糖や2500トンのオーガニックシュガーを除く)に対し、輸出関税(20%)を導入している。さらに、製糖企業に対する砂糖在庫量の上限(注)を2017年4月まで設定している。これらにより、砂糖輸出量は、162万トン(前年度比60.5%減)と大幅な減少が見込まれている。

 一方、砂糖輸入量は、212万トン(同11.1%増)とかなりの増加が見込まれており、同国は純輸出国から純輸入国へ転ずる可能性が高まっている。 中央政府は4月、6月30日までに輸入される粗糖50万トンについて無税での輸入を許可することを公表した。当該措置は3月中旬には当面実施しないとしていたが、干ばつにより砂糖生産量が大幅に減少し、生産量が消費量を下回ると見込まれること、また、マハラシュトラ州の製糖企業らによる再輸出用粗糖100万トンの輸入申請が行われたことなどを受けて実施されることとなった。

(注)中央政府は、貿易業者に限定していた砂糖在庫量の上限設定を製糖企業にも適用することとし、各製糖企業が保持できる在庫量は、2016年9月末時点では2015/16年度の砂糖生産量の37%、同年10月末時点では同24%を上限と設定していた。

表3 インドの砂糖需給の推移

図3 インドの地域別甘しゃ糖生産実績(10月〜翌2月の生産量)

(参考)インドの砂糖(粗糖・精製糖別)の輸出量および輸出単価の推移

中国

2016/17年度の砂糖生産量はかなり増加、輸入量は大幅減の見込み
 2016/17砂糖年度(10月〜翌9月)は、サトウキビについては、収穫面積が183万ヘクタール(前年度比10.0%増)、生産量が1億2652万トン(同7.9%増)と、ともにかなりの増加が見込まれている。これは、最大生産地域である広西チワン族自治区や海南省における栽培面積の増加に加えて、良好な生育状況が要因である(表4)。

 てん菜についても、収穫面積は15万ヘクタール(同10.0%増)とかなり増加し、生産量は771万トン(同5.0%増)とやや増加が予想されている。これは、主要生産地である内モンゴル自治区の増加などが要因である。これらにより、砂糖生産量は、1069万トン(同13.0%増)とかなりの増加が見込まれている。

 また、中国砂糖協会(CSA)が発表した2016年10月〜翌3月の生産実績報告によると、砂糖生産量は精製糖換算で822万トン(前年同期比2.8%増)とわずかに増加した(図4)。これは、サトウキビおよびてん菜の栽培面積拡大により、甘しゃ糖が719万トン(同0.5%増)、てん菜糖が103万トン(同22.2%増)と、ともに増加したことによる。

 なお、CSAが先に発表した2016/17年度砂糖生産見通しによると、精製糖換算で、甘しゃ糖が896万トン(前年度比14.1%増)、てん菜糖が104万トン(同22.4%増)と、ともに増加し、全体で1000万トン(同15.1%増)とかなりの増加が見込まれている。特に、広西チワン族自治区の甘しゃ糖生産量は600万トン(同17.4%増)、内モンゴル自治区のてん菜糖生産量が47万トン(同65.5%増)と、ともに大幅な増加が見込まれている。

 さらに、中央政府は1月、備蓄砂糖約25万トンを国内企業へ売り渡した。これにより、2016年10月から4回の入札が実施され、1月時点で合計約65万トンが企業に売り渡されたこととなる。CSAは2016/17年度に200万トン程度、2017/18年度も同程度の備蓄砂糖の放出を見込んでいる。このため、砂糖輸入量は、415万トン(同33.1%減)と大幅な減少が見込まれている。

 また、政府は、2016年9月から開始した砂糖の輸出国によるダンピング疑惑の調査期間について、当初予定より1カ月長い、5月22日まで延長すると発表した。本調査は、海外からの安価な砂糖の流入により、国内の砂糖産業に影響が生じていることから開始したものであり、調査対象は、輸入量が急増した2011年以降で、粗糖の上位輸入先国であるブラジルおよび豪州ならびに精製糖の主な輸入先国である韓国などが対象国となっている。

表4 中国の砂糖需給の推移

図4 中国の砂糖生産実績(10月〜翌3月の生産量)

(参考)中国の砂糖(粗糖・精製糖別)の輸入量および輸入単価の推移

EU

2016/17年度の砂糖生産量はかなり増加、輸入量はかなり減少の見込み
 2016/17砂糖年度(10月〜翌9月)は、てん菜収穫面積が159万ヘクタール(前年度比10.8%増)、生産量は1億1218万トン(同6.7%増)と、ともにかなりの増加が見込まれている(表5)。2017年10月以降の生産割当の廃止を目前に、生産量上位国であるフランスやドイツでは、在庫増への懸念から栽培面積の拡大に慎重になっているとみられる一方、ポーランドやオランダなどでは栽培面積を前年度から約2割増加させるなど、積極的に増産する動きも見られている。記録的な生産量となった2014/15年度に比べ、春先の低温や降雨のため単収が低下すると見込まれているものの、前年度と比べて産糖量の増加が見込まれていることなどから、砂糖生産量は、1707万トン(同12.7%増)とかなりの増加が見込まれている。砂糖の増産に伴い、砂糖輸入量は、320万トン(同14.1%減)とかなりの減少が見込まれている。

 一方、欧州委員会が2016年12月下旬に公表した2016/17年度の生産予測によると、砂糖生産量は精製糖換算で1666万トン(同11.6%増)とかなり増加し、砂糖輸入量は350万トン(同0.3%増)と前年度並みにとどまると見込まれている。

表5 EUの砂糖需給の推移

(参考)EUの主要国別砂糖生産見込みおよび生産割合

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