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4. 日本の主要輸入先国の動向(2017年5月時点予測)

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最終更新日:2017年6月9日

4. 日本の主要輸入先国の動向(2017年5月時点予測)

2017年6月

 近年、日本の粗糖(甘しゃ糖・分みつ糖〈HSコード1701.14−110〉および甘しゃ糖・その他〈同1701.14−200〉の合計)の主要輸入先国は、タイ、豪州、南アフリカ、フィリピン、グアテマラであったが、2016年の主要輸入先国ごとの割合は、豪州が52.2%(前年比13.2ポイント増)、タイが47.7%(同8.3ポイント減)と、この2カ国でほぼ全量を占めている(財務省「貿易統計」)。

  豪州およびタイは毎月の報告、南アフリカ、フィリピン、グアテマラについては、原則として3カ月に1回の報告とし、今回はフィリピンを報告する。

豪州

2016/17年度の砂糖生産量はやや増加するも輸出量はやや減少の見込み
 2016/17砂糖年度(7月〜翌6月)のサトウキビ収穫面積は39万ヘクタール(前年度比3.2%増)とやや増加し、生産量は3550万トン(同1.9%増)とわずかな増加が見込まれている(表6)。 サトウキビの増産に加え、製糖歩留まりの向上も見られることから、砂糖生産量は523万トン(同3.3%増)とやや増加が見込まれている。一方、中国向けの減少などに伴い、輸出量は400万トン(同3.8%減)とやや減少が見込まれている。
 
 豪州農業資源経済科学局(ABARES)は3月7日、2016/17年度および2017/18年度の生産見通しを発表した。これによると、2016/17年度の砂糖生産量は、収穫面積の拡大に伴うサトウキビ生産量の増加により、509万トン(同3.4%増)とやや増加が見込まれ、また、砂糖輸出量も429万トン(同3.6%増)とやや増加が見込まれている。2017/18年度も、引き続き、サトウキビの収穫面積の拡大および生産量の増加が予想されることから、砂糖生産量は516万トン(同1.5%増)とわずかな増加が予想されているが、砂糖輸出量は、430万トン(同0.2%増)にとどまると予想されている。

 現地報道によると、2017/18年度以降の新たな輸出契約に関するクイーンズランド(QLD)州砂糖公社(QSL)(注)との交渉が難航していた製糖企業1社が5月上旬、QSLと合意に達した。これを受け、QLD州北部のサトウキビ生産者は、サトウキビの収穫開始を遅らせないよう、同社とのサトウキビ供給契約の締結を2週間程度で完了させることを目指している。これにより、QLD州の砂糖産業でおよそ2年にわたり続いていた紛争が収束に向かうこととなった。

 また、中国系企業は4月中旬、QLD州ロッキーポイントのサトウキビ生産者とブリスベンからゴールドコーストにかけての約6000ヘクタールの農地の売却に関する交渉を開始した。これが実現すれば、外資系企業に対する農地の売却としては国内最大規模になるとみられる。なお、同企業は近接する製糖工場の運営についても検討しているとの報道もある。

(注)QLD州産砂糖の輸出を担う公社。同州産砂糖輸出の9割を扱っていたが、2015年の砂糖産業法改正により、2017/18年度以降、製糖企業を介してQSLが輸出する従来の形態に加え、砂糖を輸出する企業を生産者が選択できるようになった。

表6 豪州の砂糖需給の推移

タイ

2016/17年度の砂糖生産量はわずかに増加、輸出量はかなり減少の見込み
 2016/17砂糖年度(10月〜翌9月)のサトウキビ収穫面積は、141万ヘクタール(前年度比0.2%減)と前年度並みと見込まれる一方、単収の低下が見込まれることから、生産量は9300万トン(同1.1%減)とわずかな減少が見込まれる(表7)。

 しかし、砂糖生産量は、長引く干ばつの影響があったものの、製糖歩留まりの向上が見られることなどから、1030万トン(同2.7%増)とわずかな増加が見込まれている。また、輸出量は、中国向けの減少などに伴い、722万トン(同7.5%減)とかなりの減少が見込まれている。

 タイ製糖協会によると、5月3日までに2016/ 17年度のサトウキビの圧搾が終了し、同年度のサトウキビ圧搾量は9295万トン(同1.2%減)とわずかに減少した。干ばつの影響によるサトウキビの減産に伴い、サトウキビ圧搾量が前年度比で8%減少した工場も見られた。

 また、政府は、2017/18年度からの適用を目指し、砂糖産業関連法の改正(注1)に向けた手続きを行っている。この改正によって、砂糖産業全体の収益をサトウキビ生産者と製糖業者で7:3の割合で分配する現行の収益分配方式や販売割当(注2)は廃止され、政府が設定している国内砂糖価格は固定制から変動制に移行するものとみられる。なお、サトウキビ・砂糖委員会事務局(OCSB)(注3)によると、改正法は、遅くとも2018年4月までに施行される。

(注1)タイ政府は2016年4月初旬、国際砂糖価格の低迷時などに製糖企業を通じて生産者に支払われる補てん金や、砂糖の販売割当および国内販売価格の設定は、間接的な輸出補助金に当たり国際貿易協定に違反しているとして、ブラジル政府からWTOに提訴された。これを受け、タイ政府は同年11月3日、ブラジルとの2国間協議の場に、同年10月中旬に閣議承認された砂糖政策の改革案を提出した。
(注2)タイ産砂糖は、A割当と呼ばれる国内供給向けとB割当およびC割当と呼ばれる輸出向けなどの販売割当に基づき管理されている。
(注3)タイのサトウキビおよび砂糖関連政策の執行機関である3省(工業省〈製糖関係〉、農業協同組合省〈原料作物関係〉、商務省〈砂糖の売買関係〉)とサトウキビ生産者および製糖企業の代表で構成され、工業省内に設置された「サトウキビ・砂糖委員会(TCSB)」の事務局。

表7 タイの砂糖需給の推移

(参考) タイの砂糖(粗糖・精製糖別)の輸出量および輸出単価の推移

フィリピン

2016/17年度の砂糖生産量はかなり減少、 輸出量は大幅減の見込み
 2016/17砂糖年度(9月〜翌8月)のサトウキビ収穫面積は42万ヘクタール(前年度比0.4%増)、生産量は3062万トン(同0.7%減)と、ともに前年度並みと見込まれている。しかし、製糖歩留まりの低下が見られることから、砂糖生産量は210万トン(同6.2%減)とかなりの減少が見込まれている(表8)。

 砂糖統制委員会(SRA)(注1)が発表した2016年9月〜翌4月の生産実績報告によると、サトウキビ圧搾量は2308万トン(前年同期比0.8%減)となった。製糖歩留まりの低下に伴い、粗糖生産量は208万トン(同6.9%減)とかなり減少した。 また、SRAは3月下旬、2016/17年度の砂糖の割当数量について、国内供給向けを砂糖生産量の94%から74%に引き下げ、米国輸出向け(注2)に加え、同20%を輸出向けに割当を変更した。SRAはこの背景として、米国向け輸出が停滞していることや、特に清涼飲料水用の中国産異性化糖の輸入の増加により砂糖在庫量の増加が見込まれ、国内価格の低下が予想されていることを挙げている。 ただし、4月時点で米国向けについても輸出実績がないことから、砂糖輸出量は、11万トン(前年度比33.2%減)と大幅な減少が見込まれているが、今後予測値は修正される可能性もある。

(注1)砂糖の供給管理政策など国内砂糖産業の管理・監督などを実施する政府機関。
(注2)米国向けは、特恵的な関税枠を有しており、砂糖生産量の6%が割り当てられている。

表8 フィリピンの砂糖需給の推移

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