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南米の農畜産業をめぐる現地情報(2010年8月上期)

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(アルゼンチン)

○ 2010年の牛飼養頭数は、前年比14%減

 国家動植物衛生機構(SENASA)が2〜3月にかけて行った口蹄疫ワクチン接種データによると、2010年の国内の牛飼養頭数は繁殖用雌牛の減少などにより、前年比14%減の約4800万頭となった。   
 アルゼンチン牛肉・牛肉副産物および取引会議所(CICCRA)によると、同年上半期の牛肉生産量は、飼養頭数の減少を反映し、前年同期比20.3%減の約130万トンとなった。一部新聞報道によると、このため、一部牛肉パッカーは操業時間の短縮、従業員の自宅待機などを行っており、中小規模のスーパーマーケットでは、牛肉の主要部位の一部が不足していると伝えられている。

○ 輸出税の今後の措置をめぐり政府と農牧団体などが対立

 8月24日付けで、「行政府の農畜産物に対する輸出税の決定権に関する法律」が無効となる。政府としては、引き続き決定権を持ち、大豆などの輸出税率(35%)を維持したい方針である。これに対して、アルゼンチン農業連合会(FAA)など農牧団体や野党は、それぞれ主張は多少異なるものの、決定権を議会に移し輸出税を引き下げるべきとして強く反発している。

(ブラジル)

○ 2009年の牛精液の輸入割合が過去10年で最大

 2009年において、肉牛および乳牛の人工授精で使用された精液920万本のうち、約4割に当たる380万本が輸入精液であった。輸入割合は、過去10年で最大であり、ブラジルの畜産部門が輸入精液への依存を高めていることを示すこととなった。なお、輸出精液は13万2000本であった。

○ 2009/10年度の穀物生産量は過去最高の見込み

 ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)の第11回調査結果によると、2009/10年度(7月〜翌年6月)の穀物生産量は、前年度比8.8%増の約1億4710万トンと過去最高になる見込みとなった。そのうち、大豆は同19.3%増の6850万トン、トウモロコシは同6.6%増の5440万トンと見込まれている。

○ 遺伝子組み換えトウモロコシが作付面積の50%以上に拡大の見込み

 農業コンサルタント会社によると、2010/11年度のトウモロコシの作付予測面積、約1280万ヘクタールのうち、約55%以上に及ぶ710万ヘクタ−ルで遺伝子組み換え(GM)トウモロコシが作付けられるとみられている。これは、前年度において、作付面積の3割以上でGMトウモロコシが作付されたことによる生産量の増加に、生産者が満足しているためとしている。

(南米寒波情報)

現地農業コンサルタント会社などに、寒波の影響について聞き取ったところ、以下の通り。

・鶏肉および豚肉については、今のところ影響はない。
・他の農畜産物についても、影響はない。
・例年よりも寒いが、期間はそれほど長く続いていない。
・寒波は南部の一部の地域と限定的であり、しかもその地域はもともと寒い地域である。地域の生産者や農作物は寒さに慣れている。
・今後は、パラナ州の小麦生産に多少の影響が出る可能性があるかもしれない。
・むしろ、今回の寒波ではある程度湿気があることから、主要生産州であるパラナ州のトウモロコシ生産にとって好条件である。

なお、ブラジル以外の南米主要国からも、今のところ農畜産物への影響は報告されていない。
【石井 清栄 平成22年8月13日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部調査課 (担当:藤井)
Tel:03-3583-9532