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4. 世界の砂糖需給に影響を与える諸国の動向(2017年6月時点予測)

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最終更新日:2017年7月10日

4. 世界の砂糖需給に影響を与える諸国の動向(2017年6月時点予測)

2017年7月



2016/17年度の砂糖生産量、輸出量はともにかなり増加の見込み

 2016/17砂糖年度(4月〜翌3月)のサトウキビ収穫面積は、天候不順などにより前年度に収穫しなかったものも含まれたため、905万ヘクタール(前年度比4.6%増)とやや増加が見込まれている。しかし、サトウキビの新植が進まず単収は低下したため、生産量は6億5718万トン(同1.3%減)とわずかな減少が見込まれている(表2)。

 一方、砂糖生産量は、国際砂糖価格の上昇により、企業がサトウキビを砂糖へ仕向ける割合が増加したことに加え、製糖歩留まりが向上していることなどから、4053万トン(同15.2%増)とかなりの増加が見込まれている。こうした砂糖の増産に伴い、輸出量は過去最高の2874万トン(同14.4%増)とかなりの増加が見込まれている。

2017/18年度の砂糖生産量、輸出量ともに前年度並みの見込み
 2017/18年度のサトウキビ収穫面積は、884万ヘクタール(前年度比2.3%減)とわずかに減少し、生産量は単収の向上から、6億4763万トン(同1.5%減)の減少にとどまると見込まれている。

 砂糖生産量も、4070万トン(同0.4%増)と前年度並みにとどまると見込まれている。これは、サトウキビの砂糖への仕向け割合の増加に加え、製糖歩留まりの向上が予想されているためである。輸出量については、国際的な砂糖の輸入需要の緩やかな減少に伴い、2870万トン(同0.1%減)と見込まれている。

 なお、UNICAが発表した2017年4〜5月の生産実績報告によると、中南部地域のサトウキビ圧搾量は1億1184万トン(前年同期比20.9%減)、砂糖生産量は570万トン(同18.9%減)と大幅に減少している。これは、主に天候不順により収穫が遅れたためとみられる。同報告によると、エタノール生産量も、430万キロリットル(同26.5%減)と大幅に減少した。一方、輸出量も含めたエタノールの販売量は、383万キロリットル(同14.3%減)となった。このうち、含水エタノール(注)の国内販売量は、価格が上昇したため、212万キロリットル(同16.8%減)と大幅に減少した。石油・天然ガス・バイオ燃料監督庁(ANP)によると、同月の含水エタノール小売価格(サンパウロ州)は、1リットル当たり2.38レアル(83円〈5月末日TTS:1レアル=35円〉)と前年同月の同2.25レアル(79円)に比べ、上昇している。

 現地報道によると、UNICAは6月上旬、中国政府が砂糖の輸入関税の引き上げを発表したことを受け、ブラジル政府に対し、WTOにパネル(小委員会)の設置を求めるよう要請した。

 国内のエタノール生産量の減少などにより、米国からのエタノール輸入量が急増している状況を受け、UNICAはエタノールの輸入関税(16%)の再導入を政府に要請しており、北東部の砂糖エタノール製造企業も国内産業の保護を政府に求めている。しかし、政府は、関税を再導入した場合、国内のエタノール価格が高騰し、世界のエタノール貿易に影響を与えることから、慎重に検討することとしている。

 また、政府は6月上旬、サトウキビ技術センター(CTC)が開発した遺伝子組み換えサトウキビ品種の商業利用を認可した。同品種は国内で被害の多い主要病害虫に対する抵抗性を有しており、遺伝子組み換えサトウキビ品種の商業利用としては、世界初の認可となる。

(注)自動車の燃料として用いられるエタノールには、含水と無水の2種類がある。含水エタノールは製造段階で蒸留した際に得られた水分を5%程度含み、フレックス車(ガソリンとエタノールいずれも燃料に利用できる自動車)でそのまま燃料として利用される。一方、無水エタノールは含水エタノールから水分を取り除きアルコール100%としたもので、ガソリンに混合して利用される。

表2 ブラジルの砂糖需給の推移

(参考)ブラジルの砂糖(粗糖・精製糖別)の輸出量および輸出単価の推移


2016/17年度の砂糖生産量、輸出量ともに大幅減の見込み
 2016/17砂糖年度(10月〜翌9月)のサトウキビ収穫面積は474万ヘクタール(前年度比6.2%減)、生産量は3億3193万トン(同7.5%減)と、ともに干ばつの影響によりかなりの減少が見込まれている。さらに、砂糖生産量も、2210万トン(同19.3%減)と製糖歩留まりの低下により大幅な減少が見込まれている(表3)。インド砂糖製造協会(ISMA)が3月初旬に発表した見通しによると、1〜2月にかけてマハラシュトラ州やカルナタカ州などで当初の予想以上に単収が低下していることなどから、同年度の砂糖生産量は、精製糖換算で2030万トンと見込まれている。

 中央政府は、砂糖の減産により2015年末から国内の砂糖価格が高騰していることを受け、国内市場での砂糖の流通量を増やし、価格の安定化を図るため、2016年6月中旬以降、砂糖の輸出(粗糖を輸入して6カ月以内に再輸出する精製糖や2500トンのオーガニックシュガーを除く)に対し、輸出関税(20%)を導入している。さらに、2017年4月中旬には、貿易業者に対する砂糖在庫量の上限の設定期限を2017年4月末から同年10月末まで延長することを公表した。これらにより、砂糖輸出量は、179万トン(同56.5%減)と大幅な減少が見込まれている。

 また、中央政府は4月、6月30日までに輸入される粗糖50万トンについて無税での輸入を許可することを公表した。当該措置は、干ばつにより砂糖生産量が大幅に減少し、消費量を下回ると見込まれること、また、マハラシュトラ州の製糖企業らによる再輸出用粗糖100万トンの輸入申請が行われたことなどを受けて実施されることとなった。一方で、50万トンを超えたり、7月以降に輸入されたりする砂糖については、2015年4月以降適用されている輸入関税(40%)が課せられることから、砂糖輸入量は、177万トン(同7.0%減)とかなり減少すると見込まれている。

 なお、現地報道によると、ISMAは6月中旬、国際砂糖価格の下落に伴う砂糖の輸入増加により国産糖の需要が低下することを懸念し、中央政府に対し、砂糖の輸入関税を40%から60%まで引き上げるよう要請した。しかし、政府は、当面、その予定はないとの見解を示している。

表3 インドの砂糖需給の推移

(参考)インドの砂糖(粗糖・精製糖別)の輸出量および輸出単価の推移



2016/17年度の砂糖生産量はかなり増加、 輸入量は大幅減の見込み

 2016/17砂糖年度(10月〜翌9月)は、サトウキビについては、収穫面積が183万ヘクタール(前年度比10.0%増)、生産量が1億2652万トン(同7.9%増)と、ともにかなりの増加が見込まれている(表4)。これは、最大生産地域である広西チワン族自治区や海南省における栽培面積の増加と良好な生育状況が要因である。

 てん菜についても、収穫面積は15万ヘクタール(同10.0%増)とかなり増加し、生産量は771万トン(同5.0%増)とやや増加が予想されている。これは、主要生産地である内モンゴル自治区の増加などが要因である。これらにより、砂糖生産量は、1010万トン(同6.7%増)とかなりの増加が見込まれている。

 中国砂糖協会(CSA)が発表した2016年10月〜翌5月の生産実績報告によると、砂糖生産量は精製糖換算で929万トン(前年同期比6.8%増)とかなり増加した(図4)。これは、サトウキビおよびてん菜の栽培面積拡大により、甘しゃ糖が824万トン(同5.0%増)、てん菜糖が105万トン(同23.2%増)と、ともに増加したことによる。

 さらに、中央政府は2016年10月以降、入札により備蓄砂糖を国内企業へ売り渡しており、1月時点で合計約65万トンが市場に放出された。CSAは2016/17年度に200万トン程度、2017/18年度も同程度の備蓄砂糖の放出を見込んでいる。

 こうした中、中央政府は5月22日、2016年9月から実施した砂糖の輸入先国によるダンピング疑惑の調査(注1)の結果を踏まえ、2017年5月22日から2020年5月21日までの3年間、WTO協定に基づく関税割当(194万トン、関税率15%)の枠外で輸入される砂糖の関税率を、現行の50%から95%まで引き上げることを公表した(注2)。 このため、砂糖輸入量は、456万トン(前年度比26.5%減)と大幅な減少が見込まれている。枠外関税率は、毎年度5%ずつ引き下げられる予定であるが、ミャンマーなどからの「非公式な」砂糖の流入および第三国経由での輸入量の増加が懸念されている。

(注1)海外からの安価な砂糖の流入により、国内の砂糖産業に影響が生じているとして実施した調査であり、対象は、輸入量が急増した2011年以降で、粗糖の上位輸入先国であるブラジルおよび豪州ならびに精製糖の主要輸入先国である韓国などが対象国となっていた。
(注2)開発途上の約190の国や地域(フィリピンやパキスタンといった従来中国と関係の深い貿易相手国を含む)については、一定の条件を満たせば対象外とされている。

表4 中国の砂糖需給の推移

図4 中国の砂糖生産実績(10月〜翌5月の生産量)

(参考)中国の砂糖(粗糖・精製糖別)の輸入量および輸入単価の推移



2016/17年度の砂糖生産量はかなり増加、 輸入量は大幅減の見込み

 2016/17砂糖年度(10月〜翌9月)は、てん菜収穫面積が159万ヘクタール(前年度比10.8%増)、生産量は1億1218万トン(同6.7%増)と、ともにかなりの増加が見込まれている(表5)。2017年10月以降の生産割当廃止を目前に、生産量上位国であるフランスやドイツでは、在庫増への懸念から栽培面積の拡大に慎重になっていた一方、ポーランドやオランダなどでは栽培面積を前年度から約2割増加させるなど、積極的に増産する動きも見られていた。記録的な生産量となった前々年度に比べ、春先の低温や降雨のため単収が低下すると見込まれているものの、前年度と比べて産糖量の増加が見込まれていることなどから、砂糖生産量は、1694万トン(同12.8%増)とかなりの増加が見込まれている。砂糖の増産や域内の砂糖価格の下落に伴い、砂糖輸入量は、281万トン(同25.0%減)と大幅な減少が見込まれている。

 主要生産国では生産割当廃止後の砂糖の増産を目指し、2017/18年度のてん菜収穫面積は、フランスでは48万ヘクタール(同18.8%増)、ドイツでは37万ヘクタール(同19.1%増)と、ともに大幅な増加が見込まれている。しかしながら、播種(はしゅ)後に低温や降雨不足に見舞われ、両国のてん菜生産量に与える影響が懸念されている。

表5 EUの砂糖需給の推移

(参考)EUの主要国別砂糖生産見込みおよび生産割合

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