[本文へジャンプ]

文字サイズ
  • 標準
  • 大きく
お問い合わせ
alic 独立行政法人農畜産業振興機構
砂糖 砂糖分野の各種業務の情報、情報誌「砂糖類情報」の記事、統計資料など

ホーム > 砂糖 > 砂糖の国際需給・需給レポート > 4. 日本の主要輸入先国の動向(2017年8月時点予測)

4. 日本の主要輸入先国の動向(2017年8月時点予測)

印刷ページ

最終更新日:2017年9月11日

4. 日本の主要輸入先国の動向(2017年8月時点予測)

2017年9月

 近年、日本の粗糖(甘しゃ糖・分みつ糖〈HSコード1701.14−110〉および甘しゃ糖・その他〈同1701.14−200〉の合計)の主要輸入先国は、タイ、豪州、南アフリカ、フィリピン、グアテマラであったが、2016年の主要輸入先国ごとの割合は、豪州が52.2%(前年比13.2ポイント増)、タイが47.7%(同8.3ポイント減)と、この2カ国でほぼ全量を占めている(財務省「貿易統計」)。

 豪州およびタイは毎月の報告、南アフリカ、フィリピン、グアテマラについては、原則として3カ月に1回の報告とし、今回はフィリピンを報告する。

豪州

2016/17年度の砂糖生産量はわずかに減少、輸出量はやや減少の見込み
 2016/17砂糖年度(7月〜翌6月)のサトウキビ収穫面積は39万ヘクタール(前年度比3.2%増)とやや増加し、生産量は3550万トン(同1.9%増)とわずかな増加が見込まれている(表6)。5〜6月に収穫されたサトウキビについては、3月に襲来したサイクロンの影響により、製糖歩留まりの低下が見られることから、砂糖生産量は494万トン(同2.2%減)とわずかな減少が見込まれている(注)。 また、輸出量も、中国向けの減少などに伴い、397万トン(同4.4%減)とやや減少が見込まれている。

2017/18年度の砂糖生産量はかなり増加、輸出量は前年度並みの見込み
 2017/18年度のサトウキビ収穫面積は40万ヘクタール(前年度比1.8%増)とわずかな増加が見込まれるものの、サイクロンの影響による単収の低下から、生産量は3556万トン(同0.2%増)と前年度並みにとどまると見込まれている。砂糖生産量は531万トン(同7.5%増)とかなりの増加が見込まれているものの、サイクロンの被害状況によっては、今後下方修正される可能性がある。輸出量は、生産量が増加するものの、中国向けの需要が減少すると見込まれることなどに伴い、400万トン(同0.8%増)と前年度並みが見込まれている。

 豪州農業資源経済科学局(ABARES)が6月中旬に公表した2017/18年度の生産予測によると、サトウキビ栽培面積は38万ヘクタール(同2.2%増)とわずかに増加するものの、サイクロンの被害に伴い、砂糖生産量は、482万トン(同0.4%増)と前年度並みが見込まれている。輸出量についても、407万トン(同0.3%増)と前年度並みが見込まれている。

 豪州砂糖製造業者協議会(ASMC)が発表した生産実績によると、5月下旬〜8月中旬のサトウキビ圧搾量は1185万トンであった。なお、ASMCは先ごろ、2017/18年度のサトウキビ圧搾量見込みを3424万トンと上方修正している。 現地報道によると、サイクロン被害により、クイーンズランド州沿岸部のマッカイなど一部地域のサトウキビ収穫量は、例年よりも25%減少すると見込まれている。被害の復旧にはしばらく時間がかかる見通しであるというが、現時点で、収穫されたサトウキビの品質などに目立った影響は確認されていないという。

(注)豪州の砂糖年度は7月〜翌6月とされているが、例年5〜6月ごろから製糖が開始される。5〜6月の数量は、前年度の数量に含まれる。

表6 豪州の砂糖需給の推移

タイ

2016/17年度の砂糖生産量はわずかに増加、輸出量はかなり減少の見込み
 2016/17砂糖年度(10月〜翌9月)のサトウキビ収穫面積は、141万ヘクタール(前年度比0.2%減)と前年度並みと見込まれる一方、単収が低下することから、生産量は9300万トン(同1.1%減)とわずかな減少が見込まれる(表7)。

 しかし、砂糖生産量は、長引く干ばつの影響があったものの、製糖歩留まりの向上が見られることなどから、1030万トン(同2.7%増)とわずかな増加が見込まれている。また、輸出量は、中国向けの減少などに伴い、677万トン(同13.3%減)とかなりの減少が見込まれている。

 タイ製糖協会によると、5月3日までに2016/ 17年度のサトウキビの圧搾は終了し、同年度のサトウキビ圧搾量は9295万トン(同1.2%減)とわずかに減少した。干ばつの影響によるサトウキビの減産に伴い、サトウキビ圧搾量が前年度比で8%減少した工場も見られた。

 政府は現在、砂糖産業関連法の改正(注1)に向けた手続きを行っている。この改正によって、砂糖産業全体の収益をサトウキビ生産者と製糖業者で7:3の割合で分配する現行の収益分配方式、販売割 当(注2)、および政府が設定している国内砂糖価格は廃止されるとみられる。現地報道によると、サトウキビ・砂糖委員会事務局(OCSB)(注3)は5月中旬、各製糖企業に対し、国内供給用に、生産量の一定割合を常に在庫として確保するよう求めること、今後は、OCSBが国際価格を基に算出した基準価格を発表することなど、改正の方向性について関係者間で合意に達したと明らかにし、改正法は11月までに施行される見込みであるとした。

 また、現地報道によると、砂糖小売価格については、タイ商務省が法改正後の12月以降も引き続き監視するとみられる。現在、砂糖小売価格は、1キログラム当たり23.50バーツ(80円〈7月末日TTS:1バーツ=3.39円〉)を上回らないよう管理されており、タイ商務省は毎月、基準価格(または参考価格)を公表することで、今後も小売価格が基準価格以下となるよう促すものとみられる。

 現地報道によると、政府は7月下旬、糖類を含む飲料への課税制度を9月16日から導入すると発表した。政府は、糖類含有量に応じて課税する予定であるが、税率については未発表である。政府は、今回の課税制度導入の目的は、国民の健康増進であり税収確保ではないとしている。課税に当たっては、飲料製造者が徐々に糖類を減らした製品を製造できるよう、6年をかけて、段階的に糖類含有量の上限値が引き下げられるものとみられる。

(注1)タイ政府は2016年4月初旬、国際砂糖価格の低迷時などに製糖企業を通じて生産者に支払われる補てん金や、砂糖の販売割当および国内販売価格の設定は、間接的な輸出補助金に当たり国際貿易協定に違反しているとして、ブラジル政府からWTOに提訴された。これを受け、タイ政府は同年11月3日、ブラジルとの2国間協議の場に、同年10月中旬に閣議承認された砂糖政策の改革案を提出した。サトウキビ・砂糖委員会事務局(OCSB)によると、改革案は現在、閣議レベルで吟味されているが、公聴会を実施してから再提出するよう、OCSBへ返却されている。改革案は近いうちに閣議へ再提出される予定となっている。
(注2)タイ産砂糖は、A割当と呼ばれる国内供給向けとB割当およびC割当と呼ばれる輸出向けなどの販売割当に基づき管理されている。
(注3)タイのサトウキビおよび砂糖関連政策の執行機関である3省(工業省〈製糖関係〉、農業協同組合省〈原料作物関係〉、商務省〈砂糖の売買関係〉)とサトウキビ生産者および製糖企業の代表で構成され、工業省内に設置された「サトウキビ・砂糖委員会(TCSB)」の事務局。

表7 タイの砂糖需給の推移

(参考) タイの砂糖(粗糖・精製糖別)の輸出量および輸出単価の推移

フィリピン

2016/17年度の砂糖生産量はかなり増加、 輸出量はやや減の見込み
 2016/17砂糖年度(9月〜翌8月)のサトウキビ収穫面積は42万ヘクタール(前年度比0.4%増)、 生産量は3062万トン(同0.7%減)と、ともに前年度並みと見込まれている。しかし、製糖歩留まりの向上が見られることから、砂糖生産量は250万トン(同11.7%増)とかなりの増加が見込まれている(表8)。

 砂糖統制委員会(SRA)(注1)が発表した2016年9月〜翌7月の生産実績報告によると、サトウキビ圧搾量は2800万トン(前年同期比20.4%増)と大幅に増加し、粗糖生産量は250万トン(同11.7%増)とかなり増加した。

 また、SRAは3月下旬、2016/17年度の砂糖の割当数量について、砂糖生産量のうち20%を国内供給向けから輸出向けに振り替えた(注2)。 SRAはこの背景として、米国向け輸出が停滞していることや、特に清涼飲料水用の中国産異性化糖の輸入の増加により砂糖在庫量の増加が見込まれ、国内価格の低下が予想されていることを挙げている。

 一方、2016/17砂糖年度における砂糖輸出量は16万トン(前年度比5.5%減)とやや減少が見込まれている。SRAによると、7月末時点の輸出量は14万9082トンで、うち米国向けは13万6189トンとなっている。

 なお、現地報道によると、砂糖業界からは、中国産異性化糖輸入の増加により、国内の砂糖価格が押し下げられているとの不満の声が上がっていることから、SRAは政府に対し、フィリピン産砂糖への関税撤廃について中国政府に働きかけることを要求している。現在、中国では輸入する砂糖に、原則として15%の関税を課している一方、フィリピンでは中国から輸入される異性化糖は、無税となっている。

 また、現地報道によれば、7月1日に可決された総合的な税制改革法案には、糖類を含む飲料への課税が盛り込まれている。税率は、使用されている糖類が国産・輸入の別によって異なり、国産糖が使用された清涼飲料水には、1リットル当たり10ペソ(23円〈7月末日TTS:1ペソ=2.34円〉)、輸入糖や輸入異性化糖が使用された清涼飲料水には、同20ペソ(47円)が課税されることとなっている。牛乳や乳幼児用飲料、豆乳や100%果汁のジュースなどは課税が免除されることとなっている。

(注1)砂糖の供給管理政策など国内砂糖産業の管理・監督などを実施する政府機関。
(注2)2016/17年度の砂糖の割当数量は、国内生産量のうち、(1)6%を米国向け(特恵的な関税枠を有す)、(2)74%を国内向け、(3)20%を輸出向けに設定している。

表8 フィリピンの砂糖需給の推移

このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03‐3583‐9272



このページのトップへ

Copyright 2016 Agriculture & Livestock Industries Corporation All rights Reserved.